忘れられない人。 デヴィ夫人
いい女シリーズ、今回はデヴィ・スカルノ。写真が見せられないのが残念。
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わたしは美しい女もしたたかな女もそれぞれ、何人か知っている。しかし、超美しくて、しかもしたたかな女というと、この人以外に思いつかない。『ザ・ゲーム・オブ・スローン』のサーセイ・ラニスターみたいな迫力。
デヴィ夫人はそもそも傾国の美女である。唐ゆきさんのようにも見え、貴婦人にも見え、もともとわたしの手に負えるような女ではないのだが、わたしが取材したころの彼女は四十代の女の盛りのころ、花にたとえると彼岸花(曼珠沙華)とでもいえばいいだろうか、見た目は華やかで美しいが根本(旧姓も根本である)に毒があり、食べると死ぬというような妖艶な雰囲気を漂わせた、とにかく美しい人だった。
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