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ある地名の風景
八丈島、雨の桟橋 hachijo-3
どうも、八丈島という名がいつ頃使われ始めたか、
また、最初に記録された文献は何かなどさっぱりわかりません。
そのかわり、“はちじょう”という語源をいくつか見つけました。
その一つ、特産の“黄八丈”の織物からというものです。
江戸時代、伊豆諸島の島々は幕府から扶持米を支給され、
その代わりに島の特産物が年貢として徴収されたといいます。
八丈島は特産の絹織物である黄八丈でした。
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八丈島産の黄色い織物だから黄八丈かと思えば、
どうもそうではなさそうです。
本居宣長の説によると、
昔は諸国から伊勢神宮に収める織物は、
みな八丈と言ったというのです。
つまり、八丈を産する島だから“八丈島”と呼ばれた・・
なんとなく説得力はあるものの
それなら他にも同じく呼ばれた島がありそうなものです。
もう一つは、元は八郎島といったというものです。
大島の言葉で「郎」を「じょう」と読むので
八郎島が八丈島になったとか。
これはちょっとマユツバですねぇ(笑)
全国的に“はちじょう”という地名をみると、
たいていは「八条」です。
京都や札幌にある通りの名前です。
珍しいところでは、山梨に“蜂城山”がありました。
まぁ、それだけ八丈の絹織物が
他に比べても優れた品質だったということでしょうか。
いまのところ、
これで納得するのが一番という気がしてきました。
ちなみに、奥田英二監督による
2006年の映画「るにん」はなかなか良かったです。
主演は松坂慶子でした。
(東京都八丈町)
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