ある地名の風景
二子に夏の終わりを告げる futago
二子玉川が”二子”と”玉川”のくっついた通称地名だとすると
玉川は駅の周り、そして二子は多摩川向かいの川崎にありました。
東急田園都市線に二子新地駅があります。
この一帯が二子という町名で、
やはり江戸時代から二子村でした。
川崎には江戸時代から南北に二ケ領用水が流れています。
二子の町の南端をかすめていますが、
この用水のそばに
「二子塚児童公園」という小さな公園があります。
ここにかつて大きな二つの塚があったそうです。
地元では坊主塚などと呼ばれていたようですが、
なんと、大正時代にここから勾玉や耳環が出土したとか。
古代に誰かしら有力者がこのあたりに住んでいたようで、
二子村はこの塚の付近に住む七軒の農家が開いた
という伝説があります。
”二子”という地名は
この二つの塚を意味しているわけです。
江戸時代にはすでに「塚」の字が省略されて
”二子”と呼ばれていたんですね。
(つづく)
(川崎市高津区)