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暗い夜を振り返る

11月の頭に、現実の捉え方が変わって、世界が全然違うように見えるような感覚になり、うおーーーっと大興奮する時期があった。それを「目覚め」とか「覚醒」と呼ぶことを知った。

途中、覚醒の後に絶望感や無力感が待っているものとは知らず、「あれは覚醒ではなかった」と考えてた時期もあった。でも、その絶望感や無力感でいっぱいになる時期は「暗い夜」とか「魂の闇夜」と呼ばれる段階で、覚醒に付随してやってくるものだということも知った。

怒り

12月下旬に入り、私の「暗い夜」がやってきた。
私にとっての暗い夜は、怒りの連続だったように思う。

その少し前に「その覚醒は本当の覚醒ではないんですよー」というメッセージを受け取ってしまい、奈落の底に突き落とされた感じがした。その時は、そのメッセージを私に見せつけてくる相手に、「大興奮で楽しくやってたのに、こんなもの見せつけやがって!」と怒りすら湧いたけど、今となっては、「とっとと自分と向き合え、って背中押してくれてありがとう」とも思っている。正直、もうちょっと興奮してたかった気持ちもあるけど。

「暗い夜」に突入すると同時に、下の子たちが胃腸炎になった。一人ずつ、嘔吐、下痢、発熱、と1日ずつ症状が出て、昼も夜も臨戦態勢で子どもの世話をする必要があった。眠れない夜を過ごす。一人が終わったと思ったら、もう一人、同じような症状を繰り返した。3日+3日で6日間。発熱の日は一緒に眠れたけど、眠れない夜が続いた。

そんな精神修行みたいな1週間を過ごした後、仕事に戻ったら、なんかもうパンクしてしまったみたいに、怒りがあふれ出してしまった。

今まで見て見ぬふりをしていた小さな怒りを無視できなくなっていた。誰にも彼にも怒りが湧く。そんなことで!みたいなちょっとしたことに、猛烈に怒ってしまう。そんな自分にも嫌になる。

人の嫌なところが、全部自分に跳ね返ってくる。自分もそんなとこあるやん!って跳ね返ってきたものが、自分に重くのしかかる。さらに自己嫌悪。

絶望感と無力感

怒り続けた後、今度は一気にエネルギーを失い、絶望感と無力感に包まれた。

怒れば怒るほど、その怒りが自分に返ってきてしまうので、怒れない。言葉に言い表せないような、嫌な感覚がまとわりついて離れない。

何をやってもだめな感じがしたり、自分には何もできないと思ったり、そもそも何かをやろうというエネルギーが湧いてこない。

暗い海の奥深くで、底無しに沈んでいくことに恐怖を感じながら、でも、ただ漂ってるだけ。そして、つらい気持ちだけがそこにある。
暗くて重たい長い夜。

誰かにすがりつきたい、助けてほしい、すくいあげてほしい。でも自分が何とかしないといけないのか。

こういう時のために神様はいるんじゃないだろうか。

自分を守ってくれる存在を、自分を導いてくれる存在を、心から求めていた。

心境

「暗い夜」の真っ最中の感覚は、今となっては、はっきりとは覚えていない。ほんのついこの間のことなのに。

暗闇にいるとき、その気持ちを共感できる言葉を、誰かがどこかに書いていないか探した。けど、なかなか見つからない。つらすぎて表現されていないのか。みんな隠してるのか。

今となって思う。暗闇の中にいる間は表現する気にもならないし、闇が過ぎ去ったら闇の中にいた感覚を忘れてしまうんだ。

暗闇の最中、光が差し込んできた時に書いたものを振り返る。そんな感覚だったかもな、とうっすら感じる。今の私はもう暗闇の中の気持ちに共感できなくなってるのに気づく。

暗闇の中で紡ぎ出したこの言葉たちが、いつか私みたいに言葉を探し求めてる誰かに届いたらいいな、と思う。


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