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宮崎・日南が教えてくれる、”消費”より”生産”が楽しい暮らしーーLoLLLアンバサダー・杉本恭佑さんインタビュー

「移住するとき、いよいよ宮崎での暮らしに全体重を乗せるんだって思ったら、むしゃぶるいのような気持ちがわきました。修行期間は終わって、これから自分の本当にやりたいことをやる人生が始まるんだなって」

そんな力強い言葉をどこまでも柔らかく語るのは、宮崎県日南市に住む杉本恭佑さん。熊本県に生まれ、福岡、宮崎、東京での暮らしを経て、もっとも惚れ込んだ宮崎への移住を選んだ移住者です。

大好きな宮崎のために何かしたい」。ためらいなくそう言い切る杉本さんは、移住転職コミュニティ「LoLLL」のアンバサダーでもあります。納得のいく移住転職を成し遂げた先輩である杉本さんに、日南の魅力や、生きる場所を選ぶためのコツについて伺いました。


杉本恭佑 合同会社ヤッチャ代表/一般社団法人宮崎frogs理事/ADDress日南邸家守。熊本県出身。大学時代過ごした宮崎に惚れ、宮崎で暮らしていくことを決意。3年間東京で働いたのち、宮崎にUターン。現在は日南市を拠点に教育分野や企業支援などの仕事を中心に活動している。91年生まれ。カメラマン、ライフコーチとしても活動中。
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宮崎に「恩返し」をしたかった

ーー杉本さんは、合同会社ヤッチャ代表、一般社団法人宮崎frogs理事などの立場で学生の人材育成や地域連携プログラムの運営に携わる傍ら、カメラマンやコーチングなど、個人でも多様な活動を展開されています。どのような経緯で宮崎移住を決めたのでしょうか?

杉本:大学時代を宮崎で過ごして、宮崎のことが大好きになったんです。当時、上の世代の方々が活躍している姿を見て、自分たち若い世代も宮崎の中で動いているところを見せていきたい、作っていきたいと強く感じました。

大学卒業後は宮崎発のベンチャー企業に就職し、配属先の東京に引越し。でも東京で働いたのは、「20代のうちに宮崎に帰る」と決めた上でのことでした。東京で修行して、宮崎に恩返しをしたいという気持ちだったんです。そうこうしているうちに、日南市から「移住して地域おこし協力隊をやらないか」というオファーがあり、ちょうどいいと思って移住を決めました。強い不安はなかったけれど、ここからが本番だぞ、という緊張感はありましたね。

ーー恩返しをしたいと思うほど好きな土地に出会えるなんて素敵です。実際に移住されて、”本番”はいかがでしたか?

杉本:今振り返ると、20代から30代になるあのタイミングで移住を決めて、ローカルプレイヤーになれて良かったです。20代のうちしかできないこともあったと思うし、やりたいことをどんどん形にしていく貴重な体験ができました。

"消費"より"生産"が楽しい暮らしが、日南にはある

ーー日南の魅力はどんなところにあると思いますか?

杉本:聞かれたらいつも言っていることなんですけど、まずはなんといっても”適当さ”ですね。

ーー適当さ。

杉本:はい。きちんとガチガチに決めていくよりも、まあいい感じにやっていこうよ、というおおらかな気風が日南にはあります。合わない人もいると思いますが、僕はこの雰囲気がとても好きなんです。

それから、シンプルに気候です。宮崎はあたたかいし、一年を通して快晴率も高い。一年中日の光を浴びることのできる環境って、ホモサピエンスにとってはありがたいんですよ。寒いとどうしてもそれだけでしんどくなったり、曇天続きだと気分が上がらなかったりしますよね。青空と太陽、この二つは生物にとってやっぱり大事だなって。

ーーなんだか羨ましくなってきました。ちなみに、東京での暮らしも経験されているのでぜひお尋ねしたいのですが、東京での生活と、今の日南での生活との一番の違いはどこにあると感じますか?

杉本:「楽しみ方」ですかね。東京を一概にまとめることはできませんが、あえてざっくり言うなら、東京は”消費”が楽しい街だと思います。お金を使えば、ありとあらゆる娯楽を楽しめる場所。でも日南のような街だと、消費よりむしろ”生産”が楽しい。お金を使う場所はそんなに多くないけれど、その分自分たちでどんどん仕事や遊びをつくっていける。子どもを遊ばせる時も、「休みだからレジャー施設に行こうか」ではなくて、海や川、山なんかに行って、自分たちで遊びを生み出すんです。そういう過ごし方に、消費よりも生活そのものを楽しむ気概を感じます。

それ以外だと、いい意味でそんなに違いはないんですよ。地方には不便なイメージがつきものですが、日南で暮らしていてそう感じることはありません。日々の買い物をする場所にも困らないし、高速道路が通ったので宮崎空港までは40分で着きます。暮らしやすい街だなと思っています。


地域は変わり始めている

ーー移住先を検討中の人に、日南のおすすめスポットを紹介するとしたらどんな場所がありますか?

杉本:子育て世代には、ぜひ「ことこと」という子育て支援センターのことを知ってもらいたいです。飫肥杉(おびすぎ・日南周辺で育成される杉の品種)をふんだんに使った広々した施設で、「木育」に力を入れている素敵な場所です。

ーー東京だったら大混雑してしまいそうな贅沢な場所ですね!

杉本:あとは、移住してこられた方が作った「つなぐデザインカフェ」というお店があります。おいしいコーヒーを飲みながら、実際に移住した人の話を聞けて、地域のことも知れる。移住者の方がやっているお店に行ってみるのは、移住検討中の情報収集としてもとてもおすすめですね。


ーーたしかに、リアルな声が聞けますよね。一方で、なかなかリアルな情報を収集しづらいのが仕事の話です。杉本さんは地元の企業のこともよくご存じだと思うのですが、働く場所としての日南をどう見ていらっしゃいますか?

杉本:僕は日南市企業連携協議会という組織の立ち上げから二年関わらせてもらっているのですが、「変わらなきゃ」と思っている経営者や企業の方は着実に増えていますね。少子高齢化の影響で、昔のスタイルのままでは採用も育成も難しくなってきた。給与水準の問題などまだまだ課題はありますが、もっと働きやすい組織にしよう、昔のままではだめだ、と考えている人がたくさんいるのは希望だと感じています。

ーーそうした肌感は、やはり地元の方に聞かないとわかりづらいところもありますね。ぜひ、LoLLLのコミュニティでも詳しく教えていただきたいです。


移住も情報収集も、受け身でいたら始まらない

ーー今回、LoLLLにアンバサダーとしてご参加いただきましたが、今後楽しみにしていることはありますか?

杉本:これまでいろんなコミュニティやイベントに関わってきて、「ただみんなで仲良くすることだけが目的のコミュニティは続かない」という感覚を持っています。だから、何かしら学び合えるコミュニティにしたいですね。何かしら知識をシェアしたり問いを立てたり、そういう場所にできたらいいなと。

ーーぜひそうしたいです。杉本さんご自身は、アンバサダーとして特にどんな人の役に立ちたいと考えていますか?

杉本:地方で何かを新しく起こしていきたい、小さくても自分のやりたいことを形にしていきたい人。僕もずっとそういうことをしてきたので、そういう方にお話できることはいろいろあると思います。

ーーコミュニティの参加を迷っている人に、ぜひ一言お願いいたします。

杉本:まず、受け身でいると何も進まないんですよね。少しでも移住に興味があるなら、情報を取りに来てみてほしいです。もちろんその後も、ただ入っただけじゃもったいない。いかに積極的に取りにいけるかが大事です。

これって、移住も同じなんですよね。ただ移動さえすれば、そこで周りのみんなになんとかしてもらえるわけじゃありません。住んでいる場所を自分にとって最高の場所にするためには、環境を自分のために「使っていく」姿勢が必要です。土地もオンラインのコミュニティも、自分から動いて初めて自分のための場所になります。気になるならぜひ入って、そして動いてみてください。

ーーありがとうございました!

「1人でできることには限界がある。人と関わって生きていきたいし、ひとつひとつの出会いが次の繋がりを生んでここまできたと思います」と語る杉本さん。その穏やかな人となりは、まさに地域と人を繋ぐ架け橋としての役割を体現しているように見えます。

誰かに決められたものではなく、自分で作り出すものを選び楽しむ杉本さんの生き方から、私たちが学べることはまだまだたくさんあります。

ぜひLoLLLコミュニティで、杉本さんをはじめ、たくさんの移住者や移住検討者のみなさんと会話を楽しんでください!

文責:LoLLL
写真:杉本恭佑さん提供


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