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話が下手な人は、聞かない人、関心がない人
※ この記事はポッドキャストの内容を書き起こしたものです。ポッドキャストはこちらからお聞き頂けます。
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さて、面接対策、特に模擬面接をしていると、何か極端に話せないというわけではないものの、どうも会話に違和感があるような人がいます。
なんというか、こちらの求めている回答に一発で答えてくれないというか、話しが逸れていくという感じです。
あるいは、それまでの話の文脈なら、特定のことについて話をしていることは明らかなはずだ考えていたら、「それは○○のことですか?」みたいに質問し返されたり、全然関係ない話になったりするというパターンもありますね。
極端な例で言うと、「私はさっきまでこういう話をしていたのに、それを無視してどうしてそういうことをいうのかなあ」とか「私がこういう考えだということは伝えたはずなのに、どうしてそれを全否定するような言葉を平気な顔をしていうのかなあ」というような、少しこちらが明らかに不愉快になる、不快になるような受け答えというのも生じがちです。
会話がうまくいかない人には「話し好き」もいる
これは、いわゆる「コミュ障」と自覚していたり、他の人から言われたりするような人だけではなくて、一般的には、ポジティブで明るくて積極的で、社交的な感じで、すごく話しをするのも好き、という感じの人の中にもいます。
コミュ障を自覚している人は、そもそも、人間関係でそれほど円滑にいくとか、大勢の会話の中にずんずん入っていって話題の中心になるなんてことは、期待していないですから、いい、というか、認識のずれはないのです。
しかし、比較的明るくて話好きな人にこういう傾向がある場合もあって、そういう場合は、後々深刻な事態に陥ることがあります。
たとえば、営業マンで、絶え間なく話しをして、一見たくさん会話をしているように見えて、第三者からみても、あの人が営業にくるとにぎやかだな、ぐらいに思われてはいるけれど、営業成果には全く繋がらないなどという行き詰まりに直面することがあります。
あるいは、私の守備範囲である、転職活動における面接で、良い評価を得られず内定が出ない、なんてこともよくあります。
話し下手だと自覚している人も、話しがうまいと自覚している人も、共通の問題を抱えている
コミュ障といわれている人、またそのように自覚している人と、もう一方の話好き、話がうまいなどと自覚している人。実は、抱えている問題は、共通しているのではないか、と思います。
その共通項とは何かというと、
相手の話を聞いていない
ということです。
これは、単に物理的な意味で聞いていないという意味ではありません。たとえば、「私が前日横浜に行って中華街にいって店を決めるのに苦労した」みたいな話をしたら、その人が「さっきどこにいったって言ってましたっけ」みたいなことを言ってくる、というようなことではありません。
このような「聞いていない」ということではなくて、話した情報は把握しているのだけれど、そこから先、何も出てこない、ということなんです。
もっとストレートに言えば、「相手のことに関心がない」ということなんです。
聞いていない、つまり、関心がない
さっきの中華街の話しであれば、「私も苦労した覚えがある」とか、「こういう探し方がいいですよ」とか、「○さんって、エビが好きでしたよね、それなら○○の店がおすすめです」とか、「こういうタイプの店に入っちゃだめなんですよ」みたいな話の展開になるはずです。相手のことに関心があれば。
でも、相手の言っていることに興味がないから、その話には至らない。
顧客の困りごと聞かない営業マン
営業の例でいえば、こっちの伝えたい話ばかりをするということです。
たとえば自社のサービスがいかにすごいかとか、競合よりどれほどよいかとか、そういうプッシュはしています。
しかし、一方で、顧客が何に困っていて、どんな課題を抱えて居るのかとか、そいういうことに関心がない。しっかりと御用聞きをする意識がない、ということですね。
自分が好きな作品やキャラの話を一方的にする
いわゆるコミュ障を自覚している人などの例、ちょっとステレオタイプで申し訳ないのですが、自分の好きなアニメの話、キャラの話などであれば盛り上がって話します。しかし、自分がほとんど興味のないタイプの音楽、たとえばJ-POPの話などにはまったく絡まないとかはよくあると思います。
あるいは、アニメ好き同士が集まって、アニメの話をお互いにしている、一見騒がしく盛り上がっているように見えるのだけれど、それぞれが自分の好きなものことを一方的に話しているだけということもあります。そういう場面で、相手の好きものに対して知識を増やしたり、理解を深めたりして、一歩近づいてみよう、というようなことがなかったりするわけです。
相手から知りたいことは何ですか
私、こういう人と接するときに、気付いてほしいなと思ったら、こういう風に聞きます。
「あなたが相手に話したいと考えていることははっきりあるだろうと思います。では、あなたが相手から聞いて、知りたいと思うことは何ですか。」
これは、ビジネスの場であっても、プライベートな人間関係であっても、共通の大事なことを示していると思うのです。
人間は自分自身を知ってもらいたいもの
人間というのは、ほとんどの場合、一番関心のある対象は自分です。もっともかわいいのも自分です。
ですから、相手には、自分のことを知って欲しいし、自分が今どんな状態なのか、自分が今どんな気持ちでいるのかは伝えたい。だから自分の話を一所懸命します。
でもその一方で、同じその瞬間、実は相手も自分のことをわかってほしいと思っているかもしれない。たぶん、思ってますね、だって人間みんな自分がかわいんだから。
自分を知って欲しいのだけど、相手がずっと相手自身のことばっかり話して聞いていくれない。
やっと自分のターンがきたな、と思っても、相手は関心がないから、的外れな反応しかかえってこない。あるいは生返事で聞いているかどうかもわからない。
これでは人間関係がうまくいきません。
余談ですが、私、正直に言うと、こういうレベルでの人間関係のうまくやるかどうか、というのは、入り口レベルの話であり、人間同士の関係というのはもっと違う次元のものがあるとは思います。でも、初歩的な関係の結び方においては、これは非常に重要な意味がある面もありと思うのです。
相手に関心を持ち、聞くことに力を入れる
まず、相手に対して関心を持つこと、そして、相手の話を聞くこと、自分の方から話すよりも相手の話を聞く方に力を割くべきです。相手の話しを8割聞いて、返すのは2割ぐらいでもいいくらいです。
たくさん話せて楽しいのは相手も同じ
たとえば飲み会とかで、すごくたくさん話をして、「ああ、今日は楽しかったな」と思うことがあると思います。でも、考えてみてください。そういう時というのは、もしかしたら、あなたの楽しさが大きくて、相手の楽しさはいまひとつかもしれません。
一般的に人間は、自分がたくさん話せると「楽しかった」と感じるので、あなたがマックスで楽しかったということは、あなたが主に喋っていたのかもしれません。もちろん、それで成り立つ関係もたくさんあります。
でも、相手の楽しさも大事にするなら、「ああ、もっとあいつの話を聞いてやればよかったな」なんていう後悔が生じることもあると思うのです。
聞けば解決するわけではないが、大切な一歩にはなる
これ、相手に関心を持ち、相手の話をしっかり聞いて受け止めたからといって、絶対に最適な返し、返答ができるとは限りません。
相手との関係性、初対面なのか、営業先なのか、職場の同僚なのか、上司なのか部下なのか、家族なのか、恋人なのか、妻なのか夫なのか、子どもなのか、などによってどんな反応すべきかはいろいろあるでしょう。
でも、少なくとも、相手に関心を持って、話しを聞く、ということがなければ、まともな関係が始まらないわけです。良い対応をしているかどうか以前に、会話自体が成立していないのと同然です。
極端な例を挙げましたが、もし人と話す中で「うまくいかないなあ」なんて思うときがあれば、「相手に関心を持つ」、「きちんと聞く」ということを意識してみてはどうかな、と思います。
面接では面接官の意図や表情に関心を寄せる
面接では、面接官は別に自分に関心を持ってほしいと思っているわけではありません。
でも、「どうしてそういう質問になったのか、」、「どうしてそういうリアクションなのか、表情なのか」といったことには関心を寄せる必要があります。そこを理解した上でリアクションしないと、ちぐはぐな会話になってしまうのです。
自然とそういうことができている人はたくさんいますが、これを苦手とする人もいます。そういう人は強く自覚的に意識して、面接官が何を求めているのか、どうしてそういう反応になっているのかについて、注意深く意識するようにした方が良いでしょう。
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