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苦手な人ほど面接対策に取りかかれない

面接が苦手な人なら、「早めに面接対策した方が良いなあ」とは考えているでしょう。しかし、私の経験上「苦手な人ほど面接対策を後回しにしがちである」という現実があります。

不安だからこそ手をつけられない


「面接が苦手だ」、「面接が怖い」という人を第三者が見れば、「じゃあ、早めに対策を始めればいいだろ」と思うことでしょう。また、本人も「早めにやらなければ」と思っているのに取りかかれなくて、焦っていたり、一種の「罪悪感」を感じたりしている人がいるかもしれません。

苦手を先送りするのは自然なこと

しかし、「不安なこと」、「苦手なこと」を後回しにするのは人間としては自然なことです。

私は、面接対策に限らず各種試験の筆記試験対策などの指導もしてきました。また、組織内でのマネジメント経験もあります。目標達成のために「やるべきこと」をやれるように誰かを応援する立場です。このような経験の中で感じたことは「やるべきことをやれない」のは決した怠惰だけが理由ではないということです。

勉強でも仕事でも、「苦手なこと」や「不安なこと」は後回しにされがちです。得意なことは嬉々としてやるのに、苦手なことには手が付けられないのです。受験勉強を経験すれば、苦手科目に取りかかる難しさを実感したことのある人はきっと多いでしょう。

先送りは不安を回避するための防衛行動

苦手なことは、頑張ったからといっても良い結果が出るかどうかわかりません。また、努力のプロセスでも前進している手応えを感じにくいものです。それでも、努力するなら「これくらいの時期にはこうなっていたい」といった目標は誰にでもあるものです。

この目標に届かないのではないかという「不安」はストレスです。このストレスを回避するための簡単な方法は、「取りかからない」ということです。先送りすれば当面「不安」から逃げることができます。自分を守るための逃避行動を選択するのは、心の安定を図ろうとする自然な選択ということもできます。

この状況にある人に対して「早くやらないと間に合わないだろ」とか、「やらなきゃ苦手克服なんてできないぞ」と言ったところで、本人はそれを痛いほど自覚しているのです。ですから、こういう呼びかけはほとんど意味がありません。

やるべきことがわからないことが一番の問題


苦手なことを先送りする原因は「不安」にありました。「やっても目標に届かない可能性が高い」とか、「努力しても手応えを感じられないだろう」といった「不安」を避けるために逃げているのです。

だとすれば、有効な方法は「不安」を取り除くことです。

得意なことであれば、目標の100に対して現在が60だとしても、残り40を上乗せするために何をすべきなのかはある程度わかります。60に到達するプロセスで成功体験を経ているからです。

この成功体験に基づいて、残り40のために「何をするべきか」、「どれくらい時間がかかるか」、「努力がどれくらい効果を生むのか」がある程度わかっており目処を立てることができるのですs。この「目処が立つ」という感覚がモチベーションの維持に繋がっているというわけです。
※もちろん残り40が前と同じ努力で得られるとは限りませんが。

一方、苦手なことは過去に成功体験がありません。目標達成のために「どんな対策をすべきか」もわかっておらず、「どれくらい時間がかかるのか」もわかりません。「努力に対して効果がどれくらい出るのか」も霧の中です。そんな中で、「精神力でとにかく取りかかれ」と言っても、心の安定を図ろうとする人間の性からすれば、なかなか難しいのです。

したがって、大切なことは「やるべきことは何か」をはっきりさせることです。たとえば、筆記試験で「この問題集を完成させれば目標に到達できる」という確信が持てれば、その問題集をこなせば良いだけです。やることははっきりしています。

しかし、「どの参考書が良いのだろうか」、「参考書よりも問題集の方が良いのだろうか」、「両方やるべきだろうか」、「この問題集は自分には歯が立たないのではないか」など、入口の時点で悩んでいる状態だと、不安を解消はできません。悩んだり迷ったりしている間に時間は過ぎてしまいます。

面接対策も同じです。「選考を通過できるレベルの面接ができるようになる」ために、「何をなすべきか」がはっきりしており、それを実行すれば効果が出ることがわかっていれば不安は解消され、取りかかる気持ちになれるのです。

やるべきことは一律には決まらない


ただ、面接対策については、応募先の組織や募集ポジション、自分の履歴や性格など、さまざまな要素が絡むため、対策の内容は一律には決まりません。ここが難しいところです。

面接対策は個別性が高い

面接は、その人の履歴、人格的特徴、応募先によって対策内容が大きく異なります。

業界研究や職種への理解が全く足りていない場合もあれば、自己分析が甘い場合もあります。あるいは、話し方などコミュニケーションの仕方に問題がある場合もあります。頭では良く考えているのに言葉で表現することが苦手な人もいれば、話すのが得意だと自覚しているのに端的に伝えるのが苦手な人もいます。緊張してうまく話せないという人もいます。

複数の人が同じ応募先の面接を受けるからといって、対策の内容が同じになることはありません。面接通過という目標達成のために「やるべきこと」は個々人によって異なるです。

就活サイトなどの情報を読み込み、そこにあるサンプルや定型文などを流用して対策をやってみても手応えをあまり感じないのはそのためです。大勢が参加する就活セミナーの類(私も出講経験があります)も、ほんの入り口に過ぎず、各人の具体的な状況に落とし込んだ対策がなければ効果は出ません。

自分に必要な対策を書き出してみよう

面接が苦手だと思う人は、対策そのものに踏み込む前に、「自分にとってどのような対策が必要なのか」をまず整理しましょう。「いつまでに何をやっておけば良いのか」を書き出すことがおススメです。やるべきことが「目に見える」形になることで不安感は大きく軽減されます。やることさえはっきりすれば、取りかかることも難しいことではありません。

まず、自分が面接に対して抱いている不安を書き出しましょう。たとえば次のようなことです。

  • 良い印象を持ってもらう自信がない

  • 口下手でうまく話す自信がない

  • 緊張しがちで失敗可能性が高い

  • 志望動機に説得力がない

  • 何をやりたいのかがはっきりしていない

  • 自信をもってアピールできることがない

  • 具体的に話せるエピソードが少ない

  • 短時間でうまくまとめて話せない

たとえば、話し方の問題であれば、話す練習をしなければなりません。それは一人でやれる練習もあれば、誰かを相手にしなければならないこともあります。回答内容に関することなら、たとえば企業研究を進めれば良い場合もあれば、自分の経験を棚卸しして再評価する作業が必要な場合もあります。短時間でうまくまとめて話せないのであれば、話したいことを原稿にまとめた上で、どうすれば端的に伝わるのか文章を練る必要がある場合もあるでしょう。

課題に応じてやるべきことは色々ありますが、自分に何が足りないのかを明らかにし、それを克服する方法をはっきりさせていけば、それだけでも「不安」は大きく減ります。

もちろん、面接が苦手な人が、自分自身で自分の課題を見つけ出すのは難しいかもしれません。弱点だと自覚しているところが大した問題ではなく、他のところに弱点がある場合や、話し上手だと思っていたら、話し方が良くないという場合もあります。

ですから、一番のおススメは、面接対策に精通している人に早めに相談してみることです。面接が苦手な人ほど、早めに相談をして、本番までにやるべき対策をはっきりさせておくことが、大きなプラスになるはずです。

◆ 参考記事はこちら



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