
「言葉」大切です・・ep6
何気なく発する言葉に、後悔も喜びもある気がしています。
突然ですが、ちゃんと謝れますか?
こんな言葉「ドキッ」としますよね。
「ごめんなさい」と言うのは難しいです。悪い事は謝って、逆に謝ってくれることもあり、ちゃんと話し合える人と出逢うと自然と仲良く出来る気がします。
謝る事で、自分をも救う
店を始めて2年目位の頃、問題をたくさん抱えていました。
その頃まだネットリテラシーが低く、いろいろな店に対しての暴言が平然とネット上に書かれていた時代。コンビニや洋服チェーン店で、店員さんに土下座をさせる「土下座事件」などもあったような時代です。当時は、困ったことが多く、一人で営業している事も相まって、お客様に会うのが怖くなり心もすっかり疲弊していました。
「私も一人でカフェやってんねん」
そんなある日、元気なお姉さんがニコニコ店に入ってきました。それがmayumiさんとの出逢いです。私より5年早い開業で、ひとりカフェの先輩でした。
他人の言動そのままを受け取ってしまう事が多い私は、疲れてしまってどうしようもなくなると「外出しています」と張り紙をして、京都府にあるmayumiさんのカフェに避難する事もありました(京都府の端っこと、奈良県の端っこなので遠くない)。
張り紙をして出て来た私に、mayumiさんは、お説教するでもなく「mumuちゃん、いつまで居てもええんやで」と、ニッコリ笑って「私、洗い物こんないっぱいあるからさぁ、mumuちゃん放っとくけど、好きにしててええよ」って、自由な時間をくれました。
mayumiさんの作るスイーツは美味しく疲れた心を癒してくれました。時に涙がこぼれ落ちました。
あの席からのあの景色はいまでも忘れられません。
夜は二人でミーティング
或る時は、mayumiさんが仕事を終えて、akaiitoにカフェに寄ってくれて、二人でミーティング。色々な話をしました。
そして、いつかパリにインテリア備品や食器、食材の買い付け旅行に行こうと約束をしました。
「私たちは、パリへ買い付けに行ってます」二人の店に張り紙を貼って。
mayumiさんが塩対応に・・・
そんなある日、いつもノリノリの返信が来るmayumiさんからのメッセージが途絶えがちになりました。そしてプッツリとメッセージが来なくなりました。
「あれ?どうしたのかな?」
とは思ったのですが、人の気持ちは生ものだし、理由なんて「何となく」な事が多いので「そっとしておこう」と、何も訊かずにそのまま時間が過ぎました。
それでも1年ほど経たある日、このままではいけない!
もう永遠に会わなくて「スッキリ」と思う人だったらいざ知らず、mayumiさんとこのまま「何だか分からない溝」が出来たままは嫌だと思い、飾ったり、深読みしたりするではなく、素直にメッセージを送りました。
「ーー何が原因なのか分からなくてごめんなさいですが、急に連絡が来なくなってずいぶん経ちます。私が嫌な事をしてしまったのかもと思って気になっています。嫌な思いをさせていたら、ごめんなさい。謝りたいです。前みたいに仲良くしてもらえますか?」
「mumuちゃん、連絡ありがとう。謝るって勇気いる事やんな「ごめんなさい」って謝るの勇気いることやで、なかな怖くて謝れないよね人は。それを謝ってくれるmumuちゃんはスゴイと思う。ありがとう。」
mayumiさんに対して「何やの?勝手に怒って、気分悪いわ」そう考えていたら、また仲良くなる事は出来なかったと思います。永遠に・・・・
年の瀬になり、2017年が訪れました。
二人でカラオケに行って盛り上がろう!
mayumiさん曰く「働きすぎてぶっ倒れた」
仲直りから1か月くらい経った年始に、mayumiさんの体調が悪くなり倒れてしまいました。入院して安静にしているようで、心配する事しか出来ず、ひとりカフェを営んでいる者同士にしか分からない不安とかもあるので「またいつでも話聞きます」「元気になったら、二人でカラオケでいっぱい歌いましょう!楽しみにしています」そんなメッセージを送りました。
「ありがとう! 気持ち とても嬉しいです 今 文章打つのもしんどいので 体力戻ったら また 改めてお返事させて下さい。 ほんま ありがとう!」
それがmayumiさんの最後のメッセージ。
そのメッセージが届いた数日後に、mayumiさんはお空の星になりました。
悲しいという気持ちは通り越して、私はこのまま店を続けられるだろうか?そんな気持ちになっていました。その度にmayumiさんの言いそうな事が頭に浮かびます。
「大丈夫mumuちゃんは、絶対大丈夫。mumuちゃんの事を応援してくれるお客さんの顔、思い出すんやで!」
あの時、謝って良かった。
そう、人はみんな永遠にこの世に生きているわけではなくて、ずっと自分にとって「近しい人」であるという事もありません。縁遠い人になってしまったら関係の修復は不可能ですし、
お空の星になってしまったら、返事すら返って来ません。
今は、私、いつもmayumiさんの存在を感じています。迷った時は、きっとmayumiさんならこう言ってくれるだろうって、頭に浮かんでくるんです。
仲直りしてなかったら、ずっとモヤモヤ悶々、心の中で永遠に答えのない問いを繰り返し続けるしかなかったと思います。
そしてmayumiさんにとっても、私と気まずいままだったら、心残りだったのではないかと思います。
2014年11月のmayumiさんのお店の投稿
「慌ただしい1日を終えてお気に入りのカフェ【akaiito】さんで珈琲飲みながら、おしゃべりしたり1日を振り返ったり。今日も素敵な1日でした。
(現在2023年12月、9年以上前の事)
言辞施
仏教では言辞施という言葉があり、言葉のお布施、優しい言葉をかけるというような事のようです。言葉一つで相手を悲しませたり、打ちのめす場合もあり、逆に寄り添って、元気になってもらえたり、ずっと心に勇気を与える言葉を伝える事だって出来ます。
何かを言うのなら、わざわざ誰かが傷ついて心を痛めるような悲しい言葉では無く、優しい言葉を使えたらと思います。
「mumuちゃんのチーズケーキ食べたい!」
mayumiさんはよく言ってくれていてました。あの時「ごめんなさい」を言えた事で、お蔭様で楽しくて愛しい想い出ばかりしかありません。
ちいさな店の心のこもったチーズケーキの物語
こんな私が一人で営む小さな店の、私だからこそお焼きすることが出来る、素直で優しい味のチーズケーキ。器用に世の中泳いでゆけるタイプではなく、どっかで衝突したり、回り道をしたり、反省をしたりしながらも、みなさまに支えていただき、応援していただいて、精一杯日々を生きています。
そして、とびっきりいっぱい愛情を込めたチーズケーキを、大切なお客様や、大切なお客様の大切な方へお届けできるように、精進する毎日です。
このnoteを読んで下さっている皆様にも「akaiitoのチーズケーキ、買ってみたいな」そう思っていただけると幸いです。
これからも、応援よろしくお願いします。
EC販売は、ちょっと時期が延びて「3月」を予定しております。
いいなと思ったら応援しよう!
