2023年度からの中央競馬斤量増
久々にまともなコラムを書いて見る気がしますね、しっかり書きたい題材がでてきたので、年末時間もありますし、書いてみようと思いました。昔はこのようなコラムを毎週書いていたので、本当に新鮮な気持ちになりますね。
コラムをご覧いただく前にコメントなのですが、以下の内容はローエングリンの個人的な見解に基づくものになります、ご注意いただければと思います。
では、久々のコラムいきましょうか。
掲題通りになりますが、JRAより2023年より中央競馬において、負担斤量の増加が行われます。
*以下にJRAから発表されている令和5年度競馬番組等についての抜粋を記載します。
3歳の部分で9月までの雄及びせん馬に対する1Kgの優遇処置も令和6年からなくなる対応も入りますが、概ねは1Kg単純に増えるんだよ、と考えていただければ良い変更になりますね。
この対応については、騎手に関する負担(新人騎手など)、48Kg以下に常に体重をキープしていないといけないという部分が緩和されることで、新人の門戸も開かれることにもなると思いますし、この後に細かい内容は記載していきますが、若い段階からきつい斤量になれることはレース単位にて負荷が上がることになりますので、強い馬づくりをする、ということにおいてが、+に働く良い変更であると思っています。
では、1Kg斤量が上がる、ということについては、実際に行われる競馬において、どのような影響があるのかを考えていきましょう。
当たり前の話になりますが、斤量が上がることで馬に対しての負荷が上がります。この負荷というものを皆様がイメージしやすい形式で考えると、馬が持っているスタミナのメーターみたいなものが仮に数値化される場合、そのメーターの減りが大きくなる、ということを示しますね。
ここで一つポイントになってくるのは、影響の大きさについては、スタミナのメーター量に依存する形になってくるので、例えばスローが見えている2ターンの新馬戦のようなレースでは、全体的に余力を持って直線を向く状況になれば、大きな影響はないですが、ペースがしっかり流れ、レースプレッシャーも高い、重賞などでは、最後の力の振り絞りをする際に、力が残っておらず踏み出せなくなる、などが考えられます。斤量が増加するから、全て等しく影響を受けるんだ、というのは、私の感覚では違うのかなと思います。
もう少し深掘りして、斤量が増えることによる影響はどこで発生するのか、というと巡回性能にも多少なりは影響しますが、大きくはダッシュを行う区間での踏み込みがつらくなります。競馬でいうダッシュ区間を具体的にいうと、主な内容は以下になります。
*ポイントを記載しているだけで、他にも気にすべき区間がありますが、注目点ということで。
✅主に短距離戦
「スタート時のポジション争い」
「最後の力の振り絞り」
✅主に2ターン戦
「直線のギアチェンジ」
「2ターン以上の競馬で発生するまくり」
要は、短距離戦で大きく無理をして先行争いをすると今までより止まりやすくなる、スピードが出た後に不利を受けると立て直しがさらに難しくなる、あたりで、2ターンの競馬で前半無理するとギアチェンジする時に加速がもたつくなどの影響がおきる、まくりなど発生した場合に今まで以上にきつい競馬になる、この辺りが影響してくるように見えています。
また、もちろんですが斤量が上がることで、全体的なタイムがかかることになります。タイムがかかるということは、今まで得意にしていた条件に変更がかかる可能性がある、ということにもなります。ギアチェンジ性能を売りにしていた馬は相対的に優位性が下がり、粘り強く足を使うことができるタイプが台頭してくる、などの馬産についての影響も考えられます。
ここまで書いて思いましたが、馬場造園家の技術力のアップによるスピード馬場の構築は、騎手においてはスピードが出過ぎて危ないという部分があったはずなので、これを緩和することも意識しているのかもしれません。
もう一ついうと、全体的なタイムが下がることで大きく影響しそうな内容は、コーナー負荷の緩和です。もちろんスピードに乗っていればいるほど負荷が大きくなりますが、このスピードが弱くなるということは、外を回す馬への負荷が楽になることを示します。今までの競馬場の戦略についても、想像している理想的な進路が変わってくる、という影響も十分に考えられますね。
もちろん、斤量の増加を騎手も意識してくるはず(騎手によっては何にも考えない人もいそうですが)なので、今まで通りの動きになるにかはわかりませんが、上記のような変更はありますので、ご注意いただけると良いかなと思います。
12/30に想定を見て斤量が増えたのを見て、コラムが書きたくなり、一気に書き切ってみました。皆様の参考になれば幸いです。
2022年の競馬関係の活動はこちらで最後になります、2023年も是非ともよろしくお願いいたします。
いつもありがとうございます!