官僚を辞めた12の理由 〜不一致が入る前にわからないのは何故か〜|第一志望を約半年で辞めた話②
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このように、必死の思いで努力を重ねて、
なんとか憧れの場所で働けることになったのに、
半年で離職をしてしまったのはなぜか。
理由はたくさんある。
わたしが辞めようと思った要因の数々を、淡々と書き出してみた。
・仕事がまわりくどくて、人のためになっているとあまり思えなかったし、それに向き合い続ける根気強さはなかった
・興味を持てない内容かつ、難しい文章の事務を取り扱うのが辛かった
・話し合ってソリューションを見つけていくという仕事に興味を持っていたし得意だとも感じていたが、そういったことに携われる割合が、若手のうちの話に限らず、思っていたより少なさそうだった
・組織というものが向いていなかった(上意下達を受け入れること、常にスタンバイ状態でいること、上層に振り回されても上層への忖度によって無駄なことをすることになっても気にしないこと、下っ端として立ち回ることなど)
・職場の人たちがわたしの性格と比べて真面目すぎた
・最初の配属からわかる期待されているキャリアの方向性は、自分の性に合っていないし、活かしたい特性を活かせない方向性だと思った
・事務処理全般の適性はあまりない方だった
・部署の人と合わないと感じた、気性の波が激しい人もいた
・上司の経歴を聞いてやりがいと過労はトレードオフだとわかり、自分の体力的にやりがいのある仕事はできないだろうと思った
・長時間労働でやつれている同期を見て私にはそこまでがんばれないと悟った
・ここで働き続けるには自己犠牲の精神がないとダメな気がするが、それって幸せなのかと疑問に思った
・他にやりたい仕事が見つかったし、そうやって生きていく踏ん切りがついた
以上だ。
こういった要因が重なり合って、
わたしは安定とハイステータスを捨てること、
そして、思い続けた第一志望の職場から離れることを決意した。
各理由について、それぞれいろいろと語りたいことはあるのだけれど、
それについてはまたの機会にするとして、
今回は、なぜ入る前は「働き続けたい」と思っていたところなのに
半年以内に「辞めたい」と考えてしまうようになるのかについて、
掘り下げようと思う。
わたしは、これらの理由を以下のような二軸のマトリックス図で整理することができると考えた。
辞めたいと思う理由はすべて「職場」と「自分」の不一致ということができ、
その2つの軸について、
「入る前からわかっていたけれど目をつぶってしまっていた」か
「入る前にはそういう側面を知らなかった」
のどちらか、もしくはその間であると言えると思う。
例えば、
「興味を持てない内容かつ、難しい文章の事務を取り扱うのが辛かった」
という理由は、
職場の軸については、そういう仕事なのではないかという懸念は
少しあったけれどそこまで深刻に考えておらず、
自分の軸については、苦手分野だとわかっていたのに
頑張ればなんとかなると考えていたという面が強いので、
ここに位置すると言える。
わたしの挙げた各理由をこのマトリックス図に落とし込むと、
至るところに配置される。
つまりわたしが入ってすぐに退職を検討することになった理由は、
「乗り切れると思ったけれど乗り切れなかった」という読みの甘さと、
「そういった観点には気づかなかった」という職場理解や自己認識の足りなさの
両方が原因だ。
「綺麗事では飯は食えない」と良く聞くが、わたしは
「憧れだけでは業務はできない」ということを伝えたい。
その職場が扱っているもののスケールの大きさや分野の面白さ、
人の賢さやかっこよさ、ステータスの高さ。
そんなものは、職場に入ってからは
「仕事」に対しての誇りにしかならず、
「業務」をこなす上での不一致をカバーするほどの威力はない。
なかには「仕事」への自負だけで、
自分に合わない業務をこなし続けられる強い精神力を持っている人もいるかも知れないが、
少なくともわたしには無理だった。
「憧れ」は人を盲目にさせる。
人前で泣くほど恋焦がれていたところだったからこそ、
職場と自分についての理解を深めることを怠っていたし、
職場と自分はマッチしているのかを冷静に判断できていなかったと思う。
もちろん、入ってみないと見えてこないこと、やってみないとわからないことはあるし、
働きはじめてから原因が生じることや環境が変化することもある。
とはいえ、わたしが「憧れ」の気持ちにかまけて、
熟考することをないがしろにしていたのは間違いない。
憧れだけでは業務はできない。
わたしはこの就職、そして離職を通してそのことを痛感した。
しかし、
「憧れだけでは業務はできないから、
それ以外の部分にもきちんと目を向けて職場とのマッチングを考えて、
自分とは合わないと思うなら、
どれだけその仕事に憧れがあっても目指さない方が懸命だ」
と言いたいかというと、そういうわけではない。
憧れは就活を頑張るためのエンジンとなる大事な感情だし、
人はそんな簡単に、理性的に、憧れを捨てることはできないだろう。
それなら、いったいどうすれば、どんな選択をすればいいのか。
正解があるものではないと思うが、
次回の記事でわたしの持論を展開させてもらいたい。
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