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君に徴兵制の手紙が届いたこと。
「行きたくないよ」
という君になんと声をかければいいのかわからない。
「元気に戻ってきてね」
としか、言いようがない。
韓国のアイドルが兵役に行くとき、日本で徴兵制は話題になる。
軍隊に行く前最後のライブでファンたちとしばしのお別れをし、
兵役が明けたら、帰ってきたよ!のライブをする。
日本には徴兵制はないから、韓国のアイドルたちから現代の徴兵制を知ったと言っても過言ではない。
しかし、アイドルだから、全く身近には感じていなかった。
私自身、韓国アイドルグループのビッグファンでもないから、ファンたちの「悲しさ」はよくわかっていなかった。
ただ知っていただけだった。
大学で留学生の友だちも増え、徴兵制のことはよく聞くようにはなっていた。
彼らからよく聞かれる質問は、
「彼氏が軍隊に行ったら、戻ってくるまで待てる?」
ということだった。
彼らにとってはこのことが、とてつもなく大きな関心事なのだと思う。
徴兵に行く前に付き合っていた彼女がいたけれど、軍隊に行っている間に別れた。という話はしばしば聞く。
私が
「待てるよ!というか、待つでしょ!」
と答えると、
「へーーー。でも、きっと待てないと思うよ。」
と返答されのが常ではある。
だんだん身近になっていたとはいえ、ここまで身近になるとは思いもしなかった。
君に徴兵制の手紙が届いた。
なかなか、悲しい。
やりきれない。どうしようもない。
徴兵制反対運動が盛り上がれば事態は変わるかもしれないが、それにはまだまだ時間がかかりそうだ。
こればっかりは仕方がない。
元気に戻ってきてほしい。
君が大怪我をしたり、大病を患ったりしなければそれでいい。
大げさかもしれないが、生きて帰ってきてくれればそれでいい。
無理なわがままを言うならば、徴兵を終えた後の君と出会いたかった。
そうすれば、君の心配なんてしなくてもよかったのにな、と思う。
人の人生の時間を否応なく奪う徴兵制なんてなくなればいい。
次の世代には、徴兵制なんてしなくてもいい、平和な世界になってほしい。
少しでも、世界が平和に向かえばいい。
君に徴兵制の手紙が届いたこと。