![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/13117576/rectangle_large_type_2_f5bff3899b79ef4361121ac0aac6a9c0.jpeg?width=1200)
Photo by
nontsu
既読をつけたら君との楽しかった時間が終わりそうで
君と一緒に過ごした日の夜。
寝ようとしたところで、君からのLINEがきた。
通知画面でメッセージを読む。
前のメッセージへのただの返答だった。
既読を付けてもよかった。
既読を付けてもよかったし、適当なスタンプを送ってもよかったかもしれない。
まさか、ここから新たな話を始めるのは流石に迷惑だ。私も寝落ちしてしまうかもしれない。挨拶程度の返信でもしたらいいんだろうな。
話の本編は終わっているから、ここで既読を付けても、「既読無視」のような感じにはならない。きっと、既読を付けても、君は怒ったりはしない。寝たんだな、と思うだけだろうな。
しかし、既読を付けたくもなかった。
既読をつけたら君との楽しかった時間が終わりそうで、
翌日までこの想いを持ち越したくなった。
結局、既読は付けず、LINEを開くことはせずに、朝を迎えた。
「おはよう!」
と返信する。昨日のことと「今日も良い一日になるといいね」を添えて。
勘違いかもしれないが、君とまだつながっている気がした。
朝の支度をしていると、君からの返信がくる。
「おはよう!」
嫌いな朝も好きになれそうだった。