エンジニアインタビュー vol.3(CTO×EM対談 )
この記事に登場する人
はじめに
大橋 今日は、創業者CTOの田中さんとプロダクト開発組織の責任者の松原さんに集まっていただきました!
今現在ですと正社員のエンジニアの人数も増え、役割も細分化されつつある状況で、1年ちょっと前までは田中さん一人でLOGILESSの企画〜開発〜サポートをこなしていたと聞いていますが、この1年でどのような変化があったのか?他にも最近発表があったLOGILESSのプロダクトロードマップの内容を受けて、お二人はどのようにお考えなのか?対談形式でお話を伺いました。
この1年でどう変わりましたか?
大橋 そもそも過去はどのような状態で、それが直近1年でどのように変わったのかをまずは田中さんから教えていただけますか?
田中 1年前はLOGILESSというプロダクトを、私と業務委託のエンジニア2人と協力会社の方々にも手伝っていただき開発をしている状態でした。(実質正社員のエンジニアはゼロでした)当時はプロダクト開発の属人性があまりにも高くて、尚且つそれがドキュメント化もされていない状況だったので、プロダクトや業界に対する解像度があまりなくてもできる開発しか周りに任せることができずかなり限定的になってしまってました。なのでコアな部分の開発については私(田中)がやっており、それ以外のところを業務委託のエンジニアと協力会社さんに手伝ってもらっていました。それに伴って、新規機能開発や技術的負債の解消、テクニカルサポートに関してリソースがないためあまり対応できず、手詰まり感がありました。お客様からも様々な機能改善などのご要望もたくさんいただくのですが、開発組織の成長が追いつかない状態がかなり長く続いていたかと思っています。だんだんリリースのスピードも遅くなり、お客様からの不満も溜まりといった負のスパイラルに陥ってしまい、「社内で起きる悪いことは全てプロダクトのせいだ!」といった最悪の雰囲気になっておりました。(本当にこの時は辛かったです)
松原 でもこの頃にはすでにお客様は1,000社近くになってましたよね?
田中 そうなんです。それに伴い出荷量も大幅に増えてまして、こんなにプロダクトが未熟な状態でこんなにトランザクションが増えた会社ってほとんどないんじゃないかと思ってます。笑
松原 僕も入社の時にその話を聞いて驚きましたね!そんな会社があるんだって。笑
田中 状況が変わってきたのは、それこそ松原さんが入社してきたり、その他の経営陣やマネージャーが入社してきた昨年のタイミングでした。そして、松原さんに最初にお願いしたのは私のやっていた業務をとにかく誰かに委譲することでした。
そこからは、まずは他の人でもテクニカルサポートができる状態を作ったり、協力会社さんの開発の生産性を高めたり、正社員のエンジニアの採用に本腰を入れたりと、今までできていなかったことがどんどんできるようになりました!なので、松原さんが入社する前と後で組織のあり方が大きく変わったと感じてます。
大橋 なるほど、ありがとうございます!松原さんの入社によって、今までやっていた本当に多種多様な業務が田中さんの手から離れたわけですが、今現在はCTOとしてどのような業務を主にやっているのでしょうか?
田中 一般的なCTO像とはちょっと違うのかもしれないんですが、ここも松原さんとはうまく棲み分けができてるのかなとは思ってまして、「技術的にどういう戦略でどういうことをやっていくのか?」や「開発組織をどうしていくのか?」については松原さんに主にやっていただいてます。私の強みは「お客様と業界とプロダクトに対する解像度が高い」ところなので、「どういう戦略でプロダクトを作っていくのか?」や「それをどういう順番でどのようにやっていくのか?」という大上段の戦略の策定と、それに関する技術の方針を松原さんと一緒に決めていくというところが今の大きな役割になっています。
大橋 ありがとうございます!色々重複する点もあるかとは思いますが、松原さんの中でのこの1年の振り返りと、今どのような役割を担っているかと教えていただけますでしょうか?
松原 はい!まずは開発組織の観点でいくと僕が入社した段階で業務委託と協力会社の方を含めても9人でして、 今は全体で20人弱の組織でLOGILESSのプロダクトの開発に取り組めているので、ここは大きな変化ですね!田中さん一人で全てをやっていた時代からすると、正社員のエンジニアがこの1年で増えたことによって大きな進化を遂げたと思ってます。
また、役割でいくと先ほど田中さんからお話があったとおり、田中さんが一人で抱えていた業務をとにかく剥がすことが僕の最初のミッションでした。もう少し具体的にいうと、正社員のエンジニアを採用し、田中さんから剥がしたボールをチームで安定的に回すことのできる状態を作ることでした。採用とマネジメントは頑張るものの、なるべく直接的に自分がボールを持ちすぎないように心がけていました。なるべく僕抜きでも回るような組織にしていきたいなあと思ってます。
田中 もともとは飲み会の予約とかも自分でやっていたので、それも松原さんが引き継いでくれました!笑
松原 そうなんです!僕の最初の仕事は九州に出張に行った時の会食の予約でした!笑
田中 松原さんのポジションって非常に重要だと思っていて、松原さんがプレイングをやってしまうと、私が抱えていたボトルネックが松原さんに移るだけになってしまうので、とにかく私から剥がれた業務を受け取れる組織を作ることにフォーカスしていただけたことが一段階進化できた要因だと思っています。
松原 メンバーとしてもその方が楽しいと思っていて、マネージャーが偉いという組織よりも、シチュエーションの応じてそれぞれのメンバーにスポットライトが当たる組織の方がやりがいを持てるんではないかなあと思ってます。
大橋 「みんなにスポットライトが当たる組織」いいですね!引き続き松原さんに伺いたいのですが、この1年で開発組織内の役割に関してはどのような変化があったのでしょうか?
松原 1年前はほぼ「テクニカルサポートをこなすだけの組織」といった感じだったのですが、そこから完全に脱却できた1年だったと思っています。テクニカルサポートはもちろん引き続き重要な要素ではあるとは思っていますが、あくまで色々ある中の一つというところにまで持っていけたことで、技術負債の解消や新規機能開発にも着手できるような組織になりました!協力会社さんに関しても、めちゃくちゃ成長してくださいまして、今ではPdMと連携しながら資料を渡せば自分たちで考えて実現できるような状態になっているので、この成長は非常に素晴らしいことだと思ってます。
大橋 過去の色々な大変な状況を見てこられた田中さんから見て、今の組織はどのように映っていますか?
田中 本当に今の状況が信じられないんですよね!笑
自分がプロダクトをダメにしてしまうんじゃないかという恐怖心がずっとあって、せっかくプロダクトとして良いポジションをとれたのに、それを再現性のある形で開発したり維持していくことが私にはできないし、そういう組織を作ることが私にはできないというジレンマがずっとありました。でも、今はプロダクトを進化させ、尚且つ守ることのできる体制が整いつつあるので、非常に安心して見ています。
大橋 ありがとうございます!続いてですが、今の開発の体制についても教えていただけますでしょうか?
松原 まずは協力会社さんに何をやっていただいているかでいうと、新規機能開発の半分ぐらいを担当していただいてます。社内でいくと2つのパートに分かれていて、一つは「重めの新規機能開発(社内でやった方が良い新規機能開発)」、もう一つは「運用と運用改善」で運用に関してはテクニカルサポート業務でそこで見つかった不具合や課題等を改善していくことを運用改善と呼んでおります。今後入社いただく方も含めてやる役割に関してはローテーションできるような仕組みにしていきたいと思ってます。というのも、新規機能開発だけやってもBtoB SaaSはうまくいかないと思っており、0→1で作った後、1→10に育ててくことがBtoB SaaSの面白さであり難しさであるので、新規機能開発と運用改善の両方ができるエンジニアになってほしいことからこのようなローテーションをやっていきたいと思ってます。別の話にはなりますが、機能別にエンジニアの組織を分けるということはしたくないと思っていて、LOGILESSの特長はOMSとWMSの一体型であることなので、それを機能別に開発組織を分けてしまうと良さが失われてしまうと僕は思うので、分けずにやっていきたいです。
田中 組織のあり方ってプロダクトに伝播しちゃうと思っていて、機能別で組織を分けてしまうと、一体型としての強みが失われるリスクがありますね。
大橋 続いてのトピックに移りますが、改めてLOGILESSの開発の特色を教えていただけますでしょうか?
松原 今は良くも悪くも役割分担を決め切っていないことが特色です。スタートアップの初期フェーズに入りたいエンジニアの人は一定の裁量がほしいと思うんですよね。これしかやらないでと言われたらモチベーションが下がる人の方が多いんじゃないかなーと思ってます。遠からず得意分野に応じて役割分担はしていくことになるとは考えているので、今はその混沌期の最終フェーズぐらいで、要は色々できるので面白いフェーズですね。SREだけやりたい!セキュリティだけやりたい!といった人は今そういったフェーズではないので難しいですが、そういった特定の領域に関わった経験がある人にジョインいただけると将来的にその分野をリードする人材としてご活躍いただけそうだなとは思ってます。(ただ、今は領域問わず色々やっていただく必要があります)
田中 プロダクト開発全体の特色にはなるかもですが、「これが儲かるからやろう!」みたいなことを安易にやらないことが良いところだと思っていて、「これを作ることで誰が喜ぶのか?」という視点を持って開発をしているところが特色ですかね。
お客様の声をきちんと一次情報として持った上で開発することを大事にしている会社ですね。ミッションクリティカルな文化なので、お客様を大事にすることに重きを置く組織風土になったんだと思います。
松原 あと、テクニカルサポート文脈で、エンジニアがチャットベースではありますが、直接お客様と対話するため、必然的に「お客様はどういったところに課題を持っていて、どういったお困りごとが日々発生しているか?」を直接知る環境があることも面白い点だと思います!さらに実際にお客様先を訪問したりする機会も提供できるので、自分が望めばいくらでもお客様と接点を持てる環境はなかなか珍しいですよね。
プロダクトロードマップの内容を受けて
大橋 話が大きく変わりますが、最近社内でプロダクトロードマップの発表があったかと思いますが、今後LOGILESSであったり、LOGILESS以外のプロダクトも出てくる可能性もあるかと思いますが、話せる範囲でどのようなプロダクトにしていきたいか教えていただけますでしょうか?
田中 ECだけでなく、在庫を持っているビジネス全てに適用できるフレームワークを作っていきたいと思っていて、それぞれの会社が独自にやり方でやるのではなくて、我々がベストプラクティスをパッケージとして提供していきたいです。そのためには何がベストプラクティスなのかを把握して、それをプロダクトに実装するという工程を地道に続けていき、対象領域を広げていく、あるいは内容をブラッシュアップしていくことが大事なのかなと思ってます。
大橋 ありがとうございます!松原さんとしてはプロダクトロードマップの内容を受けていかがでしたか?
松原 今回のプロダクトロードマップの内容はすごく良かったと思ってまして、今までは社内のメンバーは過去と向き合うことが中心だったので、採用候補者の方にも魅力が伝わりづらかった点も多かったと思うのですが、今回目指すべきゴールがバチっと決まって、尚且つ裁量の幅もある環境なので、今後は採用候補者に対しても魅力が伝わりやすく、ワクワクしてもらえるのでは?と思ってます!
大橋 発表内容を受けて、松原さんの個人的な意見でも結構なのですが、この辺の領域にチャレンジしていきたい等何かありますでしょうか?
松原 本当に僕の個人的にチャレンジしたい領域なのですが、「LOGILESSに溜まっているデータの利活用」はやっていきたいです!新しいプロダクトを作るための素材にもなりますし、今回のプロダクトロードマップの根底にもデータが必要だと思ってます。めちゃくちゃ大変な領域ではあるとは思っておりますが、その第一歩は近い将来着手する予定です。
田中 エンジニアとしてはワクワクする領域だと思うんですよね。年間数千万件のロジレスしか持っていないデータをどう利活用していくか?どう可視化していくのか?というところはエンジニアにしかできないことだと思うので、ぜひチャレンジしていきたいですね!
松原 大手の宅配会社さんが持っているデータの件数に迫る勢いがありますし、それを聞いただけでもエンジニアだとワクワクしますよね!
大橋 プロダクトロードマップで目指す3-5年後に開発組織はどう変わっていきたいかについて、何かお考えはありますでしょうか?
松原 5年先までは正直まだ考えられてないんですが、一つの目標としては正社員だけで20人の組織になることを置いています。ロジレスは、利益率の高いチームになることを目指しているので、エンジニアに限らず採用計画は少なめになっており、エンジニアが20人になるのもちょっと時間がかかる予定です。その状態になるとより開発組織内でのローテーションがしやすくなり、プロダクトの目指す未来を実現できる組織になると考えてます。加えて、新規機能開発に割くことのできるエンジニアの数も当然増えますので、並行していくつもの重めの新規機能も実装できるような体制にはなると思います。
田中 組織面に関しては松原さんの考えに賛同で、5年後を見据えると、一体型のプロダクトとして機能で分けずに開発していくことは難易度の高い取り組みでもあるので、自分たちなりのやり方を見つけていくことが大事で、それを模索するこの先数年なのかなと感じてます。
大橋 ありがとうございます!採用の観点でいくと今入社してほしいエンジニア像と3年後に入社してほしいエンジニア像に違いってありますでしょうか?
松原 今は本当に少数精鋭でやっているので、自走できて且つ何でもできる/やる人でないと難しいかと思っています。3年後とかになるともうちょっと役割特化の人でも活躍できる場が提供できるのかなと感じていて、例えばセキュリティ寄り人がいてくれたり、QA寄り人がいてくれたりといった感じでも成立するようになっているんじゃないかなと思います。ただ、先ほどのとおりローテーションはしたいので、「自分は絶対この領域以外やらない!」みたいな感じだと辛いですが。笑
田中 今のロジレスのプロダクトとしてのHOWってオペレーション側からきちゃってるんですが、「技術的にはこのやり方が正しい」であったり「新しい技術を使うとこんなことできる」みたいな今までのやり方を根底から覆せるような人が入ってきてくれるとめちゃくちゃ組織が強くなるなと思います。
大橋 本日はお時間をいただきありがとうございました!
この記事を読んで共感してくださった方、まずはオンラインにてカジュアルにお話しませんか?
下記フォームよりお気軽にご応募ください!
エンジニア採用関連のYouTube動画です。
今後も、ロジレスの実態・魅力を発信していきます。読んでいただきありがとうございました!