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入試問題速報解説!2025年度入試慶應文学部小論文はどんな問題?

今回は、2025年度入試の慶應文学部の小論文の問題を解説していきたいと思います。


この解説を書いている私、個人的には、文学部のあるべき姿を問うている問題で、まさに文学部への愛が問われる問題だったのではないかと思っています。もちろん、慶應の文学部は17専攻もの分野から成り立ち、人と文に関する幅広い学問分野が学べる場所ですので、一概に『文学』への愛が必要であるとは言い切れませんが、「人文科学」への理解があることが如何に大事かを問う素敵な問題だったと思っています。

それでは、早速解説していきます!

今回の問題で聞かれたこと

2025年度入試の文学部の小論文の問いは以下でした。

設問Ⅰ:この文章を三〇〇字以上三六◯字以内で要約しなさい。
設問Ⅱ:人間にとって文学を読むとはどのようなことか、この文章を踏まえて、あなたの考えを三二◯字以上四〇〇字以内で述べなさい。

 今年も慶應文学部の小論文問題は、知的好奇心と論理的思考力を測るための素敵な問題であったと言えるでしょう。特に「文学をよむとはどのようなことか、」という文学部が存在する意義を問うていると言っても過言ではないようなこの問いと参照文献は、「カッコ良すぎる」「文学部最終回の問題だ」などとネットで話題を呼んでいたほどでした。
 例年と同様の問題形式ではあるため、設問Ⅰの要約問題では、与えられた文章の主旨を正確に捉え、簡潔に整理する力が問われていると言えます。設問Ⅱの論述問題では、文学の意義について論じることが求められ、受験生の思考の深さや表現力を評価する内容となっていると言えるでしょう。

今回の問題の参考文献について

 今回は、『現代思想2024年9月号 特集=読むことの現在』という雑誌の中に寄稿された「それは君が何をどう読むかだー地図のない<世界文学>の沃野に向けて」という題から抜粋されて課題文として取り上げられていました。こちらの筆者は、東京大学で名誉教授を務めていらっしゃる、ロシア・ポーランド文学の専門家で、現在は名古屋外国語大学世界教養学部の教授、放送大学の客員教授を務めている沼野充義さんです。

 今年の小論文では、出題文が高度な論考を含んでおり、文学の意義を考察するうえで重要な問いを含むような題材が選ばれています。特に、文学の社会的・文化的役割に焦点を当てた内容が盛り込まれており、受験生が自身の考えを広げやすい構成となっていると言えるでしょう。慶應文学部のアドミッション・ポリシーに照らしても、先人の文献を深く読み解く力を養うことを目的とした出題意図が明確であり、求められる読解水準の高さが窺える内容であったと言えます。

論点について

 今年の小論文問題は、文学の意義について多様な視点から論じることを可能にする設計となっていました。例えば、文学を通じた人間の精神的成長、社会の変遷との関連、言語や表現の持つ力といった観点から論じることができるでしょう。これにより、受験生は自身の経験や価値観に基づいて多様な解釈を示す余地が与えられており、よく思考を凝らすことができれば、解き切ることができたのではないのでしょうか。文学の意義という、哲学、考古学、歴史学、語学、心理学など慶應文学部の専攻の中にある全ての学部に共通する先人の知恵を学ぶ意義を考える論点であり、慶應文学部が何を目指すのかという問いを体現した文献の選出であったと言えるでしょう。

過去の問題と比較して総評

 今年の小論文は、慶應文学部の求める「論理的思考力」と「知的好奇心」を試すものであったと言えます。つまり、受験生には、単に文学の知識を持つだけでなく、それを社会的な文脈の中で捉え、応用する力が求められていたと言えます。

 慶應義塾の理念である「実学」や「社会の先導者」は、単に知識を蓄積するだけではなく、それを表現し、他者と共有し、新たな価値を創出することにあると私たちは考えています。今年の問題は、まさにこの能力を測るためのものであり、合格するためには、思考の柔軟性と論理的な表現力を兼ね備えることが重要であると言えるでしょう。

 来年以降、慶應文学部に進学を希望する受験生は、単なる対策ではなく、日頃から多様な文献に触れ、考えを言語化する訓練を積むことが求められています。日々の生活の中で自ら問いを考え、それを問うて日々の学びに生かす姿勢が大事であり、現代文の授業だけでなく、本に触れる機会を増やすことが大事だと言えるでしょう。

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