どうすればオンライン授業でディベートのクオリティを保てるか?
「ところで、高橋昌一郎先生の授業ってオンラインになったらどうなるんだ? あのディベート形式は面白いけど、オンラインでも同じ形式を保つことができるのだろうか」というツイートが、Twitterのタイムラインに流れてきた。
次の画像は、2018年の秋、定員550人の大教室で、私が「論理的思考法」の授業を行っている光景である。受講生は、私が問いかける質問に対して、自分の見解を順次コメントシートに書いていかなければならないため、集中して話を聴いている。画像をご覧になれば、私語を喋っているような学生が一人もいないことがわかるだろう。
ちょうど「囚人のジレンマ」を説明している場面である。この問題に対する具体的な解答は、「協調」か「裏切り」のどちらかしかない。学生は、どちらを選ぶのも自由だが、なぜ「協調」を選ぶのか、あるいはなぜ「裏切り」を選ぶのか、その理由を明確に説明できなければならない。その理由一つ一つを「論点」と呼ぶ。
自分の論点を発表したい学生は、次の画像のように挙手して発言する。その学生は、コメントシートの名前の上に「+」を書く。多数の学生の前で意見を表明すること自体に対するプラス評価なので、内容の是非は問わない。なお、私は学生を信頼しているので、この記入は自己申告制である。
「協調」と「裏切り」をそれぞれサポートする論点が出尽くしたら、「囚人のジレンマ」をそれらの論点から見つめ直して、改めて意見をコメントシートに記入する。この時点で、最初の意見を変更しても構わない。「論理的思考法」で重要なのは、思考のプロセスであって、結論ではないからである。逆に特定の見解に感情的に固執するようでは、論理的とは言えない。
学生は、自分が導いた結論を分析して、なぜ自分がその結論を支持するのか、どの論点に自分が最も比重を置いているのかを考える。ここで個々の学生は、実は自分の「価値観」を見極めているわけである。それでは、なぜその「価値観」が大切なのか? そこから、新たなディベートが始まる。
「論理的思考法」の意味
「論理的思考法」などというと難しく聞こえるかもしれないが、その根底にあるのは「他者理解」、つまり自分以外の人々の考え方や生き方をどのように理解するのかという問題である。そこで重要なのは、単に「意見が違う」という結論ではなく、「なぜ意見が違ってくるのか」という「理由」を議論することなのである。
一般に「議論」というと結論を押し付けるための手段と思われがちだが、「議論」は、合意のみを目的に行うものではないし、反発するためのものでもない。互いの意見や立場の違う「理由」を明らかにしていく過程で、それまで気付かなかったものの見方を発見すること、さらに、そこからまったく新しい発想を生み出すこと、それこそが「論理的思考法」の真の目的だと私は考えている。
実際に授業をしていて私が最も楽しいのは、かつて聞いたことがなく、想定もしていなかった意見を、学生が発言する瞬間である。互いに奇想天外な意見をぶつけあって議論が白熱したり、思わぬ発言に爆笑したり、論点を集中して真剣に考え込んでいる多くの学生たちの表情が目に浮かぶ。
それでは、学生サイドは私の授業をどのように見ているのか? 2018年度後期「論理的思考法」への学生のコメントを、以下にご紹介しよう。
2018年度後期「論理的思考法」への学生のコメント
・前期と後期、両方履修しました。毎回面白くて楽しい授業をありがとうございました。話の内容も面白く分かりやすいように説明してくれたので、毎回きちんと授業を受けたいという気持ちになりました。また、先生の授業を履修したいと思っています。(哲学科1年)
・様々な意見が学生から出てくる中でどの意見も否定せず全ての学生に分かるよう要約していただいたのでよかったです。卒論を書いている途中、何度もつまづいたが、この授業で行ったことを思い出したら、考えがシンプルにまとまるようになりました。特に分析・適応・独創・行動・機転力が身に付きました。就活は終わってしまいましたが、就活にも役立つ考え方が色々あったので早く履修しておけばよかったです。(健康体育学科4年)
・先生の授業は聞きやすくてわかりやすくておもしろいですが、先生と「楽しい」と感じるツボが違うなと思いました(笑)。先生の「楽しい」ツボが分かるようになって楽しみたいです。(日本文学科3年)
・やはり授業がおもしろかったのは先生がおもしろかったからだと思う。先生は、学生の意見を絶対に否定しないし、1人の意見としてあつかってくれるので、他の授業では、怖くて手が挙げられない私でも、頑張って手を挙げることが出来た。頭の中の考えを整理してアウトプットしなければいけない書く作業は論理的思考をするのに良い方法だと思う。(中国文学科4年)
・「東大生の論理」を読んでいるだけでは、理解しきれていなかったことも、先生の話を聞いて、理解できた部分もたくさんあった。コメントペーパーもたくさん書く機会があり、授業に集中して取り組めた。(経済ネットワーキング学科2年)
・色んな人の意見を聞く時間が多く、私も発表したいと思う場面もあった。また、教材以外の資料なども使用していて、普段そのような本を私は買わないので、どこにおいてあるんだろうとか改めて読んでみたいとか思い、興味がわいた。東大なんて手の届かない場所であり、関わりなどこれから先ないだろうと思っていたが、この講座を通して、色んな考え方を知ることができ、高橋先生も深く研究されたから、私たちにわかりやすく伝えてくれるのだと思った。ありがとうございました。(健康体育学科4年)
・講義は聞くだけが多いので、コメントシートにより意見をその時々書くのが参戦しているようで、よかったと思う。自分は発言できていないけど、書いた、考えた後にすぐ他の人の意見が聞けたのも納得ができるのでためになったと思う。(経済ネットワーキング学科2年)
・一方的な授業ではなくて、学生に問いかける授業形式によってあきることなく、1時間半集中して取り組むことができて、よかった。(経済学科3年)
・各授業で取り上げられる論理的な問題に対してその問題を肝や論点を私たちが大変興味を引くように話してくださり、私自身も思考するのが楽しくなった。(法律学科4年)
・非常に声が聞きやすく、論理の意味もよく理解していない私でも分かりやすい話し方だった。先生の口癖でよく使っている「楽しくない?」にハマってしまい、私もよく使っている。すごく楽しい授業でした。(経営学科3年)
・初めて先生の授業をうけさせてもらいましたが少し難しいテーマや内容を色々な話とつなげて説明してくださったり、とても興味がもてるような授業で、他もとってみたいと思いました。(法律学科4年)
・自分の考えも言うが、他の生徒の考えや別の説を提唱している学者の考えも教えてくれるので、公平な立場で物を見ていて自分も自分なりに考えやすかったです。授業内でただ物事を考えさせるわけではなく、最初は2択にしぼったりして考えさせてくれるのでやりやすかったです。(経済学科2年)
・進行のテンポは良かったと思うが、スピードがやや速かったと思った。ある一定の流れの中でいきなり課題が提示され、頭の中が整理できないままでいたことが多かったため、課題を聞き漏らすことがありました。なので、課題を何回も繰り返し提示するということをもう少ししてほしかったです。(史学科2年)
・先生はとても頭が良いので、さすが考えることが違うなと思いながら授業を受けていました。なるほどと思うことや勉強になることが沢山あったのでこの授業をとってよかったです。ありがとうございました。前期のはまだとったことが無いので今度とろうかと思います。来週のテスト頑張ります。(外国語文化学科2年)
・この授業は全体通してとてもおもしろく、身になったと思っています。先生の本を読んでみてとてもおもしろかったので、これからも何回か読みかえしてみようと思います。(経済ネットワーキング学科2年)
・授業の進め方、生徒が発表をしてどういう考え方を持っているのかをそれぞれ主張し、その主張を具体的に考えさせてくれた。私としては、比較的に時間の効率と90分でどれだけ学ぶことができるのかを今回の講義で聞いたことを社会人になってから生かすことができるようにしたいです。興味深い内容は、トロッコ問題のことが特に印象的であったと思います。そのことで、どういう判断を下してやるかどうかは自分次第で決まるということがはっきりと分かりました。(経済ネットワーキング学科4年)
・とても個性的でおもしろくて良いと思います。学生との距離が近いところも魅力の一つなんだろうと思います。学生に問いかける式の授業はとても良いと思います。(中国文学科4年)
・ユーモアセンスにあふれ、非常に楽しく授業を進めて下さったと思います。解説もわかりやすく、「面白くない?」と何度も問いかけてきたことも、とても楽しかったです。(史学科1年)
・すごくおもしろい先生だと感じました。今まで、論理学とか哲学のような授業をうけたことがなくただまじめに問題をといていくような授業ばかりだったので、論理的に考える楽しさを教えてくれた先生だと思います。(史学科1年)
・色々な話をきけて楽しかったです。この授業をとってよかったと思います。生徒が自ら考えるようにしていて積極的に授業を受けれました。(経済ネットワーキング学科1年)
・最初はすごく驚くこともあったのですが、授業内容もおもしろく、さらに、先生の話し方も、どんどん興味がひかれ、授業にひき込まれました。今は、先生に恋愛相談にすごくのってもらいたいです。お付き合いしている人がいるのですが、感情的にふりまわされすぎてつかれてしまったので、先生の考えをききたい!!と思いました。(経済ネットワーキング学科1年)
・外文なので、割と色々な授業でお世話になっています。いつもテンションが高くて話を聞いていて本当に楽しいです。(外国語文化学科2年)
・物事を論理的に考える機会を与えて下さった高橋昌一郎先生の授業を履修することができとても良かったと思います。正直興味の無い必修を学ばせられるより、はるかに、昌一郎先生の授業は自分のためになりました。(外国語文化学科2年)
・この授業を受けている学生を使って、実際にデータをとるという方式がおもしろかったです。誕生日が同じ人を探すテーマの時は思わず「おおー!」と言ってしまいました。(日本文学科2年)
・様々な分野に対しての知識の幅が広く、頭の中のその知識もわかりやすく伝える能力が高いと感じた。また、その豊富な専門的知識に固執することなく物事に対して様々な見方をしていると感じた。非常に面白い授業であった。(法律学科4年)
・大勢の学生がいるのにもかかわらず、一人ひとりに論理的な思考を身に付けさせることができる授業スタイルが素晴らしいと思いました。私は今期で卒業しますが、もう一度大学に入れるなら、國學院の文学部に入り、先生のゼミに入ってみたいと思いました。(法律学科4年)
・説明がわかりやすく、話もおもしろかったため、内容が入ってきやすいとともに、退屈させられることもなかった。学生の発言をうながしたり考えさせる授業スタイルは学生の自主性を高めていたように感じる。とくに、男女関係など、学生の興味を引く内容が多かったのもたのしかった理由の1つである。(経済ネットワーキング学科1年)
・毎回授業に少し遅れてくるのが、きっかり時間通りに始まるより、余裕が持てたのでめっちゃよかったです。先生の授業は毎回自分で考える授業なので、やっていて楽しかったし、他の人の意見を聞いて、こんな考え方もあるのかなど、幅があり、とても良い授業だと感じました。(史学科3年)
・どの授業よりも面白い授業をしてくださるので、また他の授業も機会があれば履修したい。(日本文学科2年)
・エピソードトークを交えながら授業の内容を進めていくスタイルがとても面白くてわかりやすかったです。発言した学生の内容にもとても親身に反応している姿も良いと思いました。また機会があれば先生の授業を取りたいです。(法律学科1年)
・とても話が面白くて内容も納得する内容ばかりでとても良い教員だと思います。授業も真剣に学ぶことが出来ます。(健康体育学科2年)
・私は高橋先生の印象は初めは怖いイメージがあったのですが、学生の心をつかむのがうまい印象があります。理由は講義というものは大学生からしたら出席しなければならないという考えを持っている学生が多いと思いますが、先生の講義の出席の際にはそのような否定的な考えを持った学生はいないと思います。講義中に、授業に興味深くて笑うという現象は、他の講義では発生しないと思うからです。(経済学科4年)
・喋り方が淡々としていておもしろかったです。何かを風刺している時が特におもしろかったです。(法律学科2年)
・今回、私自身が受講するよりはるか昔に先輩が「やばい昌一郎の単位落としたわ。出席足りなくて。」といった内容のツイートをしていたところ、先生がその先輩に対し、「もう落としたの?」とリプライを飛ばしていて、おそろしいと感じていたし、今もそう思う。(経済学科3年)
・話に面白さがある。私の興味を刺激するような方であると感じた。また解説もわかりやすいものが多く、理解の手助けをしていただいたと思う。(史学科2年)
・高橋先生はいつも明るくて楽しいです。水曜日以外にも受けられる科目を増やしてほしいです。外文以外の学生も積極的に受けられるように、教養科目で増やしてほしいです。(経済ネットワーキング学科2年)
・コミュニケーション能力が高く、生徒に語りかけ、返答を求めるような方法でより多くの生徒を参加させることに成功していると思った。また、扱う話題や前置きは生徒にとって身近なものを選んでいるため、興味を引きやすく考えやすい授業になっていたと思われる。また、口語体の使い方も若者向けにアジャストされていて驚いた。(日本文学科2年)
・高橋先生の授業は今まで3つ受けてきましたが、どれも有意義なものであり、自分は経済学部ですが4年次にもいずれかの他の授業をとってみたいと思っています。一年間ありがとうございました。(経営学科3年)
・話の仕方が論理的であるがゆえに非常に聞きやすく理解しやすかった。また、我々学生が社会に出ていく上でどのような能力が必要とされるかなど普段大人が教えてくれないような話をしっかり教えてくださる点を有難く思った。一つの問いに対し、様々な意見が出るが全て否定することなく、考え方の多様性を教えていただけてよかった。(哲学科2年)
・口調は少し乱暴だけど、それで学生との壁(?)がなくなっているように感じる。前期に比べて、先生との距離が近くなった(?)気がする。(質問しやすいという点)授業の内容は、学生に思考する機会を与えるものだった。(哲学科2年)
・ユーモアのある教員だと思う。自分と意見がくい違う点もままあるが、それも良さなのかなと思った。(外国語文化学科2年)
・先生の話には引きこまれるものがありました。話し方も興味を引くものがあり、ユーモアがある先生だなと思いました。(経済学科2年)
・題材にする内容がとても興味深く飽きない授業だった。後輩に教えたいと思う。(史学科2年)
・東大で講義をしたことがあるというだけに、アカデミックなものであった。本場の大学の講義を体験できたことを光栄に思う。また機会があれば受講したい。(法律学科3年)
・高橋先生の説明や話し方は非常にわかりやすく、興味をそそられるものが多くあります。難しい言葉が多かったにもかかわらず、ここまで授業を理解し、楽しむことが出来たのも高橋先生のおかげだと思っています。丁寧な授業で展開してくれてありがとうございました。(経営学科1年)
・難しい内容の講義を楽しく感じられるように講義を進めていたことがすごいと思った。また「いいかな」や「楽しくない?」などと、特徴的なワードを、これまた特徴的なイントネーションを使って活用することで、大事な話をするときにすぐ傾聴させるようにするなどメリハリを意識されているように感じました。(経済学科4年)
・分かりやすく、考えることを促してくれました。水曜はこの2限だけなので、学校に来るのが少しめんどくさいけど、楽しい授業だったので欠席遅刻なしで全部ちゃんと受けられました!(外国語文化学科1年)
・高橋先生は気さくなイメージがあります。そして学生の気持ちを理解してくれていて、学生にわかりやすい内容で授業を進めてくれたので毎回授業がとても楽しかったです。コメントシートを書く時間をしっかり確保してくれたり、意見に対して一つ一つしっかり答えていたのがとてもわかりやすかったです。(経済学科2年)
・私は前期にもこの授業を取っていて直感的に前期よりも題材が難しいなと感じました。なぜかというと、前期よりも頭を使い、考えたことや状況を把握、理解するのが非常に難しいと感じたからです。でも、題材の中には人間関係や裁判、アヒルの選択といったユニークな題材も多く、楽しんで授業を受けることができました。(経済学科2年)
・高橋先生の説明はいつも分かりやすかったと思っています。他の授業の教員の中には、「おそらく本人は丁寧に説明しているつもりであっても分かりにくい説明」をする人もいますが、高橋先生は難しいテーマも丁寧に分かりやすくお話してくださったため、私たち生徒も自分の意見をコメントシートに書きやすくなったのではないかと考えています。(経営学科3年)
・前期に引きつづいて履修したが、とてもわかりやすくいいと思いました。後輩にすすめたい。(法律学科3年)
・高橋先生の授業は初めて受けましたが、まず話し声がとても聞きとりやすくて、聞きやすかったです。個人的に「楽しくなーい!?」がとても印象的でした。必ず全員がわかるように、わからない人がいるか確認されているところや、何度も説明してくれるので、すんなりと理解することができたような気がします。とても楽しい授業でした。(法律学科3年)
・話がおもしろくて声が大きいのがとてもよいと思います。毎回お題みたいなのをだしてくれるので、コメントペーパーに何をかけばいいかわからない、といったことがないのもいいと思いました。(哲学科1年)
・「教員という立場だからこういうことは言えない」という様子はあまりなく、少しブラックなこともズバズバ言うのでわかりやすかったしおもしろかった。アメリカ留学とか実体験エピソードも聞いて、色々なことがあるんだなぁと思った。(経済ネットワーキング学科2年)
・すごく面白い。私は経済学部な為、こういった授業でしか学ぶことはできないが、もし入れるのであれば、高橋教授のゼミに入りたかったくらいだ。分かりやすく言い回してくれたりしていた為、すぐに理解ができた。私は1度高橋教授の授業をとってから、とれる授業は全部とっているほど、どの授業も興味深い授業をしてくれていると思う。(経営学科3年)
・普通に大学生活を過ごしていると、気づかない物の見方や考え方にふれて最初の頃は混乱することもあったが、自分で悩んで、頭を整理して、論理的に筋の通った答えを出すことは楽しいと感じたし、同時にいくら悩んでも答えが出しにくい問いもある、ということを先生が気づかせてくれたと思っています。(法律学科4年)
・生徒に問いかける感じのスタイルは何か意識を引きつけられる感じがして良いと思いました。また、スクリーンを使った授業もあり、表などで分かりにくい部分も分かりやすかったです。(法律学科2年)
・自分は授業中、おしゃべりが多いのは好きではないので、先生が環境を整えてくださるのが助かりました。騒がしいのに知らんぷりして授業を続ける先生もいるので……。(経済ネットワーキング学科3年)
・昌一郎先生は、生徒からとても人気のある教授であると思います。SNSで、先生とゼミの食事会に行っている生徒を見かけたことがありますし、生徒思いであることが、この授業からも伝わってきます。でなければ、教科書に載っている学生の方々も、ストーカーの相談や、恋愛の相談なんてしないですし。また生徒の意見を否定しないところも、生徒からすると発言しやすい場を提供なさってくださっているなと思いました。(法律学科3年)
・授業が純粋に上手いと思う。毎回コメントペーパーを随時書かせるから、ボーっとしている時間はなく、それによって学生も主体的に考えやすいと思った。こんなに学生が積極的に楽しんで発言し、考えているような授業は他にないから毎回驚く。今、4年ですが、多分1、2、3、4年と全て1つは高橋先生の授業とりました。楽しかったです。(法律学科4年)
・前期でも高橋先生の講義をうけていました。先生の授業は生徒たちへ考えさせることが多く、この大教室の人数の生徒たちを積極的に授業参加させるということがすごいと感じました。内容も難しいものではなく、考えるということがより強調されていて自分自身とても良い経験になりました。(史学科2年)
・とても聞きとり易い授業であると感じた。まず、生徒に設問の答えを聞き、そこから内容を広げていくため、その設問において重要な部分を即座に理解できる。教科書と同じで話もユーモアにあふれているため、とても親しみ易い、眠気を感じない素晴らしい授業であると思う。(経営学科3年)
・大学の中で一番面白い講義をしてくださる先生だと素直に思いました。何よりも、自分自身で考える時間というのが授業中に多くあることで、時間が過ぎていくのがとても早く感じました。本を読むのが苦手ですが、教科書で使用した書籍はとても関心がありました。また授業中に、生徒が意見を発言することで、先生の考え方、自分の考え方、他500人の生徒の意見をその場で聞くことができたのでより授業の理解を進めることができました。(経済学科4年)
・自分は法学部ですので残念ながらこういった一般教養等でしか授業を受けられず自身が今までやってきた中で三本の中に入るほど、先生の授業、というよりは内容がおもしろく、是非ともゼミにも入ってみたかったと思いました。自分も塾講師をやっているので、各先生の授業を少しばかし参考にしているのですが、先生の授業方式及び知識の凄さは非常に参考にさせていただき、活用させていただきました。(法律学科3年)
・是非ともテレビに出演したりして、全国の人に講義してもらいたいと思うほど、毎回の授業がおもしろくて和やかで良かったです。(法律学科4年)
・先生の授業のやり方は個人的にはとてもわかりやすかったです。声を聞きやすいのが特に良かったです。黒板を使っていないときでも話がわかりやすかったです。(経営学科2年)
・面白さの源で、個人的に大好きでした。わかりやすく、面白く、そしてその面白いはどちらかといえば、いとおかしの様な趣のあるものでそういった解説はよかったです。たぶん、人生で初の寝なかった授業かもしれません。(法律学科4年)
・受講している人数がこの授業は多いため、教授との距離が遠い感じはしましたが、教授が面白かったし、問いかけてくれたり、身近なことについてのお話をしてくれたので、距離は遠くても、他の教授の方と違うと思いました。私は外文なので、あまり多い人数で受ける授業について、慣れていないけど、この授業はすごく面白かったです。(外国語文化学科1年)
・おもしろくて変わっているという印象。本当にこの分野が大好きなんだということが伝わる。言ってることも分かりやすくて、新しい考え方を知る意味でのおもしろさがあった。教員として持つべきものが備わっていると思う。勉強は嫌いだけど初めておもしろいと思って聞きたくて知りたくて出席した講義だと思う。魅力のある人。(神道文化学科3年)
・どちらの意見側からでも平等で、的確な話が出来るのはすごいなぁと思いました。たとえば先生が賛成側の意見の話をしている時はなるほどその通りだと思うのに、「でもね」と反対側の意見について先生が話し出すと「ああたしかにそうかもしれない」と簡単に流されてしまいます。(哲学科1年)
・聞きやすい、話の運び方が上手い。もっと突っ込んだ話もしてほしいくらいだった。(中国文学科1年)
・とても良い。喋り方、スピード、分かりやすさがとても良いので、難しい内容の時も理解しやすかった。この大人数に対しても生徒を置いて行っている感じがなかった。様々な考え方が出た時もまとめて話していて聞いている側としては頭の中で整理しながらきくことができて良かった。(外国語文化学科1年)
・一言で表すととてもチャーミングな先生だと思う。(笑)授業の進行も分かりやすいし、なにより、内容がとてもおもしろい。もちろんおもしろいだけではなく、知性溢れる人だなと思った。また、一人一人の生徒の意見を尊重し、そこから広がっていく内容がとても興味深く面白かった。(外国語文化学科1年)
・頭の回転がはやいと思う。あととても物知り。次から次へと話すから、博識なんだろうなと思って授業を受けていた。先生の授業を他に2つ受けてるのですが、タメになることが1番多い授業だと思います。就活のこととかも言ってくれるのが助かる。今度個人的に就活の相談にのってほしいなと思った。(外国語文化学科2年)
・頭の良い人なんだろうなあと思う。アメリカの大学で数学科と哲学科を出た経歴で、大学教授という職に就いて著書をたくさん出しているのがうらやましい。話がおもしろいので、授業が楽しかった。友達がすすめてきた理由が分かった。(法律学科3年)
・金2の比較文化論と比べてまったく違う内容のことをここまで深く語れるということに感動しました。進め方もなるべく学生の意見をきいて、それについての意見を言ってくれるのでとても考えることが楽しい授業だと思いました。この授業は受けるのがとても楽しくもっともっといろんな話を聞いてみたいと思える先生でした。学んだことに興味がわいたので、先生の本などで学び続けたいと思います。(法律学科4年)
・常に生徒への気配りがあり、参加型の授業で生徒を楽しませているところは、どの先生の授業よりも面白い。前にも先生の授業を取っていたことがあるが、人気の講義である理由もうなずける。(経営学科3年)
・すごく授業がおもしろい! 勉強すること、というよりは自分で考える授業の進め方がすごく良いと思います。授業がおもしろいので、2年のときにも取りました。あとは授業の説明がすごくわかりやすいなーといつも思ってます。(経済学科4年)
・高橋先生の授業は、どの科目も実りが多く、毎回学べてよかったと思える。他の先生にはない授業での積極性をもとめられました。それに対しての討論を行うような形は、自分と異なる意見について考えさせてくれるいい機会であった。他の科目で受講していないのがあるなら、ぜひ来期も受講させていただきたい。(経済学科3年)
・先生の話し方や内容は実に聞きやすく、聞いている側として話に夢中になることが多かった。興味深い話題を提供してくれるので、受ける側も飽きることなく授業にいどむことができた。多様な考え方を尊重してくれる先生を受けれてよかったと思う。(法律学科4年)
・ユニークさと賢さを兼ね備えていてすごいなと思います。何が起こっても冷静な感じがありました。声がとおってて聞きやすいです。(経済学科3年)
・3年間取ってきた授業の中で一番面白い教員だと思います。正直、他の先生とかの授業はスマホをいじったり、寝たりとかよくするけど先生の授業は退屈にならないし、話が耳にスっと入ってくる感じがしました。(経済学科3年)
・自分が著した本を教科書として扱っているため、非常に質の高い講義がなされていると思う。また、生徒の意見をくみあげるのがうまくユーモアにもあふれている。何回でも授業を受けたくなる教員だと私は思う。(経営学科3年)
・おもしろいです。とにかく気さくでユーモアにあふれていて最強の先生だと思ってます。ステレオタイプの善悪にとらわれず僕たちも考えられるので、肩の力を抜いて授業を楽しめました。(経済学科3年)
・高橋先生の授業が好きなので、ほぼ毎期何かしらの授業をとっています。あと残り少ないですが、もっと色々な話がききたいので、これからも取りたいと思っています。(経済学科3年)
・すごくわかりやすい進め方だったと思います。ある意見に対して賛成、反対の両方の意見をきいたり、他の大学での結果と比べてみたりしていたので、どういう意見が多いのか、とかがよくわかりました。また、学生も参加しての授業だったため、先生が一方的に話す授業よりも眠くなりにくかったと思います。あと、先生が相談にのった内容なども含まれていて、本で読むよりも詳しい状況の説明をしてくださったので、話のイメージがしやすかったのもよかったと思いました。(経済学科3年)
・毎回の授業で学生の反応が悪いとき何度も理解できたのか確認をとってくれるのがありがたい。最初に言っていたことが難しくてもどんどんくだけて説明してくれるので理解できた。学生が発表したときも、どんな答えでも笑ってフォローしながら聞いてくれるのでみんな発言しやすかったのではないか。(経済学科3年)
・他の授業の先生は、自分がずっと話しているだけで終わる人が多く、退屈だと感じていることが多いが、高橋先生は、学生が自分で考える時間をとってくれたり、教科書に書いてある事をさらに理解しやすいように説明してくれていたので良かったと思います。(経済ネットワーキング学科1年)
・話が面白かったので、全く眠くなりませんでした。自分で考えるだけではなく、みんなの意見も聞けたのがよかったです。(経済学科3年)
・熱心な人物で、それでいて解説が論理的で分かりやすかった。また、我々の将来を案じてくださる一面が垣間見え、確かな信頼感が芽生えた。(経済ネットワーキング学科2年)
・解説や考えが偏らず、納得できる授業をしてくださいました。東大でのお話等もとても面白かったです。意見を否定しない姿勢も良かったです。(日本文学科4年)
・先生は、難しい話題でも、いくつかの具体例を出してくれたりして、自分たちが理解するのを助けてくれていたと思う。そのため、すごくありがたかった。コメントシートをシステム化しているのも、普通は聞いて「理解した」と自分で思って終わりであるが、自分でコメントを残すという過程を踏むことによって、そこで気づくことがあったり、考えが深まったりすると思うので、良いと思った。(経済学科2年)
・とてもわかりやすい授業でした。もう一度しっかりと教科書を読んで試験を受けたいと思います。(法律学科3年)
・先生のお話はとても聞きやすく、図などを用いて丁寧に講義してくださいました。また、授業も静かで集中しやすかったです。また、先生は教科書に沿って進めてくれたので、急いで本を読む必要もなかったので、しっかり自分の考えを持ってから受講することができました。(法律学科1年)
・とてもおもしろい先生で授業の雰囲気もよかった。授業の進め方も特に問題がなく、内容もわかりやすかった。(法律学科3年)
・高橋先生は、大学の授業ではなかなか難しいとされている、生徒に考えを発表させるアクティブラーニング的要素を含んだ授業展開を取り入れていて、受講していてとてもおもしろかった。また、色々な人の意見が聞け、とても勉強になった。(法律学科3年)
・すごく良い教員だと思います。話にひきつけられる。一方的に語る先生も多いが話が入ってこない。参加型の授業は日本には少ないので、もっと増えればいいと思った。あと何より、どんな考え、意見も、それはちがうという否定をしないのは、学生の考え方の多様性を生むので良いと思います。(経済学科4年)
オンライン授業のクラス定員
さて、最初のツイートに戻ろう。「あのディベート形式は面白いけど、オンラインでも同じ形式を保つことができるのだろうか」という質問に対しては、「クオリティを保つことができるように、オンラインで精一杯努力する」と答えるしかない。ただし、そのためには、クラス定員を大幅に減らさざるをえないというのが、私の結論である。
多くの学生のコメントにも表れているように、私の授業形式は、対面式の「ライブ」で初めて成立する。実際に目の前に学生がいるのであれば、1000人でも「白熱教室」を行う自信があるが、残念ながらオンライン授業では、集団が思考する過程で湧き出てくるような「活気」は望めないだろう。
1996年に本務校に着任して、私が最初に担当した「論理的思考法」の受講生は、たしか100人程度だったと思う。それが200人、300人、400人と年々増えて、2000年頃には学内最大の定員550人教室を埋めるようになった。その後、さらに受講希望者が600人、700人、800人と増え続けたため、近年は抽選で受講生を選ぶようになっていた。
今では「論理的思考法」は、本務校における一種の「名物講義」と呼ばれるようにもなっている。だから、オンライン授業になっても定員550人を維持したい気持ちは山々なのだが、そもそもZOOMの「ミーティング」機能は最大300人である。それ以上は1万人まで許容できるという「ウェビナー」機能を使用しなければならないが、そこまでいくとほぼ一方通行のオンライン講演会のようになるので、ディベート授業はできない。
ちょうど私は昨年度が派遣研究で授業を担当しなかったため、受講希望者が例年より多いことも承知している。しかし、あくまでディベートのクオリティを維持するためには、残念ながらオンライン授業ではクラス定員を大幅に減らさざるをえない。思えば25年前の「論理的思考法」の原点は100人程度だった。その点を、本務校の学生諸君にご理解いただけたら幸いである。
クラス定員を減らしたとしても、従来のディベートのクオリティをオンライン授業で実現するためには、さらに試行錯誤を繰り返す必要があるだろう。この点については、皆様からヒントやご意見をいただけたら幸甚である!
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