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MBA大学院でのレポート(2)

ロジックが正しく組めればブロック図になることを紹介した。また、正しく組めたロジックを文章化すれば、大事な3条件が成立することも紹介した。そこで、こお2つのポイントを、著者がMBA大学院で書いたレポートで確認をしていこうと思う。大学院などでレポートを書く際の参考になればと思う。これまでのような詳細な解説は載せない。以下の2点を確認しながら読んでほしい。

チェックポイント1
ロジックが正しく組めれば、ロジックは綺麗なブロック図になる。なぜなら、ブロックが思考単位、グロックをつなぐ線が縦横の関係を示すからだ。つまり、ブロック図を組めれば、論理性の分類と接続ができている証左なのだ。詳細は、詳細は、本マガジンの「ロジックを組むとは、ブロック図を作ること」(https://note.com/logicalskill/n/n55bbee52fc4a?magazine_key=mf8caf790fa2e)を参考にしてほしい。

チェックポイント2
正しく組めたロジックを、パラグラフで文章化すれば、以下の3条件が成立する。詳細は、本マガジンの「正しく書けた文章の3条件」(https://note.com/logicalskill/n/nf76e989e5b76?magazine_key=mf8caf790fa2e)を参考にしてほしい。1.Topic sentence だけで文章が成立する2.Topic sentence だけでパラグラフ間の縦横関係が読み取れる3.Topic sentence だけでそのパラグラフに何が書いてあるかは予想できる

このレポートは、「日本企業のイノベーション戦略上の課題と今後の展望」というテーマである。文章量は全部で、A4用紙6枚、6,000字を越える。一気に掲載すると、とても読んでいられないので、章ごとに日を分けて紹介する。執筆は、2018年なので、情報が若干古いことはご勘弁願いたい。コメント(太字)は最小限にとどめた。


3.イノベーション戦略の方向性

モジュール型ビジネスの流れは止められない。そこで、日本企業の方向性として、得意とするインテグラル型ビジネスとモジュール型ビジネスを融合したビジネスモデルの構築が考えられる。また、多様な人材の確保と技術流出の防止のために、技術者の報酬改善も進めることになろう。

  • 3章の総論。2つの解決策を提案

3.1. インテグラル型ビジネスとモジュラー型ビジネスの融合

モジュール型ビジネスでは日本企業は生き残れない。そこで、インテグラル型ビジネスと、モジュラー型ビジネスの融合が考えられる。つまり、コア技術による部分と標準モジュール部分とを摺り合わせである。

  • 3.1節の総論。1つ目の解決策をざっと紹介。

世界のビジネスは、モジュール型へと進んでいる。モジュールに分けて、各企業が得意分野のモジュールを開発した方が、開発スピードが上がる。また、標準モジュール化してしまえば、数多くの企業の参入が促され、モジュールの性能向上とコスト低減が期待できる。すなわち、モジュール化自体には、イノベーションを促進する上で大きなメリットがある*。従来のように、1社の研究開発だけでは、イノベーションは困難だ。エレクトロニクス産業で広まったモジュール化は、今後は自動車産業などにも広まっていくだろう。

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しかし、日本は、以下の3つの理由で、モジュラー型ビジネスが得意ではない。1つ目はコスト。組み合わせればできてしまう製品なら、中国をはじめとしたアジア諸国に勝てない。2つ目は新しいシステムやプラットフォームの構築。特にシステムの中心になる基幹部品・ソフトでリーダー的存在になれない。その代表例が、パソコンのCPUやOSである。3つ目はグローバルな仕組みづくり。コストだけを考えれば、世界中から安いモジュールを買ってきて、安く作れる国で組み立てればいい。しかし、日本企業は、そのようなグローバルな展開が、言葉の壁もあって苦手である。

そこで、日本企業の選択肢として、得意とするインテグラル型ビジネスと、モジュラー型ビジネスの融合が考えられる。つまり、自社で蓄積したコア技術による部分と、提携先と協働したコア技術による部分と、アウトソーシングした標準モジュール部分とを摺り合わせて製品化するのである。提携先と協働するのは、オープンイノベーションによって、開発スピードを上げるためである。標準モジュールを使うのはコストを下げるためである。

たとえば、NECの顔認証ビジネスが、インテグラル型&モジュラー型融合ビジネスに適している。NECには顔認証技術というコア技術がある。しかし、顔認証技術だけでは製品にはならない。そこで、顔認証技術を応用した、入退場システムや防犯システム、無人レジなどのシステムは提携先と協働したコア技術で構築する。コア以外の部分については標準的なモジュールを活用するのである。その上で、その土地や用途に合わせたすりあわせをすれば付加価値も付く。

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