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ロジックのブロック図化と正しく書けた文章の3条件(具体例4)

ロジックが正しく組めればブロック図になることを紹介した。また、正しく組めたロジックを文章化すれば、3条件が成立することも紹介した。そこで、具体例(この記事最後に掲載)を使って、ロジックがブロックになること、3条件が成立することを示そう。

ロジックが正しく組めれば、ロジックは綺麗なブロック図になる。なぜなら、ブロックが思考単位、グロックをつなぐ線が縦横の関係を示すからだ。つまり、ブロック図を組めれば、論理性の分類と接続ができている証左なのだ。詳細は、詳細は、本マガジンの「ロジックを組むとは、ブロック図を作ること」(https://note.com/logicalskill/n/n55bbee52fc4a?magazine_key=mf8caf790fa2e)を参考にしてほしい。

正しく組めたロジックを、パラグラフで文章化すれば、以下の3条件が成立する。詳細は、本マガジンの「正しく書けた文章の3条件」(https://note.com/logicalskill/n/nf76e989e5b76?magazine_key=mf8caf790fa2e)を参考にしてほしい。
1.Topic sentence だけで文章が成立する
2.Topic sentence だけでパラグラフ間の縦横関係が読み取れる
3.Topic sentence だけでそのパラグラフに何が書いてあるかは予想できる

この記事最後に示した文章は、ロジックをブロック図化すると以下のようになる。このロジックはやや複雑だ。各論の最初「変革型組織が必要」からGoogleやAmazonの例は縦につながる。同時に、「変革型組織が必要」から横に並んでいる各論の第3、4パラグラフ(コンピテンシー採用の重要性)が縦につながる。第3パラグラフから、「採用方法」の2つのパラグラフが横に並ぶ。なお、この文章は、2つの階層それぞれに階層の総論がある。総論は、ここではブロック図に入れていない。

この文章は、Topic sentence だけで文章が成立する(文章例の太字の文)ことがわかる。1パラグラフは1トピック(=思考単位)で、その思考単位が、Topic sentence に書かれているからだ。Topic sentence だけで全ての思考単位が拾える。だから、Topic sentence だけで文章としてつながるのだ。

さらに、この文章は、Topic sentence だけでパラグラフ間の縦横関係が読み取れる。第2階層の総論も含めて、以下のように言葉でつながっている。
1.急激な時代の変化ーーー変革型組織
2.変革型組織ーーーGoogleやAmazon
3.変革型組織ーーーコンピテンシーを持った人材を採用
4.変革型組織ーーー応募する人材の動機付け
5.コンピテンシー重視の採用ーーー面接とグループ活動(第2階層の総論)
6.面接ーーー表明
7.グループ活動ーーー発揮

さらに、Topic sentence だけでそのパラグラフに何が書いてあるかは予想できる。たとえば、各論の第1パラグラフを例に取る。 Topic sentence は、「変化の時代を生き残るには、変革型組織が必要である」である。であるなら、このパラグラフの中には、「変革型組織」とは何かの説明(Explanation)や具体例(Example)あるいは「変革型組織」が必要な理由(Reason)が述べられているに決まっている。同様に、各論の第2パラグラフを例に取る。 Topic sentence は、「変革型組織の代表例が、GoogleやAmazonである」である。であるなら、このパラグラフの中には、「GoogleやAmazon」が「変革型組織」であることの説明(Explanation)や「変革型組織」といえる理由(Reason)、企業活動の具体例(Example)が述べられているに決まっている。

このように、ロジックが正しく組めればブロック図になる。正しく組めたロジックを、パラグラフで文章化すれば、以下の3条件が成立する。
1.Topic sentence だけで文章が成立する
2.Topic sentence だけでパラグラフ間の縦横関係が読み取れる
3.Topic sentence だけでそのパラグラフに何が書いてあるかは予想できる

コンピテンシー採用の必要性

急激な時代の変化に対応するには、変革型組織を構築すべきである。この変革型組織構築にはコンピテンシー重視の採用が必要だ。また、コンピテンシー重視の採用は、応募人材の動機付けにもなる。

変化の時代を生き残るには、変革型組織が必要である。変革型組織とは、外部環境の変化に柔軟に対応することで、絶えず成長と改善を追求する組織のことである。変革型組織では、従来の業務を維持するだけでなく、積極的に新しい方法や戦略を取り入れて変革を推進する。柔軟性や適応力が高いのが特徴です。変革型組織は、リーダーシップスタイル、組織文化、戦略的目標の面で従来型の組織とは異なります。このため、現代の急速に変化するビジネス環境において競争優位性を維持できる。このような柔軟な対応で絶えず成長と改善を追求する変革型組織なら、変化の時代にも生き残れる。

変革型組織の代表例が、GoogleやAmazonである。Googleは、フラットな組織構造や「20%ルール」(従業員が仕事時間の20%を個人プロジェクトに使う)といった手法を採用している。このような手法で、従業員に自由な発想で創造的に働ける環境を提供することで、継続的にイノベーションを生み出している。Amazonは、絶えず新しい方法で顧客のニーズを満たそうとしている。具体的には、業務プロセスの効率化、AIを用いたパーソナライズドサービスの提供などである。このような柔軟な技術革新によって、変化に適応する組織を構築している。

この変革型組織を構成するには、コンピテンシーを持った人材を採用する必要がある。コンピテンシーとは、「高い業績を上げ続ける人に特徴的に見られる物事の考え方や姿勢、行動特性」を指す。コンピテンシーを持った人材は、自分自身で問題を発見し、課題や目標に果敢にチャレンジする。また、周囲の人を巻き込みながら問題解決にあたる。たとえば、例えば、困難な市場環境でも、新規顧客を開拓しつつ、既存顧客の満足度を高め、リピーターを増やせる営業担当者がコンピテンシー人材の典型である。このようなコンピテンシーを持った人材が、変化の激しい社会に対応するには必要である。

また、コンピテンシー重視の採用は、採用に応募する人材にとっても、志望の動機付けになる。具体的な仕事と求められるコンピテンシーを情報として発信することが、若者の就職意識を高めるのだ。このことは、就職活動中に最も知りたい情報は、「具体的な仕事内容」であるというアンケート結果(下表参照:就職ジャーナル版「就職白書2022」)でも裏付けられている。 (表は省略)

コンピテンシー人材の採用方法

コンピテンシー重視で採用するには、従来のペーパー試験を、面接とグループ活動による試験に改める必要がある。

面接試験を通じて、受験者にコンピテンシーを表明してもらう。表明だけでなく、過去の経験でそのコンピテンシーを示してもらう。具体的には、新卒なら、学生時代に打ち込んだこととその成果になるだろう。中途採用では、これまでの成功体験やエピソードになる。たとえば、リーダーシップが自身のコンピテンシーなら、メンバーを引っ張った経験を具体的に語れるはずである。こういった具体例を面接で説明してもらうことで、自身のコンピテンシーを表明してもらう。

グループ活動試験では、実際にコンピテンシーを発揮してもらう。面接だけでは、マニュアルどおりの回答で、受験者のコンピテンシーを観察しにくくなる。そこで、言葉でだけではなく、言ったことをディスカッションやグループ活動の中で発揮してもらう。たとえば、リーダーシップが自身のコンピテンシーなら、グループ活動でメンバーを引っ張れるはずである。このグループ活動で、本当にコンピテンシーを持つことを証明してもらうのである。

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