#2 物流倉庫自動化への道 その1
物流倉庫の自動化検討条件について
前回の記事で少し触れましたが、日本の物流倉庫に自動化検討できる条件
について書いていきます。
私自身、倉庫の自動化を検討する際には、まず、以下にあげる3項目を
確認してからはじめます。
1. 物流倉庫の規模 (入出荷規模も含む)
まず1点目は、物流倉庫の規模です。
物流倉庫が大きく、在庫回転数が高い倉庫は、検討してもよいと思います。
どちらか一方が当てはまる場合は、別の視点で改善されたほうがよいです。
・ 物流倉庫が大きく、在庫回転数が少ない
ロングテール商品が多い場合、どちらかというと在庫充填率に着目した
改善、もしくは、在庫回転数を上げる改善を先にすべきかと思います。
・ 物流倉庫が小さく、在庫回転数が高い
TC型の倉庫であれば、自動化導入検討もあるかと思います。
しかし、DC/FC型の倉庫であれば、在庫過少の可能性もあります。
在庫の持ち方についての検討を先に行うほうがよいかと思います。
2. WMSを導入している (倉庫内ネットワーク)
特に今、注目されているピッキング系の自動化は、WMS導入していることが
必須だと思います。WMSからピッキング指示を受け取り、ロボット側で
ピッキングの最適化を行い、運用を行います。
それと、倉庫内ネットワーク設備が必要です。
仮にロボットでなく、マテハン機器だったとしても、データを扱う場合、
ネットワークによってサーバーから指示を受けて、稼動します。
出荷指示票等の紙で運用している場合は、ネットワーク設備を
導入する必要があります。
ネットワーク設備のない倉庫では、そのための準備コストが必要であり、
自動化+ネットワーク設備では、コスト面で不利になります。
3. 倉庫の築年数が浅い (建屋のスペック)
え?と思うかもしれませんが、ポイントのひとつとしてあげます。
例えば、自走型のロボットを導入しようと考えているのならば、
床の平坦さが求められる場合もありますし、床の平米あたり耐荷重が
求められる場合もあります。あるいは、在庫充填率を上げたい場合、
階高が必要になります。
築年数が経過している倉庫の場合、現在、自動化で求められる
建築物の要件に満たしていない場合も多く、自動化できるものが限定される
可能性が高いからです。
Aという自動化技術を導入したが、建屋のスペックが最新だったら、
Bという自動化技術を導入でき、コストも生産性もBのほうがよかった。
ということにもなりかねません。
建屋 (倉庫)も時代のビジネスニーズにあわせた設計を行っており、
築年数が経過した建屋では、現代の求められるスペックに適合しないと
いうこともあります。
一方で築年数の経過した全ての建屋が当てはまるわけでは、ありません。
検討前に現在の倉庫スペックを再確認するところからスタートしましょう。
自動化検討条件が整った(?)
上記は、あくまで最低条件
3つの条件を書き出しましたが、全て当てはまっているから自動化を推進
しようと考えるには、ちょっと早いです。
あくまで導入検討にあたっての最低条件だからです。
つまり、ここでは、最初のステップを通過したところです。
次にすべきことは
他にどんな検討課題があるのかというのは、気になるところですが、
まず、現状も十分把握しておく必要があります。
後々、このあたりを書いていこうと思います。
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