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#1 物流と自動化について思うこと
物流の自動化が叫ばれていますが
最近、よく物流の自動化についてニュースやCMを見る機会があります。
人手不足をBizワードとしていますが、そもそも自動化が全てを解決するか
といえば、部分的には、解決されるものもあれば、そうでない部分もあると
考えます。
正直なところ、人手不足であれば、賃金を上げれば解消できる
可能性が高いと考えているからです。とはいえ、賃金を上げるには、
雇用側もそれに見合う対価が無ければ、難しい話です。
雇用側が求める対価というのは、何を指すのでしょうか?
その答えは、物流コストの抑制もしくは、低減が対価であると考えます。
そこで、人件費削減を謳った物流ロボットの導入が叫ばれています。
自動化は、本当に必要なのか
例えば、すべて手作業+フォークリフト程度の設備で運営している
物流倉庫があるとします。(物流倉庫の多くがそうだと思います)
昨今、人手不足が叫ばれている中、なかなか募集しても人が集まらないと
いったケースもあるかもしれません。企業側にとっては、
・ 約束された期日までに出荷ができない (企業の信用力低下)
・ 労働力を確保するために賃金の積み増しをする (コスト増)
等といった悩ましい課題を抱えることになります。
そこで、自動化で生産性を高め、労働力確保の心配からの解放といった
提案があったりします。しかし、この導入ハードルは、とても高いです。
自動化すれば、コスト削減できるだろうと安易に考えるとかなり手痛い
しっぺ返しをもらうことになります。
自動化のハードルが高い訳
個人的に、全ての物流倉庫に適用できないと考えています。
(これは、後々、書いていこうと思います。)
欧米で物流自動化が進んでいますが、切実な事情もあります。
それは、人件費の高騰です。物価の違いもありますが、
日本との比較で倍近い時給差があります。
同じ物量を同じ労働時間で処理した場合の労働コストは、
かなり大きなウエイトを占めることになります。
仮に日本と同じ労働コストに収めようとするなら、
解決策は、生産性を上げるしかないのです。
その原資として、削減見込の労働コストを設備投資に当てているのです。
もう一つ、違いがあることは、倉庫規模の違いです。
倉庫規模が大きければ、自動化した時の削減インパクトは、大きく、
倉庫規模が小さければ、削減インパクトは、小さくなります。
日本の場合、倉庫規模が小さく、拠点が多いケースが多いです。
つまり、自動化への原資が乏しいのです。
とは言え自動化を否定するつもりはなし
ここまで書くと、おまえは、自動化を否定しているだろうと思われますが、
そんなことは、ありません。いくつもの自動化設備を導入し、
大きな削減が達成できたことやその中で培ったノウハウもあります。
原資が乏しい中で、工夫をすることで、投資回収への道筋をつけることは、
可能です。
しかし、失敗(?)事例もいくつか見てきた中で、何が必要で、
失敗に対して何が不足していたのかというところも見えてきました。
今後、導入までにどんな準備が必要なのかを書いていこうと思います。