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痔ろうとの闘い 〜手術の前日に大事件が起こる〜

手術を明日に控えた私は、病院から出してもらった消化のいい食べ物(クリアスルー)を3食食べた。クリアスルーは、レンジでチンしたり、沸騰したお湯で温めたりして食べる。雑炊や肉じゃが、ビーフシチュー、クラッカーなどがあって、食べる順番は自由である。

この食事をとるの理由は、手術前に大腸カメラを入れるからである。肛門と大腸はつながっていて、大腸の中を空にした状態で手術をしなければいけないため、チェックが必要なのだ。

当日、遠方から通院していた私は朝早くに出発した。自分で運転をして向かった。
ここで事件は起こる。

病院から、着く前に下剤を飲んで排便をするよう指示されていたため、到着の1時間前に飲む予定にしていた。しかし、2時間かけて向かうため、トイレにすぐ行ける状態ではなく、飲むタイミングに悩んでいた。

いつ飲むべきだろうか、、、


考えていても仕方ないので、思い切って飲むことにした。20分車を走らせれば最寄りのトイレに着くぐらいのタイミングである。
同乗していた妻に薬を準備してもらい、飲んだ。

私は驚いた。


今まで飲んだことのある下剤の中でも、かなり強い下剤ではないか!!

飲んだらすぐ効き始め、便意に襲われた。
早くトイレに着くため、アクセルは踏みつつ、肛門にはブレーキをかけるという、難しい状況であった。

結果、無念にも、アクセルも肛門もアクセル全開になってしまった。


パンツの中で液体が流れている感触があった。終わったと思った。
正直、洗ってきれいにしたり、捨てたりすればいいことである。しかし、感情はそうではないのだ。理屈ではない。

大人にもなって、便をコントロールできなかった悔しさ、脱糞したという事実への悲しみが襲ってくるのである。

これは、体験した人にしかわからない気持ちだと思う。


車内で、運転中に脱糞してしまった。しかも、妻の前で、、、
人生でこんな経験をするとは思わなかった。人としての尊厳が傷ついた気がした。

最寄りのトイレに着き、宿泊用で準備していた衣服に着替えた。
トイレを汚さずに元々着ていた服の処理が大変だった。そして、誰かにうんこをもらしたのか、と思われたくなかったので、バレないようにスピーディーに着替えた。

そんなハプニングもありながら、
病院に到着。
看護師さんたちに、トイレは大丈夫だったかと聞かれ、もらしてしまいましたと答えたら、笑っていた。もしかしたら、同じような患者さんが過去にもいたのかもしれない。
そう考えると、世の中に仲間がいる感じがして気が紛れた。


明日、手術が行われる。
切り替えて、入院初日を過ごした。


次回、大腸カメラと手術についてまとめます。

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