読書記録 5
11月の記録📚📙📕📔📖📗📘📚📙📕📔📖📗📘
ーーーーーーーー関西人のノリは・・・
『ご成長ありがとうございます おめでとう編』三本 阪奈 著 新潮社
常日頃ネットの「スマートニュース」をよく見ています。腹の立つようなニュースの合間にこういうコミックの記事を覗いたりします。
好きなのは猫や子どもたちの物語。癒されますね。
今回この物語に惹かれて本屋さんに走りました。
三人の子どもたちと両親という五人家族の日常の物語です。
全編関西弁飛び交うこのコミックは、関西人のノリは、小さい頃からもうすでにDNAに刻まれているということが遺憾なく発揮されています。
作者は多分このお家のお母さん。その、こなれた画力、軽妙洒脱なストーリー展開は、読者に安心感を与えます。(これがホンマもんの日常だなんて、楽しすぎる)
やらかすのは末っ子の長男くんだけではなく、お姉ちゃんたちやパパさんも。ほっこり、まったり、にっこりのコミックエッセイです。
ーーーーーーー泣けます。泣きたい方にお薦め。
『孤宿の人』上下 宮部みゆき 作 新潮文庫
先月、宮部みゆき作品を久しぶりに読んだら過去作を読みたくなりました。この『孤宿の人』は、宮部作品中、泣ける小説ナンバーワン、と私は思っています。
三、四回は読んでいるのですが、何度読んでもやっぱり泣けます。😭😭😭
舞台は四国のある藩(丸亀藩をモデルにしたとありました)。
主人公は、江戸から金毘羅さんのお参りを強制され、やって来た「ほう」という名の女の子。(体のいい厄介払い的なものでした)
冒頭いきなり、縁あって「ほう」が奉公しているお医者の家で、「ほう」を可愛がってくれていたお嬢様が毒殺されます。
犯人を目撃しているにも関わらず、大人の都合、というか江戸時代の武士の階級の都合で「ほう」の証言が潰されます。
そしてそこへ江戸からもうひとり、今度は幕府高官でありながら、罪人としてここへ移送されてきた武士が絡んできます。
過酷な日々を送ってきた「ほう」と「ほう」を取巻く人々との心の交流、罪人として送られてきたそのお侍との交流。読み進めていくうちに天涯孤独な「ほう」の身内のような心情になってきます。
「こんな子がしあわせにならなくてどうするんだ」と叫びたくなります。
文庫の巻末には、「児玉清」さんの解説があります。これがまたいいんですよ。(お若い方は児玉清さん、ご存知ないでしょうかね。ダンディーな俳優さんでした。読書家としても知られていました)
「・・・まさに本は友だち。『孤宿の人』を読み終えたとき、僕はこの本への愛しさに心を震わせていた。なんと心を揺する親しき友と出逢えたことか、そんな想いで抱きしめたくなるような物語の切ない余韻に漂いながら、僕はしみじみと感じた。「素晴らしき人生の友と出逢えた」と。・・・」
(児玉清氏の解説から引用)
<完本>『初ものがたり』宮部みゆき 作 PHP文芸文庫
『震える岩 霊験お初捕物控』宮部みゆき 作 講談社文庫
ーーーーーーー宮部作品の真骨頂、ここにあり。
『孤宿の人』読了後、宮部作品をふたつ。
11月はひとり宮部祭りでした。
お江戸の岡っ引きたちが活躍するサスペンス、ミステリーですが、そこにはお江戸に暮らす人々の義理と人情が光ります。
宮部作品の真骨頂はやっぱり、この人情もの。
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