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a little something : √-2

カーテンを開けると 星空が広がった

ちょうど真ん中辺り 白銀のシリウスが冴えている

きよげなる星空を統べる者は 間違いなくこの星だ

と宝塚チックに思った

今夜も思った


最近 疲れているのか おかしな妄想が湧く

誰かに覗かれている

遠く どこかから 静かに

妄想ではなく 本当に視線を受け取っているのかもしれない


コンバンハ 遠くどこかの誰かさん

オハヨウ コンニチハは 出社していれば普通に使うけど

コンバンハは ほとんど口にしない

なんか 合コン用の挨拶みたいだと思う 人数合わせの

合コンは好きじゃないし

だいいちグループが苦手だ

ひとりが好き ふたりが好き 沈黙も平気


ねぇ 誰かさん アナタもひとり

それとも 誰かとふたり

念のため 一緒の誰かさんにも

コンバンハ


ソファに横になって シリウスを眺めていると

重力から自由になれそう


誰かさん アナタとワタシの間には

深遠な宇宙の合理や複雑な物理の法則が 横たわっている

その合理や法則に則って

ワタシたちは遠ざかったり 近づいたり

もしかしたら 繋ぎ止められているのかもしれない

ワタシの世界では その合理や法則 まだまだ分からないことを

神話とか 伝説 占い そんな風に呼んでいる

詩と呼ぶ人もいる


あのね 別々の場所にいるアナタとワタシが

同じ星を気に留めているとしたら

それは きっと詩よね

詩ならいいな

√-2 みたいな詩


ねぇ シリウスは見えてる 冷たく煌めいてる 

ねぇ 星座に属してる

シリウスは孤高の星

なのに こちらではおおいぬ座

むしろ おおかみだと思う

だって 尻尾を振るような真似 絶対にしない

ねぇ アナタもそう思うでしょ


夜はコンバンハで始まって

オヤスミを言うまで終わらない

この法則 誰が発見したのかしら


じゃあね オヤスミ




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