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信じる心は反射する【天元突破グレンラガン 3話】

なんで?
なんでそう言えるの?
なんでそんなに信じられるの?
 
理屈じゃねえんだよなあ。

じゃあ、何よ。

おんなじなんだよ。
てめえを信じるからあいつを信じる。
あいつを信じられるからてめえを信じられる。

おんなじなんだ、俺にとっちゃ。
それがつまり、「相棒」なんだよ。

グレンラガン 3話 
ヨーコとカミナ

「心から信じられるもの」はあるだろうか。
それは、
人でも、
思想でも、
信条でも、
神仏でも、
場所でも、
思い出でも。
とにかく、自分が「心から信じられるもの」。

カミナが言いたいことは、
その「心から信じられるもの」の中にこそ、
「自分」の姿が見出せる
ということであり、
強く信じれば信じるほど、
信じる自分の存在もはっきりしてくる
ということだと思う。

たとえば、
・「この人は信じられる!」
=自分がその人と同じ価値観を持っている
・「このアーティストの楽曲は間違いない!」
=自分がそのアーティストと同じ感性を持っている
といったような感じだろう。

さらに、
カミナの言葉の面白い点は、
この「信じる」ということの中に
「相乗効果」を見出しているという点だ。

カミナ(自己)を信じる
→同じ価値観を持つシモン(他者)をさらに信じる
シモン(他者)を信じられる
→同じ価値観を持つカミナ(自己)をさらに信じられる

そして、
こうした「相乗効果」の発生する関係を
「相棒」と定義付けている。

ここまで嚙み砕くと、
1話でカミナがシモンにかけていた言葉の真意が見えてくる。

いいか、シモン!
自分を信じるな!
俺を信じろ!!
お前を信じる俺を信じろ!!

グレンラガン 1話
カミナ

自分が信じられなくなったときは、
無理に自分を信じなくてもいい。
ただ、その代わりに、
自分のことを信じてくれる「相棒」がいるなら、
そいつを信じろ。
そうすれば、
その「信じる」は巡り巡って、
自分を信じられるというところにつながってくる。

この「反射」を、
カミナというキャラクターは直感的に理解している。
「信じる」という光が、
「信じられる他者」という鏡に反射して、
「自分」に返ってくるのだということがわかっている。

自分の過去を振り返ってみると、
気分が沈み込む時期というのは、
その根底にある「自分」が揺らいでいる時期だった。
「自分」が不安定な時期。
「自分」を否定してしまう時期。
「自分」が信じられない時期。

そんなときには、
無理に「自分を信じる」のではなく、
自分の外側にある「心から信じられるもの」を、
もう一度じっくり眺めてみるといい。

やっぱりこの人はいい人だよね。
やっぱりこの作品は素晴らしいよね。
やっぱりこの場所はいい場所だよね。

この「『信じる』の再確認」がきっと、
自分のことを信じるエネルギーになって返ってくる。

自分のことが信じられなくなったときには、
カミナの哲学を思い出すことにする。



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