赤白帽のない子は外遊びができない理由を教えてください…
質問が児童会に寄せられた。普段、こうした学級からの声にあまり反応を示さない児童会のメンバーが、興味深そうに議論している。
あーだ、こーだ、と話した挙句、最終的に矛先は教師に向いてきた。
「先生に質問です。どうして赤白帽がないと外で遊べないのですか」
だから答えた。
「知らん」
実際知らないのだから、答えようがないのである。(ちなみに赤白帽を被らないと外遊びができない学校は、今の学校が初めてである)
子ども達は驚愕の表情を浮かべている。
「まさかの答えが返ってきた!」というわけである。
私に頼れないと分かった途端、今度は自分たちで理由を考え始めた。「熱中症予防」「紫外線を防ぐ」は良いとして「遊んでいて雨が降るでしょ。その時に酸性雨に当たると毛が抜ける」という謎説まで飛び出してくる。
こういう時、教師はどうすべきか。
放っておけばいいのである。
私としては、是非ともこの質問をそのまま代表委員会で取り上げてほしいくらいである。そして、議論を経て、なんなら「校則を変えるべきではないか」くらいの提案をしてもらいたい。
思わず学校側が折れてしまうような、理論武装した提案。
こういうのは教師が指導すれば指導するほど、小ぢんまりとまとまった骨のない提案に落ち着くのが常である。だからむしろ放ってほいた方がいい。
提案がなかったら、それまでのことである。
<後日談>
その後子ども達は代表委員会で提案すべくシナリオを作成。それを担当の教師に確認してもらったところ、「学校のルールを変える提案は、校長先生の許可がないとできません」と瞬殺で却下されたとのこと。
子どもの可能性を潰しているのは、頭の硬い大人なのである。