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失礼がすぎる

恐ろしく「失礼」が蔓延している学校があるという話は立場上よく聞く。

何らかの事情で教師が欠勤する。誰にでもあることだ。この時、朝の会、授業、給食指導、帰りの会…と空きが生じてしまうことになる。当然、たまたま空きコマだった教師はそこに動員されることになる。

問題は次の日だ。前日欠勤した教師が出勤してくるが、まるで昨日のことがなかったかのように振る舞っている。誰にお礼を言うでもなく、普通に勤務している。(もちろん、これは人によって違う)

私自身、こんな経験がある。

かつて勤務したその学校には、毎年新採用の教員が配置される(通常は2名)。そして初任者研修の中に「示範授業」というのがあり、毎週決まった時間に他学級の授業を見て学ぶ時間がある。ざっくりと年間35週あるとすれば、35回の示範授業が実施されることになる。

授業をするのは、初任者以外の授業者全員である。大きな学校では、年間1人で1回。小さな学校では年間1人で2〜3回の授業を公開するのである。

よって、私は毎年1回の示範授業を初任者に公開するのだが、当然、初任者向けに授業内容を変更する。例えば、いつもより(大幅に)教育技術を詰め込む。話す、聞く、書く、考える、交流する…こうした様々な活動へ導くためにどのような布石をうち、展開しているのかを、目に見える形で提示する。

授業が終わり、初任者は一礼して教室を後にする。

それだけ。

これまで誰1人感想を述べた者もいないし、ましてや書いてきたことなどない。

要するに「失礼」極まりないのである。

数年間同じことが続いたため、ある年に次のような課題を参観者に課した。

「授業を通して、再現性の高い教育技術を抽出してください」

わざわざワークシートも準備して、手渡したのである。

そして、授業後に届いたワークシートを見て唖然とさせられる。

やはり、初任者から提出されたシートは1枚もないのである。(当日は、私のサークルの人間も参観していたので、その分のシートは集まったのだが…)

こういうとき、私は途方もない無力感に襲われるのである。

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