アイドルお金ないって言うけど、ざっくり何をすれば儲かるのか
アイドルを検索すると、出てくるのはお金がない話ばかり。アイドル産業あれだけ右肩上がりと言われているのに、なんでお金のないアイドルが増えるのか。これはそもそもビジネスとして成立していないのでは………?と思ったので、ざっくり計算して行く。
例えば、月の手取りが15万円程度のメンバーが5人の地方アイドルグループだとして、事務所スタッフが正社員3人、月30万円程度で事務所も構えてて、という計算をすると、大体250万円くらいはかかる。
では、収益のパターンを見ていく。ごく一般的なものだが、主にこういうものだ。
チェキ 原価60円 売価1000円
CD 100枚製作40000円 売価500円
Tシャツ 30枚製作25000円 売価1500円
タオル 30枚製作40000円 売価2000円
外部イベント 出演料1万〜5万
ライブハウス キャパ300 7時間130,000 10組
チケット2000円
ノルマ 13000円 7人来ればクリア
アイドル辞めて、タピオカ売った方がよほどお金儲け出来るのでは………?
【極めてざっくりとした話】
アイドルにお金を使うのはヲタクである。経費250万円をとんとんにするとしたら、5人のメンバーそれぞれにライブ毎1万円分グッズを買ってくれる太客が6人いて、毎週末ライブをしたとすると月8回やって総額240万円という計算になる。
いや、都合良過ひん、その計算?
懐かしのインスタントカメラ、チェキで写真撮って、ちょっと話しておよそ1分で1000円。これが話す時間が長いとかメンバーの愛想がいい、でコスパいい云々という話になる。サインを書いてもらうと+1000円。
でも、これも10枚買えば、それだけで1万円。アイドルの収益源であるということは分かる。他のグッズは利益率があまり高くない。どちらかといえばそれを身につける事で他のアイドルファンにアピールする意味の方が大きい気がする。
だから、これが太客が少ない場合、どんどん数字が薄まっていく。
太客が3人だった場合、残りの150万円を稼ぐためには、月2回2000円ずつグッズを買ってくれるファンは375人必要。一人当たり、月75人は緩めのファンが必要という事になる。おおよそ1回のライブで平均60人くらいの動員を持つアイドルグループである。
これは文字通りの皮算用であり、ここにはダンストレーニングやボイストレーニングのレッスン代は含まれていない。毎週なんとなく集まって、なんとなく歌って、物販をしているだけの子達の金額だ。
【100人集客するために必要な数字】
さっきの緩めのファン75人と毎度来る太客3人をざっくりまとめて、100人集客したいと考えた時に、どんな数字が必要かを考える。webサイトマーケティングで考えた時にこのような数字が割り出せる。
目標集客:100人→3300PV→リーチ数:60000人
100人の集客成果を見込む時、SNSのページ閲覧数はおよそ3300回必要で、実際にそのページをクリックする数から概算すると60000人の目に入る必要がある。
と難しく書いたが、実際、3000PVくらいだとこのnoteの月のPV数がそれくらいなので、案外どうってことない数字な気がする。ただし、これは無料だからであって、有料で月4000円のグッズ代+4000円のチケット代を払ってくれるかと考えると、どうだろう。結構、酔狂な人である。
【結局、見えてくるものは】
今回のざっくり計算で使った数字は、実際のアイドルではかなり優秀な部類の子だと思う。逆に言えば、この程度の数字を出してなければ、事務所も含めてビジネスにはならないということだ。
これがマネージャーが正社員じゃないとか事務所は自宅兼事務所だとかで切り詰めていくことも出来るが、それじゃ何も拡大していかないし、この数字でもよく書く売れるアイドルになるための基準には到底及ばない。
お金がない、というアイドルは、まず自分の集客活動が正しく、適正な層に出来ているか、どの程度の規模の相手に見られているかを意識すること。次に、新規とリピートが発生しているのかを考えること。最後に来たお客さんが購買に繋がっているかを確認すること、が大前提ではないだろうか。
【バイトしているんです、は地獄か】
極めて個人的な意見だが、アイドルでお金ないんでバイトしているんです、というのをよく見るが、別にアイドルでも、バンドマンでも、演劇人でもそれ1つで生活が出来ていなきゃ困ることがあるだろうか?
それ1つで生活出来ていれば、それに費やせる時間が増えるのは確かだが、上記したようにコストを考えると、ビジネスとして成功させていくのは簡単なものではない。
ただ、アイドルという文化の在り方を考えれば、週末ヒロインよろしく、平日は仕事をして週末はライブハウスというのはライフスタイルとして悪くない。むしろ、多くのヲタクもそうしているわけで、何の問題があるのだろう。例えば、アイドル本人は平日別な仕事で稼いでくれるのであれば、事務所はその分のお金を広告費に注ぎ込んだりも出来る。(労働対価を保証するかどうかは置いておいて)
【収益モデルを破壊して、考え直してみる】
結局、ここまでの数字というのはあくまでも従来のアイドルにおける収益モデルでしかない。集客をして、実券を売って、チェキを売るというモデルだ。別な方法で収益を作る方法を考えることは出来ないだろうか。
サブスクリプションやクラウドファンディングのリターンとして、特別なグッズがもらえるとか、限定チェキとか、秘密ライブとか、一緒にお寿司食べるとかもあるだろうし、ビデオチャットも有料アイテムでの課金がまるでメインストリームに見えるが、枠を売ってしまう方が良いのではないか。
Youtubeだってチャンネルを持っているのに、広告目的でも収益目的でもないような活動をしているグループがほとんどである。
突拍子も無くAIが、とか言うのではなく、今の時代に合ったお金の作り方を自分達が出来るかどうかを考えてみてはどうだろう。この辺りはまた改めて掘り下げてみたいところである。
でも、結局、一番強いのは可愛いことなんじゃないだろうか。