「非人類学園」リリース 求められる対応
もはやソシャゲに深く触らない人でも
荒野行動というゲームの名前くらいは多くの人が知っているかと思う。
あるいは、IdentityVというタイトルも見たことがあるという人も少なくはないだろう。
それらのタイトルを作ったNetEaseという会社の新作「非人類学園」が昨日リリースされた。
このゲームはいわゆるMOBAというジャンルにあたり
5人一組で敵の陣地に攻め入り、最後に塔を破壊したら勝ちというルールのゲームとなる。
esportsに注目してると、LoLなどの名前を見たことがあると思うが
同じジャンルのゲームである。
だた国内ではPCゲームの浸透度が低く、せっかく盛り上がってきているesportsなれど
始めるための障壁が高すぎるため
スマホを使ったモバイルゲームの発展が謳われていた。
MOBAの多くは、ヨーロッパ的な剣と魔法の世界や、中華世界的なモチーフが多かったのだが
非人類学園は学校をモチーフにしたジャパニーズアニメーションを意識したデザインとなっており
まさしく日本で流行らせるための作品となっている。
(これが国内メーカーから出てこなかったというのは嘆かわしい)
実際に遊んでみると、若干不安定な部分、時折フリーズしたり画面が黒くなってしまったり、ローカライズ、翻訳の部分がかなり適当だったりという問題はあるものの
キャラクターの動きは豊富だし、操作そのものには不便さはない。
テンプレート的なMOBAの遊び方、勝ち方を知っていれば、そこそこ楽しめるゲームとなっている。
問題はといえば、ゲームの中に作られたチャットだ。
誰とでも会話が出来るオープンなチャットがあり
それはゲームを開始したトップ画面の中でニコニコ動画のように文字が右から左へ流れていく作りになっているのだが
ここに罵詈雑言が並んでいるのだ。
MOBAというジャンルそのものに触れたことのないユーザーが多い中で
経験者が「雑魚しかいない」「マップの見方も知らない」などと口々に言ってるのはもちろんなのだが
「韓国人ばっかとマッチしてクソ」など差別的な言葉が飛び交っているのである。
実際、チャットには外国語をその場で翻訳する機能がついており、試合中にはそれをするまでの余裕はないものの
オープンチャットでは彼らの発言を見ることが出来るが
中国、台湾、韓国のユーザーで似たような発言は見たことがない。
あまりにも民度が低く、雰囲気が悪いチャットとなっている。
普段やっているOverwatchではこの辺りのマナーに関して何度も改定がかかっている。
ゲームに参加しているのにチームの足をわざと引っ張るようなトロール行為をしてユーザーから通報されれば警告、アカウントの一定期間停止もあるし
差別的な発言も確認されれば同様の処罰がある。
試合を放棄して途中離脱するようなことを繰り返すのも同様だ。
逆に試合後に、自チーム、相手チームから3人、いいプレイだったねと褒めるシステムが導入されてからは
変な行動をする人は減って、積極的に試合に参加するようになったし
そもそも通報の仕方が簡素化されたというのも大きい。
メーカーからすれば、不必要なコストになってしまうのだが
そこまでしないと皆が積極的にゲームを楽しむための場を保てないというのも事実なのだ。
ゲームとして見ると非人類学園は面白いし
おそらく一ヶ月もすればアップデートの中で彼らのようなユーザーへの対処というのは出てくると思うのだが
これまで日本国内で広がらなかったMOBAというジャンルが
広がりを見せる可能性があるにも関わらず
ケチをつけてくれるなよと思ってしまうばかりだ。
ゲームというものを外から見た時に
この民度の低さというのはネックの一つだ。
スポーツというなら、これらの発言をするものはすべからく排除されなくてはいけない。
またそういうイメージが一般的なライト層を遠ざける要因となる。
ゲームというものを楽しんでること自体が
社会的に見た時に、コミュニケーションがうまく取れず
そういうものの中で承認欲求と暴力性を満たしてるとまで
未だに考えてる人の多い状況で
ゲームメーカー、またユーザーはどうあるべきか考える必要があるのではないだろうか。