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アウトプットがスカスカ? 日常に取り入れる7つの“濃厚”インプット術


1.はじめに


社会人になると、日々の業務や家事・育児などに追われ、読書や勉強の時間をなかなか確保できなくなります。パパッとネット記事を眺めたり、スマートフォンのタイムラインをスクロールするだけで「情報を得ている」気持ちになることもあるでしょう。しかし、こうした“表面的なインプット”だけでアウトプットを急いでしまうと、実は中身のない空っぽなコンテンツや仕事の成果物を提供している可能性が大いにあります。

たとえば、ビジネスのプレゼンや企画書を作るとき、深いリサーチや読書、他の事例分析などをしていないために「結局何が言いたいのか分からない」と言われてしまうようなケースがあるかもしれません。
これはまさに、「インプット無くしてアウトプットはできない」という鉄則を忘れてしまった結果ともいえます。

2.社会人の読書時間・学習時間データから見る“インプット不足”


2-1.社会人の読書時間は減少傾向
公益財団法人 文字・活字文化推進機構が示す「読書に関する世論調査」(※1)などによると、日本の20代~50代の社会人の平均読書時間は年々減少傾向にあります。
平日の読書時間が「0分」という人が約半数を占め、忙しさやスマートフォンの普及などが原因とされています。実際にスマホゲームやSNS、動画視聴に時間を取られ、本をじっくり読む機会が激減しているのです。
2-2.社会人の学習時間も年々下がる
また、独立行政法人 労働政策研究・研修機構の「社会人の学習実態調査」(※2)によれば、週に1回以上の学習(資格取得やビジネススキルの勉強)をしている社会人は全体の3割程度と報告されています。
しかも、その学習時間も1日あたり30分未満という人が多く、まとまったインプットを継続して行っている人は決して多くありません。
こうした現状を踏まえると、「忙しいから」「疲れていて本を読む気がしないから」という理由でインプットを断念する社会人が増えているのは事実です。結果として、仕事やプライベートで発揮できるアウトプットの質が下がるリスクを大いに抱えているわけです。
※1 「読書に関する世論調査」は、文字・活字文化推進機構が内閣府などのデータを基に公表しているもの。
※2 労働政策研究・研修機構の「社会人の学習実態調査」は、学習内容や頻度、時間などを調査した結果をまとめた報告。

3.日常に“3分”で取り入れられる7つのインプット方法


それでは「インプットが足りていない」と分かっていても、忙しい社会人がどうやって学習時間を捻出すればいいのでしょうか。以下に、日常生活の中で“3分”だけでも取り入れられる具体的な方法を7つ挙げてみます。短時間でも習慣化すれば大きな成果につながるはずです。

1ページ読書

ポイント:長い時間読むのが苦手でも、3分で1ページだけ読むと決めれば気軽に始めやすい。徐々に読みたい欲が高まり、1ページが2ページ、5ページと増えることもある。

ニュースアプリの選択読み

ポイント:スマホのニュースアプリを開いたら、トピックス全体を流し見するのではなく、興味のある1記事を3分だけ集中して読む。見出しだけで流してしまうのを防ぎ、理解度を高める。

英単語アプリや語学アプリを起動

ポイント:通勤電車や待ち時間に1セクションだけ取り組む。1回3分でも、1日3回繰り返すと9分の学習になる。積み重ねが大きな力になる。

ボイスメモ学習

ポイント:移動中や家事の合間に、学んだことや気づきをスマホのボイスメモに吹き込む。暗記したい用語やポイントを自分の声で再確認できるので、定着が早い。

ビジネス系のYouTubeを“時短再生”で視聴

ポイント:2倍速で聴けば、6分の動画を3分で効率的に吸収できる。ポイント部分をメモすることで、アウトプット準備を同時に進める。

WEB辞書で“初めて聞いた言葉”を即検索

ポイント:会話やSNSで分からない単語や専門用語に遭遇したら、3分かけて辞書サイトを調べる。疑問をそのまま放置しないのがコツ。

Wikipediaの「おまかせ表示」で未知の知識を3分だけ読む

ポイント:ランダムで表示される記事を3分間集中して読んでみる。普段触れない分野の情報に出合えるので、新鮮なアイデアのきっかけになる。

4.インプットがもたらす本当のアウトプット


上記のようなインプットを習慣化すると、どのような変化が生まれるのでしょうか。たとえば、プレゼン資料を作成するとき、これまでなら自分の経験だけを頼りにしていた部分を、読書や調査で得た専門知識や事例を盛り込めるようになります。さらに、語学アプリを地道に続けたことで、海外のビジネスレポートにも目を通せるようになり、企画の幅が広がるかもしれません。
実体験をもとにしたアウトプットは、単なる寄せ集めの情報とは一線を画します。自分の言葉で語れるし、納得感をもってプレゼンや報告ができるため、周囲からの信頼度も自然と高まります。たとえば、「こういうデータがあるんですが、自分自身も試してみてこう感じました」という言い回しは、説得力がまるで違うはずです。
仕事は結局、どれだけの“中身”を提供できるかに尽きるとも言えます。忙しい社会人こそ、短時間のインプットを意図的に取り入れ、自己成長の種をまいておきたいところです。それは直接、企画書や提案書といったアウトプットの質に反映され、あなたのキャリアを後押しする大きな武器にもなるでしょう。

5.まとめ


インプットが足りていない状態でアウトプットを急ぐと、結局は空っぽの情報しか提供できず、相手にとって価値のある内容にならないリスクが高いものです。社会人の読書時間や学習時間のデータを見ても、忙しさやデジタルの誘惑などでインプットが不足しがちな現状は明らかでしょう。
だからこそ、たとえ1日3分でも、地道に知識を増やす習慣を持つことが重要です。
この記事で示した7つのインプット方法は、あくまで一例ですが、どれも少しの工夫で日常に取り入れやすいはずです。積み重ねれば大きな差を生み、アウトプットの質を高める大きな原動力となるでしょう。
最終的に、仕事での成果やコミュニケーション力、企画力などは「どれだけ充実したインプットを持っているか」に支えられます。

インプットなくしてアウトプットなし。

限られた時間の中でも、自分の成長と成果につながるよう、今日から3分だけでも始めてみませんか。あなたのアウトプットは、これまでとは違う深みと説得力を帯びてくるかもしれません。


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ロダン
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