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モンゴル食紀行/食思考 第7回 夏の御馳走と未然の欲望 太田充胤

モンゴル人の二つ目の好物は、ちょうどマンズシル寺院からNomad horse campに戻る途中に現れた。

相変わらずだだっぴろい草原の中を突っ切っていく道路の途中で、突然、車が左折する。当然ながらそこに左折路などない。車は草原に乗り出して、がくんがくんと二度揺れる。数十メートル先には、いくつかのゲルと放牧された牛馬が見えた。牧羊犬と思しき犬が、こちらに駆け寄りながら親しげに吠えている。

あそこに寄って買い物します、とムギさんがゲルのほうを指して言う。

車を降りると、牧場のようなにおいがする。牛のいないNomad horse campとはまた違った匂いだ。

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