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モンゴル食紀行/食思考 第4回 「概念」がない! 太田充胤

モンゴル3日目の朝。

我々はまたしてもホテルの朝食で「足りない」生野菜のブッフェを食べたあと、迎えの車に乗ってムギさんの乗馬キャンプ"Nomad horse camp"に向かった。


ウランバートル市街を抜けると、車窓の風景からはものの5分くらいでコンクリートが消え、見渡す限り草原という感じになる。時々牛が草をはんでいたり、車にはねられたと思しき馬が路肩で死んでいたりする。

1時間くらい走っただろうか。突然、何もないところでドライバーがウィンカーを点け、続けざまに左折する。200mほど先、草原のど真ん中に小さなゲル(モンゴル式のテント)が8つほど立っているのが見えた。ガタガタガタ、と音を立てながら、ドライバーは平気な顔で未舗装の草原に車を進める。たぶん四輪駆動ではなく、普通の二輪駆動だ。ワイルドである。

キャンプの手前50mくらいで車を降りると、一番大きなゲルの中から大男が出てきてこちらに手を振った。ムギさんだ。写真で見るのと同じ顔だったが、生で見ると写真よりもずっと大きく見える。身長は190m近くあるような気がする。

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