モンゴル食紀行/食思考 第9回 日本風に擬態したモンゴル料理、あるいは… 太田充胤
連載もそろそろ終わりに近づいてきた。
というか、もうそろそろ終わりにしようと思う、ということだ。モンゴルでの食事について書いていないことは、実はまだまだたくさんある。しかし、モンゴルを旅した日本人による「美味しい」を巡る考察は、ひとまずこのあたりでよいだろうという判断である。
連載を終えるにあたり、書いておきたいエピソードがあとふたつだけある。そのひとつは、モンゴルで一番美味しかった食事の話だ。
モンゴル食紀行と言いながら、ここまでの記事を振り返ると美味しかった食事の話がほとんど出てこない。このままではモンゴルでの食紀行が辛く苦しいだけのものであったかのようになってしまう。いや、実際はそうではない。実は我々は、Nomad horsecampeで過ごした日々にはけっこう美味いものを食べていたのである。
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