モンゴル食紀行/食思考 第3回 充たされざる日本人 太田充胤
連載ももう第3回になるが、我々はいまだに初日の夜に到着したホテルを出発して いない。こんな遅々としたペースで進むことになるとは思っていなかった。余計な話ばかりしているせいかもしれないが、今回も余計な話から始めなければならない。
9月1日。ホテルに着いた翌日の朝、率直に言ってあまり満足のいかない朝食ブッフェを経験した我々は、部屋に戻ってモンゴルの飲食店事情について、とりわけごく最近になってモンゴルを訪れた日本人がいったい何を食べていたのか、もう一度リサーチした。わかったことは、食事について絶望的な感想を述べていない日本人が食べていたのは、ロシア・東欧料理や中華料理だったということだ。隣接する大国からの侵食は、今日になってようやく食領域にも及んでいるらしい。
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