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批評観光誌『LOCUST』の有料マガジンです。 毎月、LOCUST編集部を中心とした執筆人が、コラム・エッセイ・マンガ・小説などを寄稿します。 豪華ゲストによる寄稿、著名人へのイ…
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2020年10月の記事一覧

LOCUST コンテンツガイド(音声3) Adrianne Lenker『Songs』 『Instruments』 伏見 瞬

知ってる人には釈迦に説法だが、The Big Thiefが昨年立て続けに発表した二作のアルバム『U.F.O.F』『Two Hands』は大いに評価されたし、個人的にも最高だった。2015年にニューヨーク、ブルックリンで結成されたこの4人組は、2000年代後半のブルックリンのインディーシーンの盛り上がりが収束した後の無風の状況において、例外的な成功を収めた(ただ、外からの盛り上がりを欠いているとはいえ、当時のシーンにいたミュージシャンたちは今も優れた作品を残し続けている)。

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【参加募集】第5回共喰い会 開催のお知らせ

こんばんは。LOCUST編集部です。 第5回共喰い会開催のお知らせです! 今回の課題図書選定者、南島興からのコメントです。

LOCUSTコンテンツガイド(映像4)黒沢清『スパイの妻』 伏見 瞬

『スパイの妻』が物足りなかった理由を考えている。 いや、普通に考えれば「周りの人間の評価がめっちゃ高かった分、期待値上がりすぎてた」が理由だしそれで間違いないのだが、それだけではない。 黒沢清が監督した映画には、常に理解不能さがつきまとう。何故主人公はこの行動を取ったのか、何故急にあの男が現れたのかといった因果が説明されないことが多々ある。観客はそれを受け入れて映画を観続けるしかない。不親切で、物語への移入を許さないのが黒沢清だ。そして、理解不能さと映像的強度が掛け合わされる

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LOCUSTコンテンツガイド (映像3) クリストファー・ノーラン『TENET』 イトウモ

 時間軸シャッフル、崩壊した夫婦生活、世界の終わり、一人の男の憂鬱。『フォロウィング』(1998)でデビュー以来、クリストファー・ノーランはほとんど同じテーマを使いまわしてきた。使いまわすというよりも、ノーラン自身が、どの作品も同じテーマになってしまう作家性としてノーラン自身のブランドを作ってきた。職人気質よりも、エゴの強い監督だったと言っていいだろう。こういう作家は、一つ満足のいくものを撮ってしまうとそれで一気に活力を失ってしまうこともしばしばだが、その満足らしき大作、構想

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終わる世界の終わりなき日常――#7 終わりある日常 灰ミちゃん

高いところから飛び降りることを想像することが日に日に増えてきた。でも本当に死にたいわけじゃない、と思う。 メンタルクリニックでもらった薬を飲んでいるおかげでOCDの症状はおさまっているけれど、日々、今までなかった想像が溢れ出ている。薬のせいなのか環境のせいなのかはわからない。 わたしは今は恋人もいないし気軽に会えるような友達もほとんどいない。 なんとか身体を売りつつ音大の大学院に行っているが音楽の方はあまりうまくいっておらず将来どうなるかもわからない。 ちゃんと交友関係を作

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