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社長がChatGPTと対談してみたら面白かった。AIの実力をどう感じたか。

こんにちは。位置情報ベンチャーLocationMind社長の桐谷直毅です。今日は流行りのChatGPTを使ってみようと思います。生成系AIで世界が変わるのは間違いないと他の社長さん方と意見交換をしています。実際、ChatGPTと会話してどうだったのか?思う所を社長目線で書いてみました。

Hello ChatGPT

まずはChatGPTに自己紹介をしよう!ChatGPTさんは私のことをご存じなんでしょうか(笑)私はLocationMindの社長をしているのですが、それを認知してくれているかを聞いてみよう。知っててくれると嬉しい!
 ということで、『桐谷直毅とスタートアップの関係を教えて下さい』と聞いてみました。

【ChatGPTの回答】
桐谷直毅(きりたに なおき)さんは、日本の実業家・投資家です。以下は、桐谷さんが関わったスタートアップ企業の一部です。

メルカリ:モバイルフリマアプリで、地元のコミュニティで商品の売買ができます。桐谷さんは、メルカリジャパンのCEOでした。

freee:中小企業向けのオンライン会計ソフトウェアです。桐谷さんは、同社を共同設立し、CEOを務めました。

Wantedly:共有の価値観やミッションに基づいて、求職者と企業をつなぐ日本の求人検索プラットフォームです。桐谷さんは、同社の早期投資家の1人でした。

LocationMind:日本のロケーションデータプラットフォームで、リアルタイムの位置情報データを提供して、企業のマーケティングや広告の効果を高めます。桐谷さんは、同社の創業者兼CEOです。

なお、上記の情報は公式発表などから収集したものであり、変更されている可能性があります。

ChatGPT as of 2023/03/28

 なんと!私がこんな凄い人間だったなんて!と言いたいところなのですが、一番下のLocationMindの部分以外は事実ではありません。メルカリやfreeeやWantedlyの業務内容は、私の知識のかぎりでは的を得ているのですが、なぜ桐谷がこれらの社長とか共同創業者になっているのかは謎。信じる人はそうそう居ないと思いますが、こういう文章が出てきたときに信じがちな人にはちょっと困った社会が目の前に迫っています。
 ChatGPTはWeb全体から学習しているため、悲しいことに桐谷が無名であるがため(涙)、桐谷に対する構造的なデータ(桐谷直毅=LocationMindの社長、とChatGPTが強い確信を持つためのデータ)がまだWeb上に無いということが問題でこういう事が起きます。個人的にはこれが生成系の弱点だと思っていて、事実関係に関する品質が劣悪なコンテンツが広がるのを止められない気がします。
 一方で、これをチューニングしていくことで世の中が飛躍的に便利になる世界観も強く信じることができます。『桐谷直毅=LocationMindの社長』だとChatGPTに教えてあげればいいのですからね。また、例えばElon MuskやBill Gatesを題材に同じ質問をすると正確さがハネあがるのも確認していて、ひとえにこれらの偉人たちは知名度が高く、世の中で正しく信頼できるデータがWebに充実しているからこそです。

位置情報は何に使われてますか?

気を取り直して、次の質問は『位置情報は何に使われてますか?』です。ChatGPTさんはどう回答するのでしょうか?

ナビゲーション:GPSを使用した地図アプリやカーナビなどで、現在地や目的地の位置情報を表示してルート案内をします。

広告ターゲティング:位置情報を利用して、現在いる場所や居住地などからユーザーに適切な広告を表示します。

災害情報:災害時には、位置情報を利用して被災者の安否確認や避難場所の案内などに役立てられます。

営業支援:営業担当者が現在地から近い顧客を探し出し、直接訪問することができます。

ロケーションサービス:店舗や施設などのロケーションサービスにより、周辺情報やお得な情報を提供することができます。

など、位置情報は多岐にわたる用途で利用され、今後もますます重要性が高まっていくことが予想されています。

ChatGPT as of 2023/03/28

これは悪くない気がします。確かにこれらで使われていると思います。どれもかなり違うビジネスであるということが面白いし、データ分析者としては色んな違う技術が絡んでいてそれもまた面白いなとも感じます。日々の営みを便利にするものから、命に係わるようなものまで様々に位置情報は使われています。

GPS受信機は毎年どのくらい販売されていますか?

この質問については、私の想定では、25億台という数字が説得的かなぁとは思っていましたが、ChatGPTさんはどう答えるかな?

GPS受信機の販売台数は、多様な種類のGPSデバイスを含むため、正確な数値を把握することは困難です。ただし、以下にいくつかの代表的なGPSデバイスの販売台数について説明します。

スマートフォンは、GPSチップを搭載しているため、GPSデバイスの一種と見なすことができます。IDCによると、2021年には、世界中で約12億5,000万台のスマートフォンが出荷されました。これにはGPSチップを搭載しているスマートフォンも含まれています。

また、自動車向けのナビゲーションシステムもGPSデバイスの一種であり、車両に搭載されたGPSナビゲーションシステムの販売台数は、年間数百万台に上ると見られています。

さらに、アウトドアやスポーツ用途に使用されるGPSデバイス、たとえばランニングウォッチやサイクリングコンピューター、GPS搭載のカメラやドローンなどの市場も存在しています。

以上のように、GPSデバイスの種類によって販売台数は異なりますが、スマートフォンなどのGPSチップを搭載したデバイスを含めると、数十億台に上ると考えられます。

ChatGPT as of 2023/03/28

前置きでお断りを入れつつ、情報ソースも示して記載しています。文章の書き方としては好感が持てます。スマートフォンがGPS搭載機器のうち最大シェアを占めていると私も考えていますので、情報の出し方としても何か整理されている印象を受けます。次いで自動車ですが、年間数百万台という推定は正しいのかどうかでいえば、ちょっと下ブレしている気もします。ですが、スマートフォンの次に自動車が来ているのも台数ベースでは良い整理だと感じますのでやはりここも素晴らしいですよね。結論までいくと、数十億台あるのではないかとしています。数十億と言うと10億台~90億台などと幅が出る表現となりますが、上記の流れから推論して20~30億台という推定を出してきたらChatGPTがいよいよ凄いなという気もしました。

秋葉原の昼間人口はどの程度ですか?

 LocationMindは人流分析の会社です。これをChatGPTがちゃんと答えられるようになったらちょっと脅威ですが、果たしてどういう答えになるのでしょうか。

秋葉原は、東京都千代田区にある電気街として知られ、多数の電気製品店やコンピューター関連の専門店、アニメやマンガグッズ店などが立ち並ぶ繁華街です。そのため、一日を通じて多くの人々が訪れます。

一般的に、秋葉原の昼間人口は平日には約20万人、週末には約30万人と推定されています。特に、土曜日や日曜日には、観光客や趣味の興味を持つ人々などが多数訪れるため、非常に混雑することがあります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響により、最近は観光客や外出自粛の影響により、昼間人口は減少していると考えられます。

ChatGPT as of 2023/03/28

 とてもそれっぽいですね。前段の下りなどはLocationMindでも取り入れると親切だなと思うくらいです。昼間人口が平日に20万人、週末に30万人というのも具体的で良い回答案だなと思いました。コロナで自粛しているという文脈はおそらく執筆時現在では、まだ2021年までの学習しかしていないということで2023年の文脈と沿わないものもあると思いますから割り引きます。一方で、何を根拠にこう表現するのかなと思ったので、さらに質問してみました。

秋葉原の昼間人口はどの程度ですか。ソースも示して下さい

 更に深く聞いてみたのですが、ちょっと反応が面白かった。

前回の回答で誤った情報を提供してしまい、申し訳ありませんでした。調査によって異なる数字が示されるため、正確な数字を把握することは困難ですが、以下の情報を参考にしてください。

秋葉原は東京都千代田区にある、電気街やアニメ、マンガ、ゲームの聖地として知られています。日本政府観光局のウェブサイト「Japan Travel」によると、秋葉原駅周辺地域の昼間人口は平日に約30万人、土日祝日には50万人以上に達するとされています。

また、東京都のホームページに掲載された「平成30年東京都区市町村別世帯数・人口」によれば、千代田区秋葉原地区(一丁目から四丁目)の人口は、2018年1月1日時点で12,498人でした。

以上の情報から、秋葉原の昼間人口については数字にばらつきがあるものの、平日には数十万人、週末にはそれ以上の人々が訪れることが分かります。

【参考文献】Japan Travel「秋葉原」 https://www.japan.travel/ja/jpdestinations/kanto/tokyo/akihabara/
東京都「平成30年東京都区市町村別世帯数・人口」 https://www.toukei.metro.tokyo.lg.jp/kusei/2018/kusei/data/ku/02/01112.xls

ChatGPT as of 2023/03/28

 回答が変わりました。それを謝れるのです、それがまず凄い。回答としては1.5倍くらい変動しましたので確認しなかったら私は不満な結果になっていたかもしれません。その代わりにソースまで示されました。多分ChatGPTがへの質問としては、こちらの方が良い回答が得られそうだということで、生成AIとの付き合い方は質問の仕方が大事そうですね。
 とはいえ、1.5倍も推定値が変わるものかで言われれば、人流分析では事業者によってそのくらい差が出てもおかしくないとは思います。簡単な分析では差が出づらいですが、込み入った分析になってくると推定能力に技術力の差が出始めます。もうちょっとだけ質問してみましょうか。

秋葉原の昼間人口は、ゴールデンウィークの場合、どの程度ですか。ソースも示して下さい

 先ほどの人流データは、通年の代表的な、平均値のようなデータなのだと思います。すると、ゴールデンウィークなど普段とは人出が異なりそうな日にはこの数字は参考になりません。ということで、観光のハイシーズンは地域によって色々とありえますが、これは人気のある分析テーマです。ChatGPTさんの回答はいかに:

秋葉原の昼間人口について、ゴールデンウィークの場合の正確な数字を示すソースは見つかりませんでしたが、以下の情報を参考にしてください。

ゴールデンウィークは、日本国内で長期連休となる期間であり、多くの人々が旅行や外出を楽しむことが予想されます。そのため、秋葉原も多くの観光客や地元の人々が訪れることが予想されます。

日本政府観光局のウェブサイト「Japan Travel」によると、秋葉原駅周辺地域の昼間人口は、ゴールデンウィーク期間中には平日に比べて10~20%程度増加するとされています。また、秋葉原を訪れる外国人観光客も多く、2019年のゴールデンウィーク期間中には、秋葉原で外国人観光客が訪れるお店の売り上げが前年同期比で約30%増加したと報じられています。

以上の情報から、ゴールデンウィーク期間中の秋葉原の昼間人口は平日に比べて増加すると考えられますが、具体的な数字については確認できませんでした。

【参考文献】Japan Travel「秋葉原」 https://www.japan.travel/ja/jpdestinations/kanto/tokyo/akihabara/
日経クロストレンド「外国人観光客が秋葉原でショッピング、外貨受け入れ急増」(2019年5月17日) https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00349/00002/

ChatGPT as of 2023/03/28

 ありえそうな回答ですね。ここでURLを確認してみようかなと思いクリックしてみたのですが、URLが切れてて記事がもうありませんでした。ということで誰がどう分析してそういう結論を出していたのかを今私が知ることはできません(その気になれば、日経のバックナンバーを取り寄せればいいのでしょうけれども)。Webから情報が消えていくことは少なくなく、記事もCMも色んなものがアーカイブされず去っていく。この期間中に学習したAIと、この期間後に学習したAIとでは違う結果が出てくる、或いはこうした推計もできないAIが出てくる。という具合に色々考えさせられます。

ゴールデンウィークに昼間人口が落ちる都市を2~3事例教えて下さい

 この質問は、ChatGPTが劣っていると私が思ったケースです。

一般的に、ゴールデンウィーク期間中は日本全国的に観光地や商業地域が混雑する傾向があり、昼間人口が増加することが予想されます。しかし、一部の都市や地域ではゴールデンウィークに昼間人口が落ち込む場合もあります。以下に、そのような都市の例をいくつか挙げます。

札幌市(北海道) 札幌市は、ゴールデンウィーク期間中は通常の観光シーズンである夏季や冬季に比べて、昼間人口が落ち込むことが知られています。これは、北海道内外からの観光客が少ないことや、地元の人々が外出を控える傾向があることが原因とされています。

津市(三重県) 津市は、伊勢神宮があるため通常は多くの観光客が訪れますが、ゴールデンウィーク期間中は人出が減少するという傾向があります。これは、伊勢神宮の神事によって観光客が敬遠する傾向があるためと考えられています。

大島町(東京都) 大島町は、伊豆諸島の中でも特に人口が少ない地域の一つであり、ゴールデンウィーク期間中は昼間人口が落ち込むとされています。これは、遠隔地であるため観光客が少ないことや、地元の人々が外出を控える傾向があることが原因とされています。

以上のように、ゴールデンウィーク期間中に昼間人口が落ち込む都市や地域はありますが、全体的には増加する傾向にあると言えます。

ChatGPT

 実際にこれらの地域で人口が増減したかは別にして。私は人流分析をして、人が増減したのは確認できますが、その理由付けをするのがいつも大変です。日本全国について知識があるわけではないし、観光業の第一人者でもありません。こうして人が減る理由を提案してくる能力があるのはやはり面白いし、誰かしらがこういう記載をしているからこそ生成AIがこうまとめているわけです。これを素案として、事実を確認するという使い方をすれば相当な時間が削減しえるだろうなと強く感じます。
 また、LocationMindは人流分析が出来る会社なので、ゴールデンウィークに実際に人口が減った地域がわかります。それを用いて、なぜこの地域では人口が減ったと思うかとChatGPTに聞けば良いですね。実際の人口が何人だったか、いつもに比べてどのくらい減ったのか、どこから来た人が減ったのか、どの交通手段経由の人口流入が振るわなかったのか、などという分析は提供できますが、それぞれの裏にはそれらしい定性的な説明があると、よりリッチです。
 前職のゴールドマン・サックスの時代に、お客様の株価を見て、過去に何で上がったのか下がったのかと過去を振り返って分析したりします。その時期にあった大きなニュースを探すのですが、多分こういう理由で株価が反応したんだなと推定します。株価のデータは昨今無償で色んなところで手に入るので、その理由を探ればいいわけでして、こういうものはChatGPTですぐ自動化できるはずです。一方で、人流データのように、誰かが分析しないと数字すらないものは、「売れるデータ」として価値があるし、ChatGPTとデータを接続する価値もまた高いと思います。推定人口が20万人と30万人とでは、だいぶ大きな違いだという点は、皆様に納得頂けると思います。

位置情報の生成AI

 LocationMindでは過去数年、位置情報でも生成系があるだろうと萌芽的研究を重ねてきました。基盤となるモデルを確立すれば、次の位置情報をInputしたときには、それが10通りの示唆を生成したり、数多くの人の参考になるようなコンテンツとして自然言語で表現されるような世界観があると感じて研究しています。これも発表できるよう引き続き頑張ってみたいと考えています。

最後に

 ChatGPTは世の中が大きく変わることを強くイメージしうる、面白い技術だと思います。何度もほしい情報を検索することすら必要なくて、ChatGPT上で情報を詰めて、回答案も成形してもえるとなると、何人かのチームが手に入ったかのような感覚で仕事が楽になるかも知れません。ただし、Factに関しては堂々と間違える点が怖いとも感じます。このあたりのチューニングは必ず方法論が確立すると思います。画像処理系のAIにせよ自分がほしい精度に向上するように追加の機械学習を行えるような仕組みになっていました。ここに正しい位置情報分析結果が参照されるように関わっていけると、より人流データを身近に使ってもらいやすくなるような優れた共存がある気がしてなりません。日進月歩の技術なので今の評価が半年後に妥当ではなくなっている可能性も含めてワクワクしたChatGPTとの対話でした。しかしまだまだ社長の座はChatGPTに奪われることはなさそうですね。

それでは、次の記事でまたお会いしましょう。

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