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ローカルライターとは? 仕事の内容や書く媒体

はじめまして、ローカルライターの鈴木俊輔です。
このブログでは、「ローカルライターの仕事」や「地方での暮らし」をテーマに、私自身が経験したことや感じたことをシェアしていきます。
時々、テーマから脱線するかもしれませんが、どうかゆるくお付き合いください。
今回は自己紹介を兼ねて、「ローカルライターとは何か?」について書きたいと思います。


ローカルライターとは?

「ローカルライター」という言葉は、「ローカルライター募集」「ローカルライター養成講座」などの文脈で使われていますが、肩書きとして名乗っている人は見たことがありません。
ローカルライターを直訳すれば、「地元のライター」。なんとなく意味は分かるものの、いまいち具体的なイメージがわかないかもしれません。というのも、ローカルライターに明確な定義はなく、職業ジャンルとして存在しているわけでもないからです。
私は2019年から長野県でローカルライターとして活動していますが、自分の中では次のように定義しています。
「地域の魅力やそこで暮らす人たちの思いを現地から発信する仕事」

具体的な仕事内容を挙げるのが一番分かりやすいので、私の活動を紹介しながらローカルライターの仕事について見ていきましょう。

ローカルライターの仕事内容

ローカルライターは地域に根ざして活動するライターですが、書く媒体は大きく次の2つに分けられます。

①地元の媒体
②都会の媒体

①は、地方紙や地元の情報誌などがこれに該当します。私の住む長野県でいえば、日刊紙の「信濃毎日新聞」や月刊のタウン情報誌「長野Komachi」などがあります。主な読者層は、地元に住む人です。
②は、東京などの都市部に拠点を置く会社が運営するメディアです。旅行や食、ライフスタイルなどがテーマの媒体を扱う出版社やオウンドメディアを運営する会社が該当します。主な読者層は、都会に住む人です。
①と②では発信元と発信先が異なりますが、地域の人やことについて書く点では共通しています。
私の場合、都会の媒体と地元の媒体の比率は、7:3くらいで、年々、都会の媒体の仕事の割合が多くなっています。

地元の媒体

私のローカルライターの活動は、地元の媒体をメインに始めました。「大糸タイムス」という北アルプス山麓エリアのニュースを扱うローカル新聞のリポーター(契約記者)として、約2年半活動。その後は、「北アルプス経済新聞」というWEBサイトの副編集長として、北アルプス地域のニュースを地域内外に発信していました。現在では、行政の情報発信のお手伝いなどもしています。

都会の媒体

私が現在執筆している主な媒体は下記です。

  • 「山と溪谷オンライン」(登山情報サイト)

  • 「TURNS」(移住がテーマのローカルライフマガジン)

  • 「m3.com」(日本最大級の医療従事者専用サイト)

他にも、旅と手仕事にフォーカスしたWEBマガジンや、新規就農を目指す人のための農業ポータルサイトなどでも書いていて、いずれもオンラインメディアです。ある分野に特化しているわけではなくジャンルはいろいろですが、長野県や近隣県でのインタビュー記事をメインに書いています。
編集部から取材の依頼をもらって書くことが多いですが、自分でネタを探して編集部に提案して書くこともあります。また、取材にカメラマンが同行して記事だけ書くこともあれば、自分で撮影まで行うこともあります。撮影については、インタビュイー(取材を受ける人)のポートレイトを撮ることが多いです。

愛用しているペンとノート

なぜ地方に移住したのか?

私がいま活動しているのは長野県池田町で、ちょうど松本市と白馬村の間に位置しています。この辺りの地域は北アルプスの麓にあるので、「北アルプス地域」と呼ばれています。
元の生まれは神奈川県で、長野県に移住するまでは東京の出版社で、鉄道・旅行情報ポータルサイトの編集などを行っていました。元々、書くことや読むことが好きで出版社に入社したのですが、7年間の会社員生活の中で部署移動も多く、編集に携われない状況が続きました。

地方移住を考えたのには色々な理由がありましたが、一番は「好きな仕事で自由に愉しく生きたい」という思いからでした。まだその時点ではライターになろうとは考えておらず、コミュニティカフェを開いて、いろいろなスモールビジネスを組み合わせた働き方を構想していました。
学生時代からバックパックを背負ってあちこちを旅していたこともあり、地方で暮らすのも楽しそうだなと感じていました。妻とも相談し、自然の近くで自分たちの身の丈に合ったライフスタイルを送りたいと長野県への移住を決意。次の仕事が決まらないまま会社を退職し、移住地探しの旅に出て、その中で出合ったのが池田町でした。
2015年に移住して、地域おこし協力隊に着任。3年半の任期(うち半年間は育児休業)を終えて、ローカルライターとして起業しました。

活動拠点の北アルプス地域

ローカルライターになったきっかけ

ローカルライターになろうと思ったのには、いくつかのきっかけがありました。
一つは、隊員任期中に先述したローカル新聞のライター募集の情報を他の隊員からおしえてもらい応募したことでした。地域のイベントなどを取材して記事にする仕事で、副業として始めてみると面白く、やりがいを感じました。自分で企画提案した野菜をテーマにした連載コラムも、読んだ方から「楽しみにしてるよ」と声を掛けてもらうことがあり、モチベーションにつながりました。新聞記者は写真を撮るのも仕事なので、出版社時代の友人から一眼レフカメラを借りて撮影も始めました。

もう一つのきっかけは、当時在籍していた町役場から移住者インタビューの打診を受けたことです。特産品開発という別の分野で活動していた私にどうして声がかかったのかは分かりませんが、「ちょっと面白そうだな」と思い引き受けました。何人かインタビューした方の中で、ある方の奥さんから「記事を読んだけど、うちの夫そのまんま。あなた書く才能があるよ」と言われて驚きました。というのも、それまで自分にとって書くことは特別なスキルだとは思っていなかったからです。意外な言葉をもらい、「これはひょっとすると仕事になるかも」と思った瞬間でした。

仕事に悩んだ20代を経て、新たな可能性を求めて30歳で地方に移住し、かなり遠回りをして見つけたライターという仕事。初めからたくさん仕事があったわけではありませんが、書けば書くほど面白く、これほど素晴らしい仕事はないと思うようになりました。一生続けてもよいと思えるような仕事を天職と呼ぶならば、自分にとっての天職は「書くこと」だと思っています。「自分の好きなこと、得意なことを活かして、地域の役に立ちたい」。それが私がローカルライターになった理由です。

半分以上は私の自己紹介でしたが、なんとなくローカルライターという仕事について理解していただけたでしょうか。
次回以降で、ローカルライターの役割やこの仕事の魅力などを紹介します。


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