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d&d山梨閉店について

外部への情報開示は本日からと言われてたからずっと黙ってましたが、なぜかみんな閉店を知っていて情報ダダ漏れじゃねえかと呆れている大木です笑。

青天の霹靂!

2013年6月にオープンしたd&d山梨店は今年7周年です。が、本日新聞で発表されたとおり6月30日で閉店となりました。

ちなみに今回の閉店は、ぼくも青天の霹靂で今月(5月)に連絡(メールと電話)があり「6月末でD本部との契約を解約するのでお店閉めます」と事後報告でした笑。ちなみに未だ会社(YBS)の人とは直接お話ししていません笑(ショップのみなさんには心配してもらってます)。新型コロナの対応だけでも手一杯なのに、突然梯子を外されたような形となり、7年間共にやってきた会社に敬意を感じない失礼な閉じ方だよな〜笑と正直少しムカついたけれど、ムカついてる暇もないし、新型コロナとかの影響もあってYBSさんもいろいろ大変なんだろうなと思うようにしたので次行ってみようって感じです。お店を維持運営していくというのはタダでは無いし、多くのスタッフがいてこそなのだから、可能であれば半年くらい前から相談して欲しかったなぁ。迷惑かけるうちのスタッフたちに本当に申し訳がありません。

7年前のd&d山梨店立ち上げの経緯

家賃に苦しんで儲からなかったお店だけれど笑、積み上げてきたものがなくなるのは寂しい。忘れないようにd&d山梨を立ち上げた経緯をぼくの視点から記録しておきます。

D&DEPARTMENTのナガオカさんとは、このお店を始める前からお友達で、よくうちのお店(FourHeartsCafe)にも遊びに来てくれていました。そんな縁もあって山梨のトラベルガイド『d design travel』をナガオカさんたちがつくりたいって言った時も、山梨の物産の情報発信を考えていた当時の県庁の方々などをつなげたりしてました。その後ナガオカさんから山梨にお店をつくりたいけれども場所探しが難航しているという話を聞きました。

一方で2012年当時、山梨日日新聞社(以下YBS)は140周年に向けて何か記念事業を考えていました。また、当時まだ何も使っていない閉じたままの会議室だった場所をどう活用するか?という話も出ていてYBSの人(何の権限もない人w)に「大木さんお店やらない?」と冗談半分で声をかけられていました。そこで、ナガオカさんに話をして、YBSの権限のある方々とつなぐことでd&d山梨店の話がスタートしました。ちなみにこのとき自分がここでお店をやるとはこれっぽっちも考えていませんでした。なぜならこの話進めている当時の甲府駅北口は、今とは違っていて図書館もNHKも広場もなければ人もまばらで、こんなところで商売なんて考えられなかったですからね笑。ぼくも自分の力を知ってるので人のいない甲府駅北口に、人の流れつくるならカフェ部分はスタバとか山梨県民なら誰でも知ってるお店にしたほうがいいっすよと言ってましたから笑。

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なぜ人のいないところにお店をつくるのか?

では、そんな状況なのになぜお店をやろうと思ったのか?
①ぼくは甲府駅から程近い武田の生まれです。甲府駅北口の惨状はよ〜くわかっていました。それでもこの街を今後も使っていくならば、少しでも人の流れを変え、魅力的な街へと誰かが変えていかなければならない。これが一番の想いです。誰かがスタートさせ、維持し続けることで、後に続く人たちのハードルが下がり、集積が起こり、街に変化の兆しが見えてくるからです。だからこそ「スタートさせ、それを維持し続ける」これが大事なのです。

②もう一つの動機は、山梨で物づくりをしている人たちにとってとても良い商品の出口を用意できるのではないか?と思ったことです。2012年当時渋谷のヒカリエがオープンし、そこにナガオカさんのd&dが入っていました。そこと直結できるのです。d&d山梨と関係ある人や山梨の物産が繋がりやすくなるのは当然でしょう?自分が高い家賃をYBSに支払いさえすれば実現できるからやっちまえと思ったのです(良い子の皆さんはマネしないように本当に苦しいから)。後で家賃は交渉するからという条件で…今となってはこの辺も勉強になったなあ…笑

文化とは「自分たちこそが文化の灯火を育む者である」という気概

何十年もかけてまちをダメにしてきたものが一気に良くなることなどそうはありません。コツコツと時間をかけて育てていくしかないのです。それこそが「文化を育む」ことだと思っています。d&d山梨がある建物は「山梨文化会館」と言います。世界的建築家 丹下健三氏に依頼し、これを建てた人たちの「山梨の文化拠点とする」気概と未来への展望を感じる一大事業です。この建物を見ていると文化とは「自分たちこそが文化の灯火を育む者である」という一人一人の気概であるように感じます。
山交百貨店の閉店や新型コロナウイルスなど甲府駅周辺では暗雲低迷の時期のいまだからこそ、希望を照らすべき存在でありたかったし、この「山梨文化会館」の名にかけてそうでなければならないのに…ホント残念で仕方ない。

しかし、このお店によって繋がった人たちが、山梨のみならず全国でこの新型コロナに翻弄されながらも気概を持ってその街の、様々な業界の文化を育てています。場としての灯火は消えますが、スピリットとしての灯火は種火となってたくさんの人たちの心の中で生き続けると思います。応援してくれたお客さま、お世話になったみなさま、歴代スタッフのみなさま7年間ありがとうございました。最後まで心配してくれて看板外しても何とか形を残そうとしてくれたナガオカさんありがとうございました。YBSの皆さんにも大変お世話になりました。今月でさらばです。

オレは苦しいけれども普通に生きてますので新型コロナに屈したとか悪い噂を流さないでください笑。やめるって言われたら出ていくしかないので笑。
大波乱の創業20周年の年となったうちのお店。無事にその日を迎えることがはたしてできるのであろうか!なかなかドラマチックな展開でご本人もびっくりです笑。
さて、今度は人のためではなく自分のためになることがしたいなぁ笑笑。

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