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「はなわ式ご当地ソング」が地方を救いまくっている
「佐賀県」などで知られる、はなわさんが作詞作曲する「OK!岡山」のMVがリリースされました。歌は、岡山市出身のユニット「angela」です。
はなわさんは、代表曲「佐賀県」のリリース以降、日本各地の歌を作って、ご当地ソングメーカーとして不動の地位を築いています。
過去の曲も聞いてみて「はなわ式ご当地ソング」は、アピールできるものが少ない地域にとって、救世主のような革命的なフォーマットというお話です。
はなわ式ご当地ソング
はなわさんが今まで手がけたご当地ソングは、こんな感じ。本人の曲じゃなくて、楽曲提供みたいなのもあります。
佐賀県
埼玉県
千葉県
大阪府
岡山県岡山市
茨城県八千代町
愛知県高原・奥三河
かつて動画が公開されていたようですが、今は発見できず…。
記事のみのご紹介ですが、めっちゃ聞きたいよ。
その他
オフィシャル音源はないんだけど、他にも「神奈川県」「茨城県」「長野県」なんかもあります。
おらが街を笑いとばす歌
これら「はなわ式ご当地ソング」には、共通する特徴があります。
①自虐的・ネタ的に地域を歌う
②まゆつば物の都市伝説的なエピソードも盛り込む
特に①。
これはほんと革命的。ゲームチェンジ。
「佐賀県」のリリース以前、ご当地ソングで、地域は人間ドラマの舞台として描かれていました。
例えば
・新潟の日本海を見ながら別れた人を想う
・育った町に残してきた両親を想う
とかとか。
歌が描くドラマを通じて、地域の自然や文化が知れわたって、その結果として、地域は「憧れ」や「共感」の対象になっていきました。
しかし「佐賀県」では、地域の足りないところを笑い飛ばします。
「いや、そこまではないでしょ」
「それはひどい…」
まゆつば物で、都市伝説じみた内容もあるけど。
これは憧れではないし、共感とも違う。
誇れるものがないことを笑い飛ばす。
持たざる地域だからこそ出来る、唯一無二のスタイルです。
芸人が言うなら笑っていい
「佐賀県」からはじまった「はなわ式ご当地ソング」。
このフォーマットは、はなわさんじゃないと成り立ちにくいフォーマットなんですよね。
・「はなわの佐賀県」が知れ渡っている。
・芸人でありミュージシャンだからこそ「笑っていい歌」になる。
「芸人」であることが。けっこう重要なんですよね。
通常のミュージシャンが故郷をいじる歌を歌っても笑っていいテンションなのか、分からなかったりするのよ。
その意味で「はなわ式ご当地ソング」は誰でも歌えるわけじゃない。結果、はなわさんにオファーが集中し、総取りという事かもしれません。
このフォーマットを使いこなしているのは、コミックバンドとしても名が通り、関西色の強い「ヤバイTシャツ屋さん」くらいではないだろうか。
当事者か言うなら笑っていい
もひとつ、笑っていいと思わせるためには、「当事者」であることが重要だったりします。
よそ者がいなかをいじると、バカにしているみたいで感じがわるくて笑いにくいでしょ?
なので、当事者による自虐ネタであることを示すために、「僕は当事者です!」というフレーズが、免罪符的に盛り込まれているケースが結構あります。
僕の故郷は佐賀だけど
実は小2まで我孫子に住んでた
僕の故郷は佐賀県だけど
実は生まれた場所は春日部
かくいう僕も京都生まれ
ただほとんど宇治市で過ごしました
ここまで配慮しないといけないのか。
気持ちよく笑ってもらうって難しい。
※ ※ ※
登場から20年経った今でも色あせない「はなわ式ご当地ソング」
アピールできるものが少ない、誇れるものがない地域だからこそ歌える一発逆転・起死回生のスタイルなんですよね。
見かけたら、是非!是非!タレコミをお願いします。
【岐阜ミーチャンス/流れ星】
はなわ式ご当地ソングとちょっと違うけど、芸人の地元ソングは魅力的です。