ずっときっとエポックメイキング
BEAT CRUSADERSがメジャーデビュー20周年ということでPVを公式でアップしていくらしい。
とりあえず1発目はJAPANESE GIRLだった。
ーーーーーーー
ビークルが人生で1番聴いているバンドand曲な俺がビークルと最初に出会ったのは2007年だから実は結構バンド活動と比較するととても短い。
当時中学二年生だった俺は、漠然と何者かになれないか、なれないなみたいな中で生きていた。その時期にMDコンポを手に入れた。欲しいものはないかと聞かれて、あの時なぜか買って貰った。別に音楽に興味なんて全くと言っていいほどなかった。
コンポではラジオが聞けた。最初は家にあったモンパチとか親の趣味なのかのCDを聴いたりしていたけど結局機能としてついていたラジオを聞き始めた。地方のローカルなラジオとか深夜11時からのレコメンとか。FMだとスクール・オブ・ロックとか。調べたらまだやってた。いちまで未来の鍵を握るレイディオをやっているんだ。スクール・オブ・ロックは当時ガラケー等の掲示板を自分で立てて、そこに質問とか雑談をリスナー同士いつでもできる激アツ馴れ合いコンテンツに近いものもあった。もちろん俺もそこにいた。
そんな中、寝れなかった俺は深夜1時を過ぎて聞こえるラジオに耳を傾けていた。
オールナイトニッポン。
当時は99とくりぃむしちゅーをMDに録音して次の週が来るまでカスカスに聞いてまた録音してを繰り返していた。火曜日と木曜日は死にそうな顔で中学校へ向かっていたと思う。
テレビの新聞欄と違い、ラジオの新聞欄はかなり小さく、その番組名を端折って書いてあるだけで片隅あるだけだった。特に地方の1局しかない場所では深夜1時は「オールナイトニッポン」の記述があるだけだった。だからたまたま99もくりぃむもその時たまたま知ってる声だ!ってなって聞き始めたのが最初だった。
なので誰がやってるかわからない曜日もあった。今のオールナイトニッポンは横のつながりがぼちぼちあるがあのときはあまりなく、せいぜいニッポン放送の企画でちょっと集まるくらいだったと思う。
月曜日になんとなく誰がやっているんだろうと、耳を傾けると。
「ビートクルセイダース!ヒダカトオルのオールナイトニッポン!」
聞いたこともないおじさんの声で軽快に下ネタを飛ばすラジオが月曜日にあった。外の女性に陰毛の色を聞いて回ったり、エロ本の人気はなにかコンビニ店員に聞いて回ったり、ただただエロいと思う単語を羅列する日など…
そう当時中学生の俺には刺激マックスのエロラジオでもあったのだ。だから最初はエロを求めて聞いていたフシがある。
ただ、その番組内で流れた
ビークル。いやBEAT CRUSADERSの音楽に。
信じられない衝撃を受けた。
多分、人生で二度と受けることのない衝撃、電撃だった。かっこいいとかそういう簡単な言葉でも言えないし、じゃあどんな言葉が合うのかはまったくわからないがとにかく。
もうこのまま死ぬのかと思った。くらいの度肝を抜かれた。
その日から一番大切なものを録音するときに使おうとしていたオレンジ色のMDを取り出し毎週録音した。買ったMDはすべてヒダカトオルのオールナイトニッポンのMDにして何月何日放送分と書いて保存をしていた。
そして近くのGEOに行って初めてCDを借りた。初めてCDを買った。
とにかく衝撃だった。飄々とした感じのエロおじさんトークから真面目な音楽論から流れてくる音楽まで。あのときの俺はすべてがビークル一色だった。
陰の者だった俺は、そう簡単に人に進めることも出来ず。ただ、仲の良い友だちはちょっとだけいてカラオケに行った時に、一人だけ英語歌詞のビークルをずっと歌っていた。周りに合わせるとか一切しなかった。卒業近くの打ち上げだったかで初恋のコがいる前でも歌っていた。「なにこの曲」と突き放されたけどとにかくビークルが好きだった。旧面も新面も全部一色でできていた俺がそこにいた。
後悔していることはライブに行ったことが無いということ。お前こんなに好きなのにマジかと思われるが、金もなく、情報もうまく集まらない中、一緒に好きな人も見つけられなかったのだから仕方がないと今でも思う。そしてやはりどうしても陰の者なので動けないのだ。
そうこうしているうちに大学生になり、ビークルは散解した。
結局生で見ることは叶わなかった。多分勇気もなかったのだと思う。
でも少なくともビークルがあったから俺は困ったときはビークルを聴いてるし、今でも毎日のように聴いている。
中学生の時に聴いた音楽を一生聴くというのを聞いたことがあるけど本当だともう。
そして今聞いても何時までも新鮮なのだ。いつまでもエポックメイキングを受けさせてくれるのだ。
あのときの衝撃をもう一度受けたくてたまに新しいバンドを探したりする。
いいねぇ~ってのもあるけどあの時の衝撃を手に入れることはできない。
初めて射精した時以上の気持ちよさ、恐ろしさ、感動。もう一生手に入れないと思うと少し寂しい。
俺も趣味でものを書いて公開している。その中で一人でも俺の書いたもので衝撃を受けた人がいたら嬉しいと思う。その人のエポックメイキングになりたい。
もう二度と近くに関わることが無いかなと思っていたつい最近。キーボードだったケイタイモさんが似顔絵を描いているということを知ってすぐに依頼した。今のXのアイコンはそれです。
あの時近くに行けなかった存在に、形は違えど近づいて、似顔絵を書いてもらったことで少なくとも何らかの認知をしてもらったことに感動している。ずっとファンですともう恥ずかしいリプライも送っちゃった。あの時。
そして今も俺はビークルを聴いている。
きっとずっと、これからも、エポックメイキングなんだ。
★閑話休題
夜逃げから数ヶ月たち、妻となんとか暮らせています。ひとえに皆様のおかげです感謝しきれません。一生します。多分。配信とか物書きとかでしか返せませんが、少しでも前にいるということを伝えれたらと思ってちょうどいいタイミングなので書きました。フォローもたくさんありがとうございます。そして多くのご支援。本当に感謝しております。ちょっとまた体調が悪化していますし、またいろいろ弱音を吐いていると思いますが、手を握ってくれると嬉しいです。