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地球で生き残るために、学校をつくるということ

毎年、どんどん暑くなっている。夏には暑さで倒れないように耐えることが当たり前になってきた。台風は季節を無視してやってくるし、砂漠でも大雨が降って洪水になる。日本でも干ばつや大雨で山が崩れたり、海では魚が全然獲れないと、漁師たちが嘆いている。AIは電力を大量に使いながら、ものすごいスピードで進化しているが、世の中はまったく予測できない方向に進んでいるようだ。

あと3年、5年は凌げるかもしれないけれど、その先は正直わからない。人類がどうやって地球に住み続けられるか、そろそろみんな本気で考えなきゃいけない時が来ているんじゃないか。そのための学びが必要なんじゃないか。

ここで改めて考えたいのは、「学校とは何のためにあるのか?」ということ。大人になるため、基礎的な学力を身につけるため、良い大学に進学するため…等。現代を生きる日本人のほとんどが子どもの頃に通った「学校」。しかし、近年、不登校児の数は過去最多を更新し続けている。これからの価値観が多様化した複雑な社会を生き抜くためには、変化し続ける世界に対応した「学校」や「教育」を新たな選択肢に加える必要があるのではないだろうか。

いま、学校をつくるなら、「少なくとも三世代先、100年後もこの地球にみんなが暮らしていけること」を考え、実現する場所としよう。人間が地球でなんとか暮らし続ける知恵や、世界各地に残る昔からの持続可能な暮らしや知恵を学び合い、みんなで伝え残していくネットワーク、そんな「Network School」を立ち上げることにした。

この学校の「主役」はもちろん、子どもたちだ。小中学生を想定しているけれど、大人も、いわば次世代にバトンを渡していく「名脇役」として、共に関わっていく仲間でありたい。「教える人」「教えられる人」といった固定的な役割ではなく、子どもも大人も共に学び合い、次世代が育っていく環境と地域社会を少しずつ形にしていくことが、Network Schoolの意義だ。塀に囲まれた四角い箱の中で完結する学校ではなく、社会の一部であり、社会そのものになるような学校でなければならない。学びとは、自由に生きるためにあるもので、人間が自然の一部として地球で暮らし続ける文化を育むことだ。

Network Schoolの最初の拠点は、日本のローカルから始まる。三重県尾鷲市。森と海に囲まれたこの地では過疎化が進んでいるが、新しい自治の仕組み「Local Coop」が立ち上がり、さまざまな企業も参加してまち全体でゼロカーボンネイチャーポジティブに挑戦している。すでに多くの人が関わり、複数のプロジェクトが進行中だが、Network Schoolがこうした取り組みの中心的な核になれたらと考えている。

そこで今、一緒にNetwork Schoolをつくり上げていく仲間を募集している。並行して進む複数のプロジェクトを学びの場づくりを通してつなぎ合わせる「編集長」的な役割、または「校長」のような存在として、子どもたちと共に新しい学校を形にしてくれる人を探している(ちなみに、Network Schoolにはいわゆる校長先生という役割は必要ないかもしれない)。

貪欲な資本主義が世界を覆う以前の価値観を現代に伝えるネイティブアメリカンは言う。「地球は先祖から譲り受けたものではなく、子孫から借りているものだ」と。

教育を介して、人類が地球に暮らし続ける未来、ローカルの可能性に賭けてみたい人に、Network Schoolや求人の詳細(こちら)をぜひご覧いただきたい。また、Network Schoolを含む全体構想や実践について、webやwhitepaper(ver. 2023年6月更新)に書ききれていない、または更新できていない部分もあるため、複数回に分けてnoteで発信していく予定だ。ぜひ読んでいただければと思う。

Network School 立ち上げ事務局
スタッフ一同