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北海道周遊パス旅(06) 春に消えるローカル車両に惜別乗車。

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新得到着、【とかち3号】を下車
根室本線新得駅

12:45頃、約5分遅れで新得到着。ここで下車し釧路行の普通列車に乗り換える。

特急に乗れるフリー切符を持っているのにも関わらず、釧路まで普通に乗るには理由があり、この区間を走る普通列車に使われているキハ40系車両が翌年春に新車に置き換わり引退するのだ。今まで青春18きっぷで根室本線で幾度となく数えきれない程に利用しお世話になった車両だけに、今回のこの旅で惜別乗車しようと言う訳だ。余談だが、今朝函館から特急2本乗り継ぎ新得まで来たが、普通に切符を買うと、普通乗車券7,700円・【北斗4号】指定席2,950円、【とかち3号】自由席1,830円、合計12,480円。つまりは5時間少々で【HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス】の価格の元は取れた。まだ半日しか使ってないのだが。

乗り継ぐ普通釧路行が見当たらない。新得駅の場合、普通列車は大概3番ホームから発車するが、3番ホームには列車の姿はなく、改札口の発車表示を確認すれば、1番ホームからの発車だった。しばらく待つと、留置線から転線したキハ40系単行が入線してきた。
この釧路行、元々は根室本線の始発駅である滝川始発で、滝川から釧路まで308.4キロの距離を8時間以上かけて走る、日本一長い時間かけて走る鈍行列車だった。しかし2016年8月末のの台風10号による豪雨災害により東鹿越〜新得間が被災、それ以来この普通列車は、新得〜釧路間に短縮されてしまった。
過去に滝川〜釧路間運行当時は、夏には1回冬場は2回の計3回も全区間乗車したし、他に区間利用した時もあっただけに、短くなったのは、やはり寂しい。

しばらくして、1番ホームに釧路行が入ってきた

さっき乗車した帯広行【とかち3号】遅延のあおりで、釧路行が入ってきた時点で12:55の発車時刻を数分過ぎていて、非常に慌ただしい乗車。車内のボックス席はあらかた旅行者で埋まる。と言うか、旅行者しかいない。しかも大半がこの車両目当ての鉄道ファンにも見える。一眼レフを首から下げて、ノーマスクで車内を行き来する鉄道ファンには閉口したが。私も車両真ん中の右手側ボックス席を占める。13:01、ワンマン普通釧路行、6分遅れで新得発車。
旅行者十数人しかいない車内だが、マスクしてない二人組の鉄道ファンが大声で喋っており、あまり気分の良いものではない。十勝清水で地元客が10人近く乗車し、ようやくマスクをしたが、世界的大流行のウイルスが氾濫してる最中でノーマスクは、あまり気分的に良いものではない。
この先帯広に近づくにつれ、乗客が増えていく。根室本線は本線ながらも全線がほぼローカル線。そんな中でも新得~帯広~池田~浦幌は意外と地元利用客が多い区間である。

根室本線御影駅
御影駅には、立派な改札が残っていた

御影で札幌行特急【おおぞら6号】と交換で数分停車。そして次の芽室でも札幌行特急【とかち8号】と交換。ホームで【とかち8号】を見たら、さっき南千歳~新得間乗車した【とかち3号】の折り返しだった。帯広ですぐにとんぼ返りしたのだろう。

芽室で札幌行【とかち8号】と交換

乗客が増え、西帯広を出たらワンマンの自動車内放送かこう告げた。

「この先、交代乗組員の乗り降りの為、少々停車する場合がありますが、お客様の乗り降りは出来ません。」

事情知らない人からしたら、何を言っているか解らない放送だが、私は「ああ帯広運転所での乗務員便乗の運転停車だな」と思った。そして列車は帯広運転所で本当に停車した。無論ここは駅ではないからホームは無い。前方を見れば、乗務員が待機しており、乗務員が乗車した。

帯広運転所はJR貨物の帯広貨物駅に併設
運転停車した帯広運転所で乗務員が便乗

新得発車時は遅れていた列車も、途中駅の交換待ちを短縮し14:11に帯広到着。列車はここで14:53まで42分停車する。帯広までの乗客だけでなく、帯広から先へ行く鉄道ファンまで車内に荷物を置いて下車し、車内は私独りに。私も14:53の発車まで車内に留まる気は更々無いから、私も荷物を置いて途中下車。駅前の長﨑屋2階の地場スーパー【フクハラ】へ遅い昼御飯を買いに行った。

昼御飯は、かつ丼
帯広から札幌まで、乗車券+自由席特急券で
合計7,260円
しかし、事前購入の割引切符だと、
乗車券+指定席で3,490円になる。

途中下車した際に目についたのが、帯広~札幌の割引切符の広告。さっき占冠で下車した若奥様が言っていた切符だが、確かに55%引きは安過ぎる。多分、帯広~札幌間は高速バスとの競争があるから、値段を割り引いているのだろう。
後に調べたら、高速バスは同区間の運賃は3,840円、四枚綴り回数券だと一枚辺り3,410円。確かにJR通常運賃料金と比較したら安い。JRが焦るのも判る。因みに所要時間は、JR特急は概ね3時間前後、高速バスは最速便は3時間半、普通便は4時間を切る。ほとんど互角だ。

弁当と飲料水の入ったレジ袋片手に列車に戻ったが、まだ発車まで時間がある。根室本線のキハ40に乗るのは今回が最後になるので、残りの時間は撮影に費やす。

キハ22系復刻塗装車と並ぶ
向かいのホームからも撮影する
誰も居ない車内
国鉄時代の雰囲気が残るボックス席

発車時間が近付き、三々五々と乗客が乗り込んでくる。ボックス席があらかた埋まり、14:53帯広発車。十勝平野を駆け抜け、池田までに地元客がほとんど降り、数人の地元客以外は、キハ40系惜別乗車のファンばかりに。池田を出ると、進行方向右手から車内を茜色に照らしている陽が徐々に沈んでいく。私はその夕陽を眺めながら、長かった一日を回想する。今朝は函館だったが、もう道東に来た事に。

冬の北海道は日没が早い

豊頃で列車交換で5分停車。鉄道ファンは下車し気分転換に。私もカメラ片手に下車。ホームで夕陽を浴びながら何か来るかと思って釧路方を眺めたら、しばらくして赤いディーゼル機関車に牽かれたLNGタンクコンテナ積載の列車番号2091列車、釧路貨物発札幌貨物ターミナル行が来た。

釧路貨物発札幌貨物ターミナル行貨物列車

次の新吉野でも上り普通列車と交換だが、その普通列車が遅れている為にしばらく停車。今日の根室本線は全体的に遅延が発生しているみたいだ。しばらく待つと、10分近い遅れで来た。

新吉野でしばらく停車
約10分遅延の普通帯広行

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