「君と宇宙を歩くために」と「ケーキの切れない非行少年たち」を読んで、「自分への解像度をあげることの大切さ」を感じて今月も頑張ってnoteを書いてみた / Kvi Baba 「Luv Myself (feat. AKLO & KEIJU)」
こんにちは。個人的な話を100人ぐらいの方々に読まれることを目標に書いています。ローカル100人Club(名前は仮)です。
今回は「君と宇宙を歩くために」と「ケーキの切れない非行少年たち」という2冊の漫画をご紹介です。
「自分への解像度をあげることの大切さ」や「生きづらさとどう向き合うか」を描いた作品たち
作品のタッチも世界観も異なる2作ですが、両作とも「自分への解像度をあげること」や「生きづらさとどう向き合うか」を描いた作品で、非常に近いテーマ性を感じました。「君と宇宙を歩くために」は「マンガ大賞2024」の受賞し既に話題になっており、一方の「ケーキの切れない非行少年たち」も第6回 さいとう・たかお賞を取るなど大きな反響を呼んでいるマンガです。ローカル100人Club的には、この2作は表裏の関係にある作品だと思っており、ぜひセットで読んでいただくことをおススメします。
「君と宇宙を歩くために」は、ヤンキーの小林と変わり者の転校生 宇野との友情物語
「君と宇宙を歩くために」は、ヤンキーの小林と変わり者の転校生 宇野との友情物語。勉強もバイトもドロップアウト気味の小林は、地元の先輩から闇バイトに誘われそうになってるところを宇野に助けられたことがきっかけに仲良くなっていきます。
小林は勉強も苦手、バイトではミスが多い子で、宇野の方も人ごみや複数のことを同時にこなしたり、臨機応変に対応することが苦手な男の子。いわゆる「普通」のことができない二人はお互いを知り、認め合う中で、それぞれの壁にぶつかりながら成長していく姿が感動的で、何度もウルっとさせられます。
とりわけ宇野は日常のルーティーンを全てノートに書きこんでいて、いつでも見返せるように常にノートを持ち歩いているのですが、宇野に感化された小林がバイト先でメモを取るようになり、レジ打ちで自分のミスを認め、謝罪する場面はものすごくグッとさせられます。こんな「普通」な出来事で、「がんばれ!」と応援したくなるような胸打つシーン他にありません!!!
またここからさらに小林は、小学校からの友人に「自分がバカであること」と、「バカと思われることがイヤで色んなことから逃げていた自分」を認め、吐露する場面は落涙必至です。
このように小林も宇野も自分を見つめ、それぞれの「生きづらいこと」に向き合っていくのですが、乗り越えた先にやることが「マニュアルやTo Doリストの作成」など解決策がシンプルなのもまた良い!
やってることは単純なのに、「自分自身がどういう人間なのかきちんと理解した上で、だからこれをやるんだ」というものすごい納得感と一生懸命な姿に勇気づけれる読者も多いのではないでしょうか。
私自身、小林同様、勉強が苦手で、「落ちこぼれの俺なんて」と苛まれた時期があった身なので、自分事のように読んでしまいました。
小林と宇野も明確には描かれておりませんが、「もしかしたら境界知能に近い子たちかも」と思わせる描写がいくつかあります。そして「ケーキの切れない非行少年たち」は、「そんな小林と宇野が出会わなかったどうなっていたのか?」というアナザーストーリーとして読める作品になっています。
少年院と境界知能に迫り非行少年たちの実態を描いた「ケーキの切れない非行少年たち」
罪を犯した少年、ましては殺人や放火、性犯罪と聞くと、ものすごい異常者や根っからの悪童をイメージしまいがちですが、本作を読むと非行少年たちに対する印象もかなり変わってきます。というのも凶悪犯罪を犯した少年の中には認知機能に問題を抱えた子たちが一定数いるからです。彼らの多くは「ケーキを3等分する」ことができないなどの知的ハンディを負いながらも、自分はもちろん周囲からも障害を気づかれず「普通の子」として扱われ、多くの挫折と生きづらさを感じながら苦労を重ねてきた少年少女でもあります。本作品では、そういった境界知能を抱えた非行少年たちのリアルに描きつつ、「凶悪事件」の一言では済まされない実態と社会の在り方について問う作品になっています。
二作の共通点「自分への解像度をあげることの大切さ」
「ケーキの切れない非行少年たち」で印象的なのは、登場する少年院では自分のこれまでの人生を振り返ったり、自分の怒りや思考を棚卸するなど、自身の生立ちや思考を可視化し、自己理解を深めるプログラムが多く登場する点です。一方、「君と宇宙を歩くために」でも小林と宇野は互いの行動や言動から自身を見つめなおす場面があり、「自分自身への解像度をあげることの大切さ」を感じさせます。それを行うが故に「君と宇宙を歩くために」ではマニュアル作りやToDoリストが説得力を持ち、「ケーキの切れない非行少年たち」ではさらに実践的な更生プログラムへと続いていくのです。
逆に言えば少年院に限らず社会や周りの大人達からの自己理解を促すような支援やサポートの必要性を感じました。
おわりに-必要なのはテザーのようなサポート-
「君と宇宙を歩くために」の宇野は、自身のルーティーンを書き込んだノートを、「テザー(宇宙飛行士が宇宙空間で活動する際の命綱)」だといいます。分からないことに直面した時、そのノートがないと宇宙に放り出された感覚に陥るからです。一方、「ケーキの切れない非行少年たち」では境界知能に位置する子供たちは35人クラスに約5人いることが示されていました。今回扱ったこの2作が描く事柄は非常に身近な問題だと思いました。
今も人知れず生きづらさを感じている子供たちがいること間違いないでしょう。社会や、親や教師をはじめとする大人たちも宇野のいうテザーのような存在になっていく必要があると痛感しました。私も子供がいるのですが、そのことを肝に銘じたいと思います。
【エンディング】Kvi Baba 「Luv Myself (feat. AKLO & KEIJU)」
以上が「君と宇宙を歩くために」と「ケーキの切れない非行少年たち」の漫画紹介でした!いかがでしたでしょうか。今回は柄にもなく少し真面目すぎたので、次回は軽めなヤツを紹介したいと思います。最後にエンディングはKvi Baba 「Luv Myself (feat. AKLO & KEIJU)」!!カッコいい!!!