
【JTC】業務引き継ぎは”一子相伝“、北斗神拳と同じだ!
「業務引き継ぎって、一体どうしてこんなに難しいんだ?」
そんな疑問を持ちながら、昭和の大企業で働いていた私の体験談を今日は語りたいと思います。
まるで、北斗神拳の伝承のように、一子相伝で受け継がれるノウハウと技術――しかし、そのプロセスは決して楽なものではありませんでした。
先にお伝えしておきますが、私の場合は幸運にも、シニアの大先輩から丁寧に業務を引き継いでいただいたため、ある意味恵まれていました。
しかし、その裏側には、業務の属人化とJTCが業務標準化を怠ったツケが今も根深く残っているのです。
1. 昭和の大企業での業務引き継ぎ体験
私が入社した昭和の大企業では、業務の流れは決してマニュアルだけで完結するものではなく、先輩たちの経験と暗黙知に大きく依存していました。
私の担当業務は、長年にわたり先人たちが積み上げてきたノウハウの集大成でした。
シニアの大先輩から直接、「こうやって仕事を進めるんだ」と、一つ一つ丁寧に教えていただいた経験は、今でも忘れられません。
それはまるで、北斗神拳の極意を伝授されるかのような、神聖な儀式に近いものでした。
私自身はとても楽しく、幸運だったと思います。
同時に、このやり方では今後は厳しいという想いもありました。
2. プロフェッショナルな仕事の属人化――その光と影
ここで感じたのは、プロフェッショナルな仕事が極めて「属人化」しているという現実です。
先人の技術や判断は、彼らだけの暗黙知として蓄積され、文書やマニュアルに完全には落とし込まれていなかったのです。
その結果、次の世代へ引き継ぐ際には、どうしても「個人のセンス」や「経験値」に依存してしまい、引き継ぎの質に大きなバラツキが生じました。
光の部分:
丁寧に教えてもらえた私の場合、業務の裏に隠されたノウハウをしっかり吸収できたため、仕事の質は飛躍的に向上しました。影の部分:
しかし、標準化が進んでいなかったため、先輩の引退や異動が起こると、その知識が途絶えるリスクは常に存在していました。
業務が「一子相伝」で継承されるため、個々の能力に依存する構造は、組織全体の持続性を脅かす可能性があったのです。
3. JTCの業務標準化の欠如とそのツケ
私が勤めていた企業(JTC)は、業務の標準化に消極的でした。
「個人の裁量を尊重する」という理念の下、マニュアル整備や業務フローの明文化が十分に行われていなかったのです。
その結果、引き継ぎの際には、先人の暗黙知に頼るしかなく、引き継ぎ作業はいつもギリギリの状態で行われていました。
具体的なエピソード:
私が担当するプロジェクトでは、業務のコツや微妙なタイミングは、先輩が実際に現場で見せながら伝えてくれるものでした。
そのため、先輩がいなくなると、同じ仕事を誰が引き継いでも、成果に大きな差が出るという現実がありました。今後の課題:
このような属人化の弊害を解消するためには、業務プロセスの標準化と文書化が急務です。
組織として、先人の知恵を体系的にまとめ、誰もが同じ基準で仕事を遂行できるような仕組みを作る必要があると痛感しました。
4. これからの業務引き継ぎと未来への提言
「北斗神拳の一子相伝」という言葉は、一見すると伝統や技の継承を象徴する素晴らしいシステムに思えますが、現代のビジネス環境では、そのままでは通用しません。
私たちがこれから向かうべきは、個々の技術に頼らない、標準化された業務プロセスの構築です。
もちろん、先人たちの経験は貴重であり、尊重すべきものです。
しかし、それを未来へと安定的に継承していくためには、次のような対策が必要です。
業務のマニュアル化とデジタル化
ノウハウをドキュメントや動画、さらにはデジタルツールで体系化し、誰でもアクセスできる環境を整える。OJTと継続的な研修制度の導入
直接指導だけでなく、定期的なトレーニングやフィードバックを通じて、知識の共有と更新を行う。知識管理システムの活用
先人の経験や失敗談も含めたノウハウをデータベース化し、次世代がすぐに参照できる仕組みを整備する。
業務引き継ぎは「一子相伝」ではなく、組織全体で持続可能な知識として受け継がれていくはずです。
5. まとめ ― 業務引き継ぎの未来を切り拓くために
昭和の大企業での体験
シニアの大先輩から直接業務を引き継ぐという、伝統的な一子相伝の方法が存在した。属人化の弊害
個々の暗黙知に頼るため、知識の伝承にばらつきが生じ、組織の持続性にリスクがある。JTCの業務標準化の欠如
標準化されない業務プロセスは、次世代への引き継ぎに大きな課題をもたらす。未来への提言
業務のマニュアル化、デジタル化、OJT、知識管理システムの活用を通じて、組織全体で持続可能なナレッジを築くべきである。
日本の多くの企業では、業務引き継ぎは北斗神拳のように一子相伝で伝えられてきましたが、これからの時代は、個々の技術に依存せず、組織全体で知識を共有し合う新たなシステムを構築することが求められます。
私の体験が、皆さんの未来に向けた一歩のヒントになれば幸いです。
ここまで読んでくださってありがとうございました。