短編物語「柴犬のオージー」 第3章: 危機と奇跡
数日が過ぎ、オージーは町で新しい友達もでき、人々にも愛される存在となっていました。しかし、その平和な日々は突如として終わりを告げます。隣国との緊張が高まり、さらには町で疫病が広がり始めたのです。
人々は恐れと不安で顔色を失い、あれだけ賑やかだった町は一気に陰鬱な雰囲気に包まれました。それを察したオージーは、何とかして町を救いたいと強く思いました。
ある日、オージーは町の大広場で目を閉じ、深く感じる力に身を任せました。すると、不思議なことに、風が、疫病の菌を吹き飛ばしていくような感覚がしたのです。
そして、その瞬間、町の人々が次々に体調が良くなる奇跡が起きたのでした。
隣国との緊張も、何故か突如として和解が成立。どうやら「とんでもない秘密兵器がある」という噂を聞き、向こうが戦いを避ける判断をしたというのです。
人々は驚きと感動でオージーを讃え、「犬の王様」と呼び始めました。殿様もオージーの力に深く感銘を受け、「町を救った英雄に相応しい。彼にとって特別な場所を用意しよう」と宣言しました。
オージーは、自分でもまだ理解できない力を持っていることに気付きましたが、その力で人々を幸せにできたことが何より嬉しかったのです。
しかし、その後の数週間で町に起きる出来事は、誰もが想像だにしなかったものでした。
オージーの存在やその不思議な力によって、町の収穫は次第に良くなり、人々も次々と幸運をつかむようになりました。
しかし、この急激な変貌には裏があるようで、次第に新たな問題が生まれ始めていました。