お手軽ダイエットの注意点
「これさえ食べたら、これを飲めばダイエットできる!」効果をうたうCMや話題は巷によく出回っています。
栄養カウンセラーの私でも、ついつい気になってしまいます。
ただ、それはその商品を長く続けなくてはならなかったり、そのことにより健康を害するケースも多くみられますから、それでダイエットに成功したというとやはり疑問が残ります。
★お手軽な○○は危険なことも!
よく○○ダイエット(○○だけ食べたら・飲んだらやせる!単品ダイエット)は栄養学的には大きく偏る可能性があります。
仮にやせていくとしたら、それは栄養不足による可能性が高いでしょう。
またお手軽という意味では、ダイエットサプリメントやダイエット食品も数多く出回っておりますね。
医師監修のもとでつくられた安心安全なものであれば、トライしてみるのも一考かと思います。
例えば
*少なくとも学会報告されていて効果や安全性が実証されているもの
*製造ライン、原材料の品質が外部機関でも認められているもの
*使用方法やアドバイスが受けられるもの
*もしもの際の問い合わせ先があるもの
*解約がしやすい(購入方法や回数にしばりがないもの)
であればより安心ですね。
もし、そうでないものであれば使うのは慎重にした方が良いでしょう。
また、ダイエットサプリメントなどでよく見かける【使用には十分気を付けた方がいい成分】もありますので以下にを記しますね。
★使用注意の成分 1.カプサイシン
刺激物を取り入れることで代謝がよくなり、脂肪燃焼効果が…ということですが、もし消化管がデリケートなかたでしたら粘膜を傷つけてしまい、かえって弊害がでてきそうです。
激辛好きなかたは唐辛子を豊富に使った食べ物を好んで召し上がる機会が多いと思いますが、食道癌などのリスクをかかえることになります。くれぐれも取り入れすぎには十分ご注意ください。
そして、からだによさそうなハーブ類でも気を付けるべきものがあります。
ダイエットサプリメントで多く知られているのは2つあります。
★使用注意の成分 2.ギムネマ・シルベスタ
ギムネマ、 ギムネマ酸 ともいわれています。
糖質の吸収を抑え、食後の血糖値上昇の抑制の効果があるハーブ類です。
この効果により、中性脂肪やコレステロールの低減にも有用、肥満解消につながるといわれています。
糖尿病治療で服薬中の方は血糖値が下がりすぎてしまう可能性があります。
最近は糖質制限の食事療法が注目されてきているので、血糖値は下がる方がよいのではないかと言われていますが、過度に下がりすぎることは大変危険であることは忘れないでください!
糖尿病でも治療はしていない、糖尿病予備軍と言われているかたも、このハーブを使うことは危険なことがあります。一度かかりつけ医にご相談ください。
また、小腸における鉄分の吸収阻害、味覚障害が起きることもあります。
おなかのはり、腹痛や下痢、ギムネマに含まれる物質に対してのアレルギー反応など、人によって症状が出ますので、気を付けてください。
★使用注意の成分 3 セントジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ)
気持ちが穏やかになるリラックス効果があるハーブ類です。
ダイエット中のイライラ、更年期症状のイライラ、うつ症状に効果があると言われていますが
このハーブは医薬品との相互作用(主に薬の効果を弱める)が特に多く報告されています。
私はこのハーブを試したことはないのですが、製薬会社から送られてくる医薬品使用上の注意でよくみかけるハーブですので、とても印象があります。
以下の薬を服用中の方はこのハーブの摂取はおやめいただくのが賢明です。
*高脂血症治療薬(シンバスタチン)
*抗不整脈薬(ジソピラミドなど)
*消化性潰瘍治療薬(オメプラゾールなど)
*免疫抑制剤(シクロスポリン)
*抗HIV薬(インジナビル)
*強心剤(ジゴキシンなど)
*気管支拡張剤(テオフィリンなど)
*抗凝固剤(ワルファリン)→「血液サラサラの薬」と表現される薬のひとつ
*経口避妊薬(ピル)→ピルの効果を弱めてしまう→避妊目的で服用されている場合は妊娠の可能性も
分かる範囲で列挙してますが、まだ多くあるかと思います。ご注意ください。
★輸入品ダイエットサプリメントやダイエット食品も使用注意
過去に、一部の輸入品ダイエット食品の中に含まれる成分が甲状腺機能障害や肝機能障害などを引き起こす事例が多く報告されており、命の危険と隣り合わせのものもあります。
健康食品に関してご心配なかたには
*厚生労働省HP 「健康被害情報・無承認無許可医薬品情報」
*国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所HP 「被害関連情報」
*国立医薬品食品衛生研究所HP 「食品安全情報」
気になる方は検索して一度ご確認ください。
健康を損ねてしまっては本末転倒です!
もし、どうしても何かに頼る際には用法・容量はもちろん、そのダイエットサプリメントの内容やどこで作られたか、国内製造か海外輸入物かなどをよくお調べいただき、起こりうるリスクも頭に入れてくださいね。
ついついショートカットしたくなるお気持ちもよ~くわかります。
ただ、こう書き出していくと、やはり安全で着実な方法が一番かもしれません。
ダイエットとは、日々の適切な食習慣や運動習慣を続けていくこと
からだに良いことのひとつひとつの積み重ねが
美と健康を保つ秘訣かな、とあらためて思いました。