早期発見した病気(ステージ0乳がん)のことvol.11(マンモグラフィー検査のやり直しと親友の言葉)
「通院お休み期間」が終わり、約1か月ぶりに病院に向かいます。そして医師には1か月間温熱治療等に取り組んだことを伝え、もう一度検査をさせてほしいと依頼します。ですが、1か月の努力虚しく、マンモグラフィーでは大きな変化は見られませんでした。それでもMRI検査に希望を託し温熱治療を続けますが、MRI検査前夜、久しぶりに話した大学時代の親友の言葉から、考え方や行動が変わるようになります。今回は「通院お休み期間」の成果確認が始まった12月を振り返ります。
1.久しぶりの診察
12月に入り、一気に街がクリスマスモードになってきた頃、「通院お休み期間」が終了し、久しぶりに病院に行く日となりました。
その日の朝、夫からは「結果が変わらなくても落ち込まないでね」と先に慰めの言葉をかけられます。
この時の私はとても緊張していました。
医師には「心の整理がしたい」としか伝えていなかったので、診察室に入り挨拶するなり、「手術の希望時期は決まりましたか?」と聞かれました。
私は、「この1か月、効果があるかわからないが温熱治療をしたので、もう一度検査をしてほしい」と頑張って伝えます。
医師は少し困ったような顔をされましたが、マンモグラフィーとMRI検査をすることに同意してくれました。ただ、MRIは2週間後しか予約できず、その日はマンモグラフィー検査のみすることになりました。
2.マンモグラフィーの結果
マンモグラフィーの結果は前回とほぼ同じでした。医師からは「時間が経ったことで石灰化の範囲が広がっている」と言われましたが、カルテには「著変なし」と入力されていました。
そして「熱でがん細胞が死ぬとかいう情報があるかもしれないけれど、あれは嘘ですからね」と言われてしまいます。
思った通りの反応でしたが、色々と頑張っていたので少し凹んでしまいます。
3.MRI再検査までの心境
MRIの再検査までの2週間、この1か月無駄だったのではと思うようになっていましたが、MRIにわずかな希望を託し、引き続き健康に気をつけた生活を送っていました。
この期間は仕事が更に忙しくなりましたが、逆に病気のことを忘れることができました。ただ、少しイライラすることが多かった気がします。
4.親友の言葉
MRI再検査の前日、大学時代からの親友から連絡があり久しぶりにzoomで話すことになりました。お互い直接会うこともできる距離に住んでいますが、コロナ渦ということもあり、このスタイルが定着していました。
この時彼女に病気のことを打ち明けます。家族(夫と子供)以外に病気のことを話すのは初めてでした。
彼女は大手出版社での勤務を経て、フリーの編集者として仕事をしています。著名な医者や経済学者、文化人まで幅広い有名人を取材することがあるため、情報の幅がとても広く、また最新の情報に明るい人でもあります。
彼女は私の告白にものすごく衝撃を受けると同時に、過去に手術をしないという選択をした親族を亡くしたという経験をしたこともあり、私に手術することを強く勧めてくれました。寧ろ早期発見でものすごくラッキーだったと。
また温熱治療に関しては、がん細胞が出来た後には効果がないのではという考えでもありました。
ただ私は「ステージ0なのに胸を切除しなくてはいけないということに、まだ納得できていないのかもしれない」と伝えると、とにかく担当の医師に納得いくまで質問して疑問を無くすことを勧められました。
彼女は医師と患者さん双方の取材をしたこともあり、医師の説明が時に患者からすると、機械的で事務的で患者さんに伝わりにくいことがあるということに気づいたそうです。
あくまでも友人談ですが、医師は多くの患者さんを相手に、何度も同じことをお話しされています。そのためどうしても理路整然でサラッと説明できてしまいます。でも患者さんからすると、その場では理解できても腹落ちするまでに時間がかかるものなのだそうです。
私は、性格的に人に迷惑をかけたくない、物分かりの良い人であろうと振る舞いがちです。診察時にも「物分かりの良い患者」として振る舞い、あまり時間を取らないよう粘って質問するようなことはしてきませんでした。
MRI検査の前夜、彼女との会話で、手術はやっぱり必要なのかと目が覚めたような気持ちになりました。
そして次は医師と納得するまで話してみようと思うようになります。
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