4月の短歌
お い ! と 言 い 、
奥 さ ん に む け る
カ メ ラ の お じ さ ん
桜 の 下 か ら 、以 上 で す 。
桜を見に行ったら、
一眼レフのカメラのレンズを覗くおじさんがいて、
こうかな?こっちか?
って具合で、すこし中腰になって撮りたい絵を決めていた。
満開の桜を前によくある風景だなぁと思ったけど、
「おい!」
とだけ言って、
桜の木の下にいる奥さんらしき人に声をかけた。
奥さんは、一瞬え?と怪訝そうな顔をしたけど、すぐに素敵な笑顔をカメラに向けてた。
一連の流れから、長年連れ添った夫婦の関係が作られているようにみえた。
その呼び方と一生懸命カメラを構えてたおじさんの姿がアンバランスで、可愛ささえも感じてしまう。
桜の下から、素敵な愛を感じたことを誰かに伝えたくなった。
ヤ ン グ コ ー ン
踊 る サ ラ ダ ボ ウ ル の 中 に
見 つ け た 春 は
み ず み ず し か っ た
季節の野菜を使って
手作りしたドレッシングで和える
おばあちゃんの味を思い出した。
そーいえば春はアスパラとかヤングコーンとか綺麗な色合いの野菜たちが入っていたなぁと、おぼろげに。
今みたいに、スマホもないし、サラダの写真なんて残ってないけど、
台所で夕飯の準備を手際よく、
ひとりでみんなの分を作るおばあちゃんのエプロン姿の背中も覚えているよ。
今は施設にいて会えないけど、思いっきり口の中で季節の美味しさを感じて、会話が弾む食事を作るのってすごいなぁ。