#23 銀河の犬と水玉~曼珠沙華の伝言~
ユニコーン
Sさんは超現実派のアニマルコミュニケーションとしてやってきていた。
千頭を超える動物と繋がってきて、ジュビ子が初めての登場の仕方をした、と言いにくそうに前置きをしながら話してくれたのは「白い翼の生えたユニコーンの姿になった」というものだった。
後からSさんのブログには「ユニコーン」なんて非現実的な象徴となるものを、
——「……言いたくない」——
と思っていたらしい。
その一文を読んで私は爆笑した。
しかし、私にとっては大切な象徴だったのだ。
まず頭に浮かんだのは、何年も使ってないユニコーンのオラクルカード。あの棚に入ってる。その位置までハッキリ頭に浮かんだ。
そして同時に浮かんだのは、
地球のアセンションの話から次元上昇した新しい地球の世界では、ユニコーンが普通にいる。との話を聞いた時の衝撃が強くて、天国のような地球にはユニコーンがいる。高次の何でも出来て何でも叶う世界にはユニコーンがいる。
とインプットされていた。
ジュビ子が、ユニコーンになって雲の上をぴょんぴょん飛び跳ねている。すごい速さで走り回っている。
——魂の世界に辿り着いている。病から解放されています。
願えば何でも実現出来る世界にいます。それは肉体があっても同じ。
沢山の純粋な願いをここで実現させるお仕事をしています。——
喜びに満ち溢れている象徴としてユニコーンで爆走しているらしかった。
純粋な願いを叶えるお仕事?
それはもはや天使クラスのお仕事ではないのかい?
ジュビ子さん、結構な力の持ち主だったのでは…
もしや大天使クラスのすごい存在だったりして…
だから、あんなに何回も自由に私の前に白い毛を登場させる事が出来たのか?
という驚きと、病気で亡くなった動物は魂になっても癒しが必要な時もあると聞いていたので、ジュビ子がもう癒しを必要とせずにぴょんぴょん飛び回って充実した毎日を送ってる事が本当に嬉しかった。
ユニコーンという言葉で、その全てを理解したのだ。
Sさんにとっては信じ難いキーワードとなってしまったかもしれないけれど、私にとってはユニコーンという一言だけで、そこがどんな場所なのか、全て理解出来るからジュビ子は敢えてユニコーンになったのだと思った。
そしてセッション終了後、気になってユニコーンのオラクルカードを取り出してみた。
あまりイラストも覚えていなかったが、見た瞬間に、白いユニコーンの瞳がジュビ子の瞳そのものだったのだ。
これはジュビ子だ‼
そして、オラクルカードにはユニコーン(翼のないもの)と、ペガサス(翼があるもの)とがあるが、Sさんは翼の生えた白いユニコーンと言っていた。
このカードではペガサスに当たる。
そしてカードを切ってみると途中で1枚だけ飛び出してきたカードがあったので、それを引いてみた。
「ハローアンドグッバイ」というカードだった。
出会いと別れ。あなたはこの変化が物事を好転させてくれることにまもなく気づくでしょう。
セッションの内容をそのまま表すようなカードだった。
そのカードのイラストは勿論翼の生えたペガサスだった。
すぐにSさんにもご報告。
ドンピシャ過ぎますね!とご本人も驚いていた。
そしてドンピシャはそれだけに留まらなかった。
証拠
Sさんのやり方で大切にしている事の一つに、本当に繋がっている証拠を提示する。という項目がある。
例えばお気に入りのオモチャ、おやつ、ベッド、飼い主さんと過ごした場所、など、本人しか知らない事を聞き出して飼い主さんに話してくれるのだ。
飼い主さんが本当にペットちゃんと繋がっているという実感がなければ、メッセージは伝わらないとSさんは言う。
私は既にSさんが絶対であることを確信していたので、ジュビ子と繋がっている事は「ユニコーン」と言われた最初から何の疑いも持つはずがなくスムーズに受け入れていたのだが、Sさんが答え合わせとして飼い主に確認を取っている。という事で事実確認をしてもらった。
Sさんは海外在住の為時差があるので、Sさんとジュビ子が事前に話したのは深夜の1~3時。
こんなに長く話したのは初めてかもしれない、と仰った。
ちょうど2時から私は銀座のママの配信を観ていた。
すると、そこでもシンクロが起こる。
私は私のことを「ジュビ子のママ」とか「MiMi」とか、そのような呼び方をした事はない。
むしろ、主語がなく話していたので、ジュビ子に対して私の呼称を聞かせた事はほぼ無かった。
父親は私の車が帰ってくると「ブーブ来たぞ」とジュビ子に教えており、私の事をそのまま「ブーブ」と呼んでいた。
母親は「みーちゃん」と呼んでた。
事前のアンケートにそう書いておいたが、ジュビ子はどちらの呼び方にも反応しなかったらしい。
そして、話していて途中で急に私の事を「MiMiは」と呼び捨てにしたらしい。
と言うのも、ちょうど2時からの銀座のママが私の事を「MiMi~!MiMi~!」と連呼していたのだった。
私の事をジュビ子の前で、下の名前で呼ぶ人はほぼ居ない。
近所の方や幼なじみでもMちゃん呼びだ。
Sさんが「途中から急に呼び捨てしてきたんですよね。」と言った時にすかさず頭に銀座のママの「MiMi~!」と呼びかける声がこだました。
それはSさんが知らない、私と、「その時間に私を見ているジュビ子」しか知らない情報だった。
そしてもう一つのシンクロは、その日に限ってママが歌っていた曲は、今まで何曲もママが歌っているのを聞いたけれど初めて聞く曲だった。
柏原芳恵の「ハローグッバイ」
そしてユニコーンオラクルカードで引いたカードも「ハロー アンド グッバイ」だったのだ。
ジュビ子のそういう細かい所まで拾って私にしか気づかないやり方をど真ん中で送ってくるのがたまらなく好きだ。
私をよく知っている。
私の考えるパターンを知り尽くしている証拠だった。
そして大好きだったおやつも、ジュビ子の食べ方(手に挟んでガジガジする仕草)も、高齢で固いものが食べられなくなりそれが食べられなくなった時の大好物も「砂肝の何かこれくらいの大きさの」と当ててきた。
——おやつの時間が一番興奮する時間だった。と言っています——
と言われて咄嗟に「でしょうね‼」と強めに答えていた。
私の中ではとっくに証明されてるので「当たってる~!」という衝撃は、もう無かったのでリアクションを取らなかった事が申し訳無かったと今更思っている。
過去世について
私がSさんをホンモノだと思う理由にこの項目も当てはまる。
過去世って、スピリチュアル系な方に聞いてる有名人とかテレビで流れる素人の方って、皆、なんかすごい過去を持ってて
「うわ!そんな事があったんですか!だからココに繋がるんですね」
的な感動シーンが多い。
そして、気を悪くするような過去世はほぼ出てこない。
それはそうだろう。
過去世と言っても沢山あるのだから、インパクトが強くて相手が受け入れやすいものを言えば相手も気持ちがいいし信じやすいのだろう。
しかし、私が言われた過去世は、本当に酷いものだった。
まずはヨーロッパの権力を持った威張っている男性。それが私の過去世。
強い立場で自分の好きなように何でも動かしてきたが、ある日立場を奪われた。すると周りは手のひらを返して誰からも相手にされなくなった。そんな自分を唯一支えてくれたのは、蔑ろにしてきた奥さんただ1人だった。
——その奥さんがジュビ子ちゃんです。人間でした。
そしてその男性は自暴自棄になり酒びたりになって、最後は喧嘩に巻き込まれて亡くなっている人生——。
…えええええ!私めっちゃイヤな奴じゃん!
酷い結末じゃん!
ちっとも嬉しくない!しかもジュビ子が奥さんだったのに邪険にしてたのかよ!偉そうに権力振りかざして最低だな!
とショックを受けてる間に次の人生が。
二つ目は、女性。
一般の女性みたいな華やかさを持たない…容姿に恵まれなかったので…(かなり言いづらそうに言葉を選んでくれていたので、つまりは相当なオブスという事らしかった)男性とのご縁もなく、その時代では親からも「結婚も出来ないダメな娘」と罵られ、お荷物扱いで居場所がなかった。
この生では自分の存在価値が地位や名誉ではない事を学ぶ為に女性に生まれてきている。
弱くて自信の無い女性の心の支えは番犬として飼っていた犬だけだった。
それがジュビ子。
犬だけは私が来たら全身で喜んでくれる。時間さえあれば会いに行っていた。
その犬が亡くなった時、心の中にポッカリと穴が空いた。
こんなにも存在が大きかったなんて思わなかった。
私の事をこんなにも必要としてくれる存在が居るだろうか、と気付かされた。
ただそこに繋がれていただけの犬なのに。
私は人に気を遣い役に立とうとしているのに無下に扱われる。何故?
この二つの過去世をジュビ子ちゃんが見せてくれました。
どちらも自分の存在に価値が無いと、自暴自棄になったり、生きていても誰も必要としてくれない、という想いが強く魂に刻まれています。
今世でもしかしてあなたは自分の価値について、低く見てるところはないですか?
と聞かれて、今はもう思ってないのだけれど、この病気になり一つ一つ失っていく過程で生きてるだけで迷惑をかける立場になり、希死念慮を抱いた事。その度にジュビ子の存在が引き留めてくれた事を話した。