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酒類販売業を始める前に知っておくべき法律:人的要件(法10条2号)の詳細(13)

前に、酒類販売業免許(一般酒類小売業免許)の要件のうち、「人的要件 法10条1号」について説明しました(以下参照)。


今回は、人的要件のうち法10条2号についてご説明します。

ところで、人的要件というのはどういう意味なのかというと、要件のうちの「人的」なもののこと。申請者である個人や法人について定められた要件にかかっていないかどうかを確認するものです。

つまり、申請人が過去に不正な手段などで免許などを取り消されたり、法令等に違反してある特定の状況や状態に該当した場合、または刑に処せられ、その刑の執行を受けることがなくなって規定の期間が経過していない場合には免許されることはないので、申請書を審査するときにチェックされるものの一つがこの人的要件です。

人的要件

【法10条2号】

この条文をより分かりやすくまとめると以下のようになります。

対象となる法人:

酒類製造者または酒類販売業者
アルコール事業法に基づく許可(製造、輸入、販売、使用)を受けた法人

状況:

これらの法人が特定の理由で免許や許可を取り消された場合

対象となる個人:

取り消しの原因となった事実があった日の1年前から
取り消し処分を受けた日から3年が経過するまでの間に
その法人の業務執行役員だった者

制限される行為:

上記の対象者が新たに以下の免許を申請すること:
a) 酒類の製造免許
b) 酒母もしくはもろみの製造免許
c) 酒類の販売業免許

結果:

税務署長は、これらの免許申請を拒否する権限を持つ

要するに、この条文は、問題のあった酒類関連企業の元役員が、一定期間内に新たに酒類関連の免許を申請することを制限しています。税務署長に申請を拒否する権限を与えることで、業界の健全性を維持し、問題のある経営者が簡単に事業を再開することを防ぐ仕組みとなっています。
この規定により、過去に法令違反などの問題があった企業の責任者が、短期間で別の酒類関連事業を始めることが困難になり、業界全体の信頼性と安全性を確保する効果が期待できます。

※ 上記問題のあった酒類関連企業(1号に該当する法人)とは…

 ア) 酒類の製造者又は販売業者である法人が、酒税法(12条1、2、5、6号、13条、14条1、2、4号)の規定により免許を取り消された法人。
 イ) アルコール事業法の許可を受けた法人で、同法の規定により許可を取り消された法人

※ 上記ア)の酒税法(12条1、2、5、6号、13条、14条1、2、4号)の規定とは…

 ・「12条1、2、5、6号(酒類の製造免許の取消し)」 
  不正行為などによって製造免許を受けたり、命令違反などによって製造免許を取り消された

 ・13条 酒母等の製造者についても準用するという定め

 ・「14条1、2、4号(酒類の販売業免許の取消し)」
  不正行為などによって販売業免許を受けたり、命令違反などによって
販売業免許を取り消された

「問題のあった酒類関連企業」の定義

1.酒類製造者または販売業者の場合:

 ・酒税法に基づいて免許を取り消された法人
 ・取り消しの理由:
   a) 不正行為により免許を取得した場合
   b) 法令や命令に違反した場合

 ・対象となる免許:
   a) 酒類の製造免許
   b) 酒母やもろみの製造免許(酒類製造の前段階の製品)
   c) 酒類の販売業免許

2.アルコール事業法関連の事業者の場合:

 ・アルコール事業法に基づく許可を取り消された法人
 ・対象となる許可:製造、輸入、販売、使用の許可

要点:

1.この定義は、酒類関連事業で法令違反や不正行為があった企業を特定しています。
2.製造から販売まで、酒類に関わる様々な段階の事業者が対象となっています。
3.単なる事業の失敗ではなく、法令違反や不正行為が原因で免許や許可を取り消された企業が該当します。

この定義により、過去に問題のあった企業の元役員が新たに酒類関連の事業を始めることを制限し、業界の健全性を維持する狙いがあります。


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今回はここまでにしますね。

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