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酒類販売業免許は誰でも取得できる?申請の条件を徹底解説!

酒類販売業免許を取得したいあなたへ!知っておくべき申請条件とは?

お酒を販売するには、必ず「酒類販売業免許」が必要ですよね。でも、この免許は誰でも簡単に取得できるものなのでしょうか?今回は、酒類販売業免許の申請条件について、わかりやすく解説していきます。

酒類販売業免許は、誰でも取得できるの?

結論から言うと、誰でも取得できるわけではありません。酒税法には、免許の交付を受けるための様々な条件が定められています。これらの条件を満たす必要があるのです。

なぜ、申請条件があるの?

酒類販売業免許には、以下のような目的があります。

酒税の適正な徴収: 酒類の製造や販売には税金がかかります。免許制度によって、税金の不正な回避を防ぎます。
未成年者への販売防止: 未成年者への酒類の販売を防止し、社会の秩序を守るためです。
酒類の品質管理: 品質の低い酒類が流通することを防ぎ、消費者を保護するためです。

申請条件を4つのポイントで解説

酒税法第10条では、酒類販売業免許の申請に関する要件が詳しく定められています。大きく分けて、以下の4つのポイントがあります。

人的要件: 申請者や役員に、過去の違反歴等がないかなどが確認されます。例えば、過去に酒税法違反で処分を受けたことがある場合は、一定期間が経過していないと申請できません。
場所的要件: 販売する場所が、他の事業所と明確に分離されているかなどが確認されます。例えば、飲食店と酒類販売業を同じ場所で営む場合は、両者を明確に区分・分離する必要があります。
経営基礎要件: 申請者が、事業を継続できるだけの資金力や経営能力を持っているかなどが確認されます。
需給調整要件: 酒類の需給のバランスを維持するために、特定の団体への販売など、制限がある場合があります。

酒税法の条文を読み解こうとすると、実に難しくて面倒なので、皆さんには条文を読んでもらう必要はありません。

それと、予めご案内しておきますが、この先色々な条文(酒税法第〇条〇号など)が出てきますが、ここでは法律の条文と全く同じ書き方をしていません。なぜなら、皆さんは法律家ではなく基本的には実業家であったり、起業家・事業家なはずで、法律が何を求めているのかが分かればいいわけです。その意味で、不要な部分を端折ったり省略したりというところが出てきます。

それぞれの要件について、もう少し詳しく見ていきましょう

人的要件:
過去に酒税法違反などの処分を受けたことがある場合は、一定期間が経過する必要があります。法人であれば、役員に問題がないかなども確認されます。

場所的要件:
販売場所が、他の事業所と明確に分離されている必要があります。飲食店と酒類販売業を兼ねる場合は、特に注意が必要です。

経営基礎要件:
資金力、経営能力、販売施設など、事業を継続できるだけの基盤が求められます。

需給調整要件:
酒類の需給のバランスを維持するために、特定の団体への販売など、制限がある場合があります。

★ まず、『人的要件(酒税法第10条1号〜8号)』をみてみましょう。

(酒税法第10条1号)
申請者が、酒類等の製造免許や酒販免許又はアルコール事業法の許可の取消処分を受けた者である場合には、その取消処分を受けた日から3年を過ぎていればOK。
つまり、酒税法関係・アルコール関係の免許や許可を取り消されてから3年経過していない場合は申請は拒否されるということです。

(酒税法第10条2号)
申請者が、1号記載の免許・許可について取消処分を受けたことがある法人の、その取消原因があった日以前1年内に、その法人の業務を執行する役員だった者の場合には、その法人が取消処分を受けた日から3年を過ぎていればOK。

(酒税法第10条3号)
申請者が未成年者であって、その法定代理人が酒税法第10条1、2、7~8号をクリアしていればOK。

(酒税法第10条4号)
申請者等が法人の場合で、その役員が酒税法第10条1、2、7~8号をクリアしていればOK。

(酒税法第10条5号)
販売場の支配人が1、2、7~8号をクリアしていればOK。

(酒税法第10条6号)
免許の申請前2年内に、国税又は地方税の滞納処分を受けていなければOK。

(酒税法第10条7号)
国税等に関する法律の規定により、罰金の刑に処せられ又は通告処分を受けたことがなければOK。

(酒税法第10条7号の2)
「二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律」や「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」等により、又は「刑法」等に定める一定の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられたことがなければOK。
もし、「あり」の場合には、その執行を終わった日、執行を受けることがなくなった日から3年を経過してればOK。

(酒税法第10条8号)
禁錮以上の刑に処せられたことがなければOK。
もし、「あり」の場合には、申請時において、その執行を終わった日又は執行を受けることがなくなった日から3年を経過していればOK。

★ 次に、『場所的要件(酒税法第10条9号)』です。

申請する販売場が、取締り上不適当と認められる場所ではなければOK。
どういうことかと言いますと、
(1) 申請販売場が酒類の製造場、酒類の販売場、酒場、料理店等と同一場所でないこと。
(2) 申請販売場の申請者の営業が販売場の区画割り、専属の販売従事者の有無、代金決済の独立性その他販売行為において他の営業主体の営業と明確に区分されていること。

すでにお酒の販売場である場所や飲食店などのような場所と同じ場所に、新しく販売場を設置しようとする場合には免許がおりない場合があるということです。

しかし、特に飲食店などであったら絶対に免許が降りないのかというと必ずしもそういうわけではありません。

例えば、お酒を置く場合には、店内で飲ませる酒とは明確に分けなければいけませんし、保管場所も『飲食店用』と『販売店用』で分けなければいけません。
また、会計・帳簿も明確に分けなければいけないというルールがあります。
つまり、アルコールを販売する場合には、あらゆる点で他の事業と明確に分離する必要があり、逆に言えば、それができるのであれば、飲食店でも酒販免許を取得することも可能なのです。
但し、「申請販売場が酒類の製造場、酒類の販売場、酒場、料理店等と同一場所であると、原則としては免許は与えない」となっているので、これを回避するために、事前に管轄税務署の酒類指導官に相談することが重要です。

★ そして『経営基礎要件(酒税法第10条10号)』。

酒販免許の要件の中には経営基礎要件というものがあって、経営の基礎が薄弱であると認められる場合には免許は出さない、という規定があります。
なので申請者について、事業経営のために必要な資金が足りている、経済的信用が薄弱ではない、製品又は販売設備が十分である、経営能力に貧困等がない、経営の物的・人的・資金的要素に相当な欠陥がない、酒類製造者の販売代金の回収に困難を来すおそれがないなどの場合にはこの要件をクリア可能ということになります。

(1) 申請者が、破産手続開始の決定を受けた人である場合、復権を得ていることが必要です。
まず、この要件に該当していなければ、免許は難しいことになると思います。

(2) 以下の通り、事業経営のための経済的信用の薄弱、経営能力の貧困等経営の基礎が薄弱であると認められない。
 イ 現に国税・地方税を滞納していない。
 ロ 申請前1年以内に銀行取引停止処分を受けていない。
 ハ 最終事業年度における確定した決算に基づく貸借対照表の繰越損失が資本等の額を上回っていない。
 ニ 最終事業年度以前3事業年度の全ての事業年度において資本等の額の20%を超える欠損となっていない。
 ホ 酒税に関係のある法令に違反し、通告処分を受けていない又は告発されていない。
 ヘ 建築基準法等の法令又は条例に違反しておらず、建物の除却又は移転を命じられていない。
 ト 酒類の適正な販売管理体制を構築することができる。

(3) 申請者は、経験等から判断し、適正に酒類の販売業を経営するのに十分な知識・能力がある個人であること、またはそのような人たちが主体となって組織する法人であること。

(4) 申請者は、酒類の販売業を継続して行うために必要な所有資金等を持っていること。

(5) 酒類の販売業を継続して行うために必要な販売施設及び設備がある、又は必要な資金があって、免許を付与するまでに販売施設・設備を購入・リースなどによって設置することが確実と認められること。

★ 最後に『需給調整要件(酒税法第10条11号)』。

酒税の保全上、酒類の需給の均衡を維持する必要があるため、免許を与えることが適当でないと認められる場合。
この要件に該当するときは、販売業免許を与えないことができる、とされています。
 
具体的には、申請者が、

  1. 設立の趣旨からみて販売先が原則としてその構成員に特定されている法人又は団体

  2. 酒場、旅館、料理店等酒類を取り扱う接客業者

でないことが必要となります。

これまで見てきたように、酒販免許の申請をするには数多くの要件をクリアする必要があります。
しかし今回の説明では相当の部分を端折ってお話ししました。

要件の解説をしようと思ったら、それだけで何時間もかかってしまいますので、今回全部の説明をするのは無理!
だけど、この要件はとても大事なところでもあります。

なので、自分で申請するなら、絶対に、絶対に税務署の担当官(酒類指導官)との、事前の相談を欠かさないでください。

自分で勝手に『いけるだろう』と判断して申請すると、後で要件にかかって申請が拒否されてしまうなんてことも・・・

それでは、今回はここまでにします
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