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プロが教える酒類卸売業免許:種類、申請方法、よくある疑問(6)【ビジネス】


酒類卸売業免許

こんにちは!
今回も酒類販売業免許の解説を、ここ、福岡から発信していきますね。

酒類卸売業免許

今回のテーマは「酒類卸売業免許」についてです。小売業免許と比べると、少し難しく感じるかもしれませんが、順を追って説明していきます。

実際に、今回の説明を見たら、前回までに取り上げた小売業免許が意外とシンプルに思えるかもしれません。

酒類を販売する場合は、「酒税法」に基づき、販売する場所ごとに、その場所を管轄する税務署長から「酒類販売業免許」を取得する必要があります。

つまり、たとえ本店で免許を取得していても、別の場所(例えば支店)で酒類を販売しようとする場合は、その支店の所在地を担当する税務署長から新たに免許を取得しなければならない、ということです。

この部分については、小売業免許と全く同じルールが適用されます。

酒類卸売業免許は、販売先や方法によっていくつかの種類に分かれています。その中でも「酒類卸売業免許」とは、主に酒類販売業者や酒類製造者に対して、継続的に酒類を卸売することが許可される免許です。さらに、卸売する酒類の種類や方法によって、以下の8つに分類されます。

※全酒類卸売業免許

すべての種類の酒類を卸売することができる免許です。この免許は、卸売地域ごとに設定された「免許可能件数」の範囲内でのみ取得可能です。

※ビール卸売業免許

ビールのみを卸売できる免許です。こちらも、地域ごとの免許可能件数の範囲内で取得可能です。

※洋酒卸売業免許

果実酒、ウイスキー、ブランデー、リキュールなどの洋酒を卸売できる免許です。複数の酒類から1つ以上の品目を選んで販売できます。

※輸出入酒類卸売業免許

自己が輸出入した酒類を卸売できる免許です。他社が輸入した酒類を卸売する場合は、他の適切な免許が必要です。

※店頭販売酒類卸売業免許

会員となっている酒類販売業者に対し、店頭で直接酒類を引き渡し、持ち帰らせる形で卸売できる免許です。会員登録されていない販売業者には販売できませんし、配達することも認められません。

※協同組合員間酒類卸売業免許

自己が加入している事業協同組合の組合員である酒類小売業者にのみ卸売ができる免許です。自己が所属する事業協同組合の組合員(酒類小売業免許保持者)以外には販売できません。

※自己商標酒類卸売業免許

自ら開発した商標やブランドの酒類のみを卸売できる免許です。

※特殊酒類卸売業免許

特定の必要に応ずるため酒類を卸売できる免許です。たとえば、酒類製造者の本支店や出張所向けの卸売や、企業合同による卸売、酒類製造者の共同販売機関向けの卸売などが該当します。

特に「全酒類卸売業免許」や「ビール卸売業免許」については、申請者が多いため、免許年度ごとに免許可能件数が決められています。申請は公開抽選で審査順位が決定され、その範囲内で免許が付与されます。

一方、それ以外の免許は、基本的に申請順に審査され、免許が付与されます。

万が一、免許を取得せずに酒類の販売を行ったり、小売業免許で卸売を行った場合は、酒税法により1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。また、虚偽の申請など不正があった場合、免許が取り消されることがあります。

以上が酒類卸売業免許の概要です。

上記の通り、「1全酒類卸売業免許」「2ビール卸売業免許」のみ公開抽選が行われます。

申請書等はいつでも提出することができますが、
全酒類卸売業免許やビール卸売業免許は、基本的に「抽選対象申請期間中に提出された申請書」から先に審査して免許が付与されるので、抽選対象申請期間外に申請した場合には、抽選対象申請書に対して免許が与えられた後に、免許可能件数がまだ残っている場合に限って、免許を付与することになります。

誤解しやすい点ですが、酒類を卸売りできる相手は、酒類の製造免許か酒類販売業免許を持っている事業者だけです。ここは覚えておいてください。

たとえば、飲食店(バーやレストラン、カフェなど)は通常、酒の販売免許を持っていません。ですので、そういった飲食店などにお酒を販売できるのは、卸売業者ではなく、小売免許を持っている事業者ということになります。

ここまで読まれて、「あれ、それほど難しくなさそう・・?」って思われた方もいるかもしれませんね。

ただ、易しく分かるように、大幅にカットした部分が一杯あります。事前に調査しておかないといけないとこもたくさんありますし、免許要件もたくさんありますが、今回はそういった部分の解説は端折りました。

全酒類卸売業免許やビール卸売業免許については、特に都市部では申請・取得が困難な場合が多いと思います。

抽選もそうなんですが、そもそも申請できるかどうかの「枠」というものが設定されているため、都心部を中心に申請可能枠そのものが少ないとか、出店予定地域では枠が埋まっていて、申請自体ができないなど、小売業免許などとは異なった意味での難しさがあります。

今回はここまでにしますね。

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